飼い方・育て方

犬の散歩のマナー解説|トイレ・ルール・しつけなどの基本と心得

#犬の散歩 #散歩のマナー

安全かつルールを守って散歩をするために、飼い主さんが気をつけるべきポイントはどのような点でしょうか?
散歩中は、愛犬を外の社会に連れ出すことになります。
愛犬にとっては貴重な運動・ストレス発散の機会ですが、同時にトラブル発生のリスクが生じる場面でもあります。
飼い主さんはマナーを守り、トラブルが発生しないように細心の注意を払わなくてはなりません。
この記事では、犬の散歩時のルール・マナー・必要なアイテムについて解説します。
さらには、安全に散歩をするために散歩についても触れています。
地域の方々に迷惑をかけず、安全に散歩を楽しみたい飼い主さんはぜひ参考にしてください。

1.犬の散歩マナーの基本・心得

犬の散歩をする際には、最低限身につけておきたい基本の心得があります。

基本的な心得は、愛犬を守るためにも近所に迷惑をかけないためにも大切なものであり、いわば飼い主としての最低限のマナーです。

この章では、4つの基本心得をご紹介します。

1-1. リードをつける

一つ目のポイントは、外出時には必ずリードをつけることです。

環境省が発行している「犬の飼い方のルール」においても、リードをつけることはルールとして記載されています。

外出時にリードをつけることの意味は以下のとおりです。

  • リードを装着しないと、飼い主さんのコントロールが効かなくなり、他の人やペットに対して愛犬が吠えたり噛みついたりしてしまう可能性がある
  • 愛犬が自由に走り回っているうちに迷子になることがある
  • 愛犬が拾い食いや誤食をして体調を崩してしまうリスクがある
  • ほとんどの自治体で、リードなしで犬を散歩させることは禁止されている

大事な愛犬を守るためにも、自らが近所の住民に対する加害者にならないためにも、リードは必須です。

まれに「子犬は小さいから問題ない」と誤解をしている方もいますが、吠えたり噛んだりしなくても子犬自身を危険な目に合わせることになります。

また、リードに慣れていないと成犬になってからリードをつけようとしても、嫌がることがあります。

必ず子犬の頃からリードをつけるように徹底しましょう。

参照:環境省「犬の飼い方のルール」

1-2. 飼い主さんの近くを歩かせる

散歩の際には、犬は飼い主さんのすぐ近くを歩かせるようにしましょう。

飼い主さんのすぐ近くに寄り添って歩かせることで、飼い主さんの目がきちんと届きやすくなり、飛びつきや飛び出しの事故リスクを軽減できます。

犬が車道への飛び出しで事故に遭うのは、残念なことにとてもよく起こる事故です。

このとき、飼い主さんとしては愛犬をケガ・死亡させてしまうだけでなく、最悪の場合には相手方から車の修理費を請求されることさえあります。

最悪の事態を防ぐためには、散歩中に飼い主さんの近くから離れないようにしつけておくことが大切です。

散歩時のしつけについて詳しく知りたい方は

「犬のしつけは必要?しつけの項目・やり方・コツを解説」の記事で解説しているので、ぜひチェックしてください。

1-3. 近所や散歩中の他の犬とのトラブル防止に努める

犬の散歩の際には、近所やほかの散歩中の犬とのトラブル防止に細心の注意を払わなくてはなりません。

■近所の住民との間で想定されるトラブル

  • 鳴き声がうるさい
  • 恐怖感があるため散歩のコースを変更してほしい
  • 犬に噛まれた、吠えられた
  • 犬に私有地を汚された

■他の犬とのトラブル

  • ケンカをしてケガをさせた(させられた)
  • 互いに吠え合って収拾がつかなくなってしまった

これらの問題が発生すると、まず相手方に対してお詫びに行かなければなりません。

根本的に問題が解決しないときは、裁判に発展したり慰謝料・損害賠償を請求されたりするケースもあります。

特に近所の住民については、必ずしも犬や動物が好きな方とは限りません。

不信感や嫌悪感を抱かれてしまうと、近所の方との関係性が悪くなり街に住みづらくなってしまうケースも考えられます。

1-4. 排泄物・マーキング対策をする(基本はトイレで)

うんちや尿などの排泄物は、飼い主さんが対策をするのがマナーです。

原則は、しつけをしてご家庭内のトイレ以外では排泄しないようにしましょう。

しかし、しつけができていない場合や体調がすぐれない時、外で排泄する習慣のある大型犬などはしつけで対処しきれないことがあります。

その場合に取るべき対策は以下のとおりです。

  • 犬用おむつを利用する
  • うんちをビニール袋などに入れて持ち帰る
  • 水で流して道路などをキレイにする
  • 消臭スプレーを使って臭い対策をする

地域に迷惑をかけないことは、飼い主さんの責任とみなされるため、しっかりとこれらの対策をしましょう。

→愛犬のトイレトレーニングは、最短1ヵ月程度で完了します。

特に子犬であれば比較的スムーズに対応できるため、快適に散歩をするためにもぜひ子犬の内からチャレンジしてください。

トレーニングに1ヵ月以上要する場合やすでに成犬になっている場合には、有料のトイレしつけサービスを利用する方法もあります。

2.犬の散歩中の歩き方に関するルール

散歩の際には、愛犬のポジション・位置取り・散歩コースの環境などがとても大切です。

ルールと対策を把握して、愛犬や地域の方々の迷惑にならないようにしましょう。

2-1. 飼い主さんの左側が原則

犬を散歩させる際には、飼い主さんの左側を歩かせるのが原則です。

欧米のルールが基となって、日本での原則がそのように決められているようです。

しかし、日本では「歩行者は原則右側通行」という交通規則があるため、愛犬を左側にすると車道側に犬を歩かせることになります。

その結果、道路に飛び出してしまうリスクが高くなりとても危険です。

従って、原則を知ったうえで臨機応変に対応することが大切です。

  • 飼い主さんが道路の左側を歩く
  • 飼い主さんの右側と左側との両方を歩けるようにトレーニングをする

「歩行者が左側を歩いたら、法律違反なのでは?」と疑問を抱く方もいるかもしれませんが、道路交通法でも例外として、左側交通が認められています。

参考:道路交通法第10条

「歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄って通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄って通行することができる。」

2-2. 人とすれ違う時には相手に配慮する

歩道でほかの人とすれ違う時には、相手への配慮が大切です。

最悪の事態は、犬が人にとびかかってしまうことです。

必ず相手と愛犬との間に自分の身体を挟むようにしてすれ違いましょう。

また、相手の方が怖がっていないかどうかもチェックしましょう。

2-3. 理想的な場所

散歩をさせる道の状況や環境への意識

・舗装道路
平らで歩きやすく危険なものが路上に落ちていたとしても発見しやすいため、基本的には散歩に適しています。ただし、夏は高温になりやすいため肉球をやけどしないように注意が必要です。

・未舗装の道路
舗装道路と比較すると、夏でも熱くなりにくいというメリットがあります。ただし、雨の後にぬかるみやすく水たまりができやすいというデメリットがあります。水たまりの泥水を誤飲しないよう注意が必要です。

・砂利道
水はけがよいものの、砂利道も熱を帯びやすいため火傷に注意が必要です。またガラスの破片などが見えづらいためケガをしやすいという注意点があります。

・雪道
雪道に喜ぶ犬は少なくありません。ただし、雪道の上はとても冷えるので凍傷に注意しなくてはなりません。

・草地
クッション性がありますが、落ちているゴミや草の先端などでケガをしてしまうリスクがあります。また、雑草にかかっている農薬などにも注意が必要です。ノミやマダニ・蚊に刺されるリスクが高まりますので、日ごろから予防が必要になります。かかりつけの動物病院で処方してもらいましょう。

3.犬の散歩に必要なアイテム

この章では、犬の散歩に必要なアイテムを7つご紹介します。

マナーを守るため、そしてより安全で楽しい散歩をするために必要なものですので、チェックリストとしても活用してください。

3-1. リード・首輪・ハーネス

上述のとおり、犬を安全に散歩させるためにリードをつけることは飼い主としての義務ともいえます。

愛犬の安全を守るためにも愛犬が迷惑行為をしないためにも、リードをつないで不測の事態が起こらないように注意しましょう。

3-2. 排泄物用の袋・マナー水

愛犬の散歩中の排泄対策として、ナイロン袋とマナー水を用意しましょう。

しつけができている場合でも、急な体調不良などが起こることもあるので油断は禁物です。

マナー水は、道路をきれいにするために携帯します。

500mlのペットボトルに水道水を入れれば十分です。

3-3. 携帯電話・スマートフォン

散歩中に愛犬がケガをしたり、トラブルを起こしたりしたときを想定して、携帯電話やスマートフォンを持つようにしましょう。

携帯電話・スマートフォンがあれば、すぐにかかりつけの動物病院に連絡を取ったり、家族に相談の電話をしたりできます。

また、散歩の様子を写真に撮ったりSNSにアップしたりする際にも便利です。

3-4. タオル

散歩中に、愛犬の身体が汚れたりケガをしたときの応急処置として利用したりするために、タオルが1枚あると便利です。また、散歩後の帰宅時にも足の裏などをキレイにするためにタオルを使用します。

濡れタオルやウェットタオルであれば、そのまま身体や足の裏を拭くのみで済むのでとてもスムーズです。

扱いやすさを意識したときには、ハンディタイプのサイズが便利です。

3-5. レインコート

急に雨が降ったときのために、愛犬と飼い主さんのレインコートを持参しましょう。

飼い主さんにもレインコートが必要な理由は、雨傘を使用すると両手の自由が利かなくなり、愛犬の突発的な行動やトラブルに対処できなくなるためです。

愛犬が風邪をひいたりケガをしたりしないために、レインコートを用意しましょう。

3-6. おもちゃ

散歩をコミュニケーションの場としてより楽しむためには、おもちゃを持参するのも良いでしょう。

特にお気に入りのおもちゃを持参すると、愛犬のテンションも高まりやすいのではないでしょうか?

また、しつけのトレーニング中の場合は、ごほうびとしておやつを持参するのもオススメです。

カロリー過多にならないように注意しながら愛犬の喜ぶものを用意しましょう。

3-7. 懐中電灯

夜間の散歩は交通事故のリスクなどが高まるため基本的にはあまりオススメしませんが、夕方以降に散歩する場合は懐中電灯を持参しましょう。

周囲の危険をチェックするためにも、車や自転車などにたいして自らの存在を示すためにも役立ちます。

4.犬を散歩させるためにはしつけも重要

愛犬を散歩させるためには、グッズの準備だけではなくしつけも大切です。

散歩中に特に注意したいのは次の行動です。

  • 拾い食い・誤飲
  • 他の人や動物に対して吠えたりとびかかったりするなどの行動
  • マーキング
  • 勝手に逃げ出したり走りだしたりしてしまう

リードを使ってある程度のコントロールはできますが、それよりも大切なのはしつけや社会化です。

特にアイコンタクトと「待て」ができないと、散歩中の危険が高まります。

しつけは子犬のころから少しずつおこなっていきますが、モチベーションを高めるものがあるとしつけがスムーズになります。

オススメしたいのはおいしいごはんやおやつです。

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子犬の場合は下記の記事も参考にしてください。

参考:子犬のおやつはいつから・何をあげる?

 

5.まとめ

愛犬の散歩の際にはマナーを守ることが大切です。

マナーの中でも特に

  • マーキングはさせない
  • 吠えさせない

は、癖がある犬には少しトレーニングが必要となります。

特に、近所の方々やほかの迷惑にならないように飼い主さん自身が十分に配慮しましょう。

散歩中にはさまざまなリスクが想定されます。

トイレトレーニングや「待て」などしつけがどの程度できているかも大きなポイントになるため、おいしいごはんやおやつをご褒美として使用しながらトレーニングを進めていきましょう。

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