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大型犬ならではのドッグフードの選び方とは?

#ドッグフード #大型犬

大型犬は、散歩や普段のお世話が大変だったり引っ張る力が強かったりと、犬の飼育の中でも独特の難しさがあるといわれます。
そして、ドッグフードの与え方や選び方に関しても、飼い主さんは大型犬ならではの注意点に気を付けなくてはなりません。
この記事では、大型犬向けのドッグフードの選び方を解説します。ドッグフードの与え方の基本や困ったときの対策についてもチェックしていただけるので、大型犬の飼育を検討している方や今大型犬のドッグフードの与え方に困っている方は、ぜひ参考にしてください。

1.大型犬ならではドッグフード選びの注意点

大型犬のドッグフードを選ぶときには、小型犬や中型犬とは異なるポイントがあります。

愛犬の健康維持のためには必ず押さえておきたいポイントなので、大型犬を飼育される方は必ず押さえておきましょう。

1-1. 骨・関節の健康へのケアをしている

大型犬は、ひざや関節に負担がかかりやすいという特徴があります。

大型犬には脱臼や関節症などの発生が多いことを耳にされたこともあるかもしれませんが、ケガや不調が生じていない場合であっても痛みやストレスを感じていることはよくあります。

そのまま放置しておくと歩行が困難になったり痛みが強くなったりするため、早期の対策が必要です。

有効な対策は、ひざや関節にとって有効な成分が加えられたドッグフードを与えることです。

ドッグフードでこれらのケアをする場合は、グルコサミンやコンドロイチン硫酸などの成分が望ましいと言われています。

・グルコサミン/コンドロイチン硫酸・・・どちらも関節軟骨成分の成分であり、ひざや関節の痛みに対して改善の報告がされている成分です。

程度のひどい場合には、動物病院で相談をしたりサプリメントを検討したりしましょう。

1-2. 十分なたんぱく質が必要

体を動かす筋肉のもととなる成分は、たんぱく質です。

たんぱく質は、体温を調節したり皮膚を日光から守る被毛を健康に保ったりするためにも重要な栄養素です。

大型犬は体のサイズが大きいため、小型犬よりも多くのたんぱく質を必要とします。

そして、量だけではなく良質なたんぱく質を摂取することも大切です。

良質なたんぱく質を十分に摂取するためには、良質なお肉やお魚を主原料としたドッグフードを、適量与えることが大切です。

犬にとってのたんぱく質の重要性は、「犬にとってたんぱく質の必要量や摂取方法とは?」の記事にて詳しくご紹介していますので、興味のある方はぜひチェックしてください。

1-3. 内臓へのケア

大型犬の内臓ケアの具体的対策は、高たんぱく・高脂肪を避けることです。

その理由は、体重過多を防ぐためです。

大型犬にとって太ることは足腰へ負担が増えますから、日ごろからきちんとライフスタイルに合わせてカロリーをコントロールし、その上で体重管理をすることが大切になります。

一般的に、ドッグフードは高たんぱく・低脂肪が望ましいとされます。

また、大型犬は小型犬・中型犬に比べると1日の消費カロリーが少なめなので、カロリーが高すぎないドッグフードにしましょう。

また、胸部の深い大型犬(秋田犬、レトリバー、ドーベルマン、ボクサー、ジャーマンシェパードなど)は、胃がガスで膨れ上がる胃拡張や、胃がねじれる胃捻転を発症しやすい傾向にあります。

これらを防ぐには、食事の改善があり、1回の食事量に気を付けること、早食いさせないこと、食後すぐに運動させないことなどがあります。

1-4. 成長期の長さに注意

大型犬は、小型犬・中型犬よりも成長期が長く、犬種によっては2歳頃まで続きます(小型犬の場合は6~9ヵ月程度)。

成長期とは、生まれてから成長がストップするまでの期間のことです。

成長期は、体が大きくなったり体の機能が発達したりするため、たくさんの栄養を摂取する必要があります。

成長期には成長期用のフードを与えて、成長をしっかりと促進しましょう。

成長期の期間は犬種によって異なるため、ご自身の飼い犬の成長期が生後何ヵ月ごろまでなのかを、あらかじめリサーチしておくことも必要です。

2.大型犬のドッグフードの食事量・回数は?

ドッグフードは、選び方だけでなく与え方も大切です。

肥満・空腹・栄養不足などを防ぐためのドッグフードの与え方を押さえておきましょう。

2-1. 回数は1日に2回が基本

成犬の場合は、大型犬であっても1日に2回が基本です。

1度に食べられる量が少ない子犬や成犬の場合は、1日3回以上になることもあります。

ドッグフードを1日に2回与える場合、朝と夜にできるだけ食間の間隔が同じくらいになるようにしましょう(AM8時・PM8時など)。

食事の回数を増やす時期の目安は、7歳以降です。

ごはんを食べる量が減ってきたら、1回のドッグフードの量を減らして回数を増やすように変更しましょう。

2-2. 食事量・必要カロリーは?

ドッグフードの食事量をチェックする際に、とてもわかりやすいのはドッグフードのパッケージに記載されている「食事量」です。

ただし、パッケージの情報だけでは本当に表示が正しいのかについて不満に思う方もいらっしゃるかもしれません。

「体重が増えているような気がする」

「フードの量が適正なのかどうかわからない」

などの不安を感じた方は、定期的に体重を測って、体重が増加していないか確認するようにしましょう。

2-3. ドッグフードの大きさ

ドッグフード(ドライフード)の場合、やや粒の大き目のものがオススメです。

その理由は、以下の3点です。

  • 粒が小さいものを与えると、噛まないで丸呑みしてしまって喉に詰まらせる可能性があるため
  • しっかりと噛んで食べることを習慣づけて、あごの力を鍛えるため
  • 早食い防止になる


老化や歯茎の病気などで噛む力が弱くなっている時には、ウェットフードを使ったり、ドライフードをふやかしたりするなどの工夫をしましょう。

3.大型犬のドッグフードに関する疑問

大型犬を飼っている飼い主さんの多くが、さまざまな疑問を感じながら愛犬にドッグフードを与えています。

この章では、多くの飼い主さんが疑問に感じているドッグフードに関する疑問を解説します。

3-1. 小型犬と同じドッグフードを与えてもいいの?

特に複数飼育をしている飼い主さんに多いのが、以下の質問です。

「小型犬や中型犬と同じドッグフードを与えても問題ないの?」

小型犬と大型犬を一緒に飼っている方にとって、それぞれドッグフードを分けるのは大変なことだと思いますが、大型犬には大型犬用のドッグフードを与えるようにしてください。

その理由は、以下の2点です。

  • 小型犬用のドッグフードは粒の小さなものが多く、大型犬に適していないため
  • 小型犬と大型犬とでは、必要な栄養バランスが異なっており、体調不良につながるケースがあるため


同じドッグフードでも、犬種や用途によって作られている点を理解しましょう。

3-2. まとめ買いはOK?

ドッグフードの費用を軽減するために、まとめ買いをする方がいます。

OKか否かの判断ポイントは、使い切れるかどうかです。

複数飼育をしている場合、ドッグフードの消費量が2~3倍になるので、まとめ買いで食費を押さえるのはとても有効な手段です。

しかし、使用期限が過ぎてしまったり開封後に時間が経過したりすると、ドッグフードは酸化などにより劣化を招いたりすることがあります。

もし、まとめ買いをするのであれば、購入前に使用期限を確認し、1日の消費量を確認したうえで購入しましょう。

3-3. ドッグフードは定期的に変更すべき?

「同じドッグフードを与え続けるのは、愛犬がかわいそうなのでは?」といった考え方をもつ、とても優しい飼い主さんもいます。

しかし、ドッグフードに関しては、ドッグフードへの食いつきが悪くならない限りは同じドッグフードを続けるのが一般的です。


愛犬が気に入っているドッグフードの場合、他のドッグフードを食べたがらないことの方が多いでしょう。

したがって、栄養バランスが取れており、愛犬が好んで食べるドッグフードを継続的に与えるようにしてください。

ただし、栄養バランスのよくないドッグフードや人工的な添加物が多く含まれているドッグフードを与え続けていると、栄養の偏りや添加物の摂取過多によって体調を悪くしてしまうリスクもあります。

バランスが取れたドッグフードを選ぶことが極めて重要です。

4.大型犬がドッグフードを食べないときなどの工夫方法

ドッグフードへの食いつきが悪くなってしまったときには、どのように対策を取ればよいでしょうか?

考えられる方法はさまざまですが、この章では特に代表的なポイントを4点ご案内します。

4-1. 姿勢に注意

大型犬にとっては、ドッグフードを食べるときの姿勢も大切です。

特に、歳を取ったりケガ・病気を患ったりしている犬の場合は、なおさら飼い主さんが愛犬の姿勢を意識しなくてはなりません。

体に負担をかけずに食事をとれるようにするための工夫の具体例は、以下のとおりです。

  • 愛犬の首くらいの高さの台に食器を載せて、食事のときに首を下ろさなくても食べられるようにする
  • 食器を飼い主さんがもって、食事のときに口元までもっていく
  • 犬が食器に口を入れやすいように、斜めの形状の食器を使用する

悪い姿勢で食べ続けると、将来の関節痛などにつながることもあるため、食欲が旺盛であったとしてもこれらの工夫に取り組むことはとても効果があります。

4-2. カロリーを意識する

老犬は、食の量が細くなります。

健康を維持するためには、少ない食事量でも十分に必要なカロリーを摂取できる高カロリー食を選んだ方がよいケースもあります。

特に大型犬の場合は、必要なカロリー量が多いため、細心の注意を払いましょう。

食事量が細くなってきた老犬に対しては、食事の回数を増やしてこまめに分けることも大切です。

ただし、しっかりと自分で食事ができる場合には、老犬であっても低カロリーへの意識が重要です。

老犬の体重の変化を日々チェックしながら、判断するようにしましょう。

また、たんぱく質やミネラルなどのそのほかの栄養素をバランスよく摂取することも重要なので、信用できるドッグフードを選びましょう。

4-3. 早食い防止のための工夫をする

早食いには、以下のデメリットがあります。

  • フードがのどに詰まって、誤嚥性肺炎や窒息を起こしてしまう
  • 胃拡張、胃捻転を起こして嘔吐や消化不良を起こすリスクにつながる
  • 歯周病になりやすくなる

早食い防止のための最も代表的な工夫は、早食い防止用の食器による対策です。

口の狭いものや隆起や凸凹のある食器を使用することで、口の中に一度に大量のドッグフードを入れるのを予防できます。


大型犬の場合は、食事の際のインパクトが強くなる傾向があるため、安定感のある食器を選びましょう。

食器以外の対策としては、ドッグフードの粒のサイズを大きくしたり、ドッグフードをふやかして1回の食事量を減らすなどの対策もあります。

4-4. 困ったら専門家に相談する

大型犬に限ったことではありませんが、犬を飼っているとわからないことが次から次へと登場します。

大型犬は、小型犬や中型犬と比べて飼育が難しい傾向にあるため、なおさら迷う場面が多いかもしれません。

そのようなときに飼い主さんが一人で悩むのはあまり得策ではありません。

専門家である動物病院に相談しましょう。

今回の記事は、大型犬の食事の選び方や与え方についての内容でしたが、フードの与え方や選び方などあらゆることが相談できるので、不安を感じられたときにはぜひ迷わずに獣医師の先生に相談してください。

5.まとめ

大型犬には、小型犬や中型犬とは異なる固有の特徴があります。

愛犬が長く元気で過ごせるようにするには、飼い主さんも細やかな点に気を配らなくてはなりません。

この記事では、大型犬ならではの注意点をご紹介しました。

関節・骨への配慮や内臓の負担ケアは、特に大型犬の健康に直結します。

ご自身で必要な情報を収集することに加え、困ったときには動物病院に相談するなどの臨機応変な対応を心がけてください。

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