飼い方・育て方

フレンチ・ブルドッグの飼育のために押さえておきたい5つのポイント

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フレンチ・ブルドッグは世界的に人気が急騰している犬種です。
2020年のアメリカ人気犬種調査(アメリカンケネルクラブ)では、全犬種中2番人気にまで上り詰めています。
日本国内でも人気が高まっており、ジャパンケネルクラブが発表する飼育数ランキング(2019年)では、5位にランクインしています。
したがって、フレンチ・ブルドッグを飼育したいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただし、犬の飼育は犬種ごとに適切な接し方や注意すべきポイントが異なります。
この記事では、フレンチ・ブルドッグを飼育する際に必ず押さえておきたいポイントを、5つの項目に分けてご紹介します。

1.フレンチ・ブルドッグってどんな犬

フレンチ・ブルドッグは「ブサかわ」を代表する犬種です。好きな方にとっては、時間を忘れてただただ顔を眺めていられる存在でしょう。

フレンチ・ブルドッグはビジュアルのインパクト大ですが、そのほかにどのような特徴があるのでしょうか?

まずは身体的な特徴や歴史から、フレンチ・ブルドッグを解説します。

1-1. 概要

フレンチ・ブルドッグの基本情報は、以下のとおりです。

 

オス

メス

体高

27~35㎝

24~32㎝

体重

9~14kg

8~13kg

オスの方がわずかに大きい傾向がみられますが、平均するとおよそ30㎝前後、体重は11kg前後の個体が多いです。

サイズとしては中型犬に分類され、サイズの割に体重の重い犬種です。

外見的な顔の特徴は、以下のとおりです。

  • つぶれた鼻
  • コウモリのような大きな耳
  • 真四角な頭
  • クリっとした丸い目

しっかりと引き締まった筋肉質の体をしていますが、よくイビキをかいたりオナラをしたりするなど、あふれる愛嬌が魅力です。

1-2. 2つのタイプ

あまり大きな違いはありませんが、フレンチ・ブルドッグにはアメリカタイプとヨーロッパタイプの2種類があります。

全体的な特徴は、以下のとおりです。

  • アメリカタイプ・・・比較的丸みを帯びた体型。性格は陽気で、クリーム系の色をした個体が多いです。
  • ヨーロッパタイプ・・・比較的筋肉質。性格はやや慎重(基本的には陽気)で、黒系統の色をした個体が多いです。

フレンチ・ブルドッグの被毛の色は、大きく分けて4つのタイプがあります。

  • フォーン・・・茶色ベース。明るい色合いからレッドまでさまざまなカラーバリエーションがあります。
  • クリーム
  • ブリンドル・・・ブラック系のベースに褐色やホワイト系が含まれています。
  • パイド・・・ホワイト系のベースに黒やフォーン系の指し色が入るタイプです。

色味の変化により、表情や顔つきにも変化が生じます。

イメージがうまくわかない方はペットショップの店頭やカタログなどで見比べをしてみるのもよいでしょう。

1-3. 歴史

フレンチ・ブルドッグの歴史は諸説あり、実ははっきりしたことはわかっていません。

18世紀頃にイギリスからフランスに持ち込まれたブルドッグに、パグやテリアなどを掛け合わせたとの説が有力です。

ブルドッグは、牛と闘うためにあえて顔の凹凸が小さくなるように改良されました。

フレンチ・ブルドッグは、小型化され闘争心が小さくなっています。

2.フレンチ・ブルドッグの性格

性格はもちろん、個体差があります。

とはいえ、フレンチ・ブルドッグに共通して見られる傾向があるのも事実です。

この章では、フレンチ・ブルドッグに見られる4つの特徴をご紹介します。

2-1. 好奇心が旺盛

フレンチ・ブルドッグは、「まるで人間の子どものようだ」といわれるほど、好奇心旺盛です。

例えば、遊んでいる最中により面白くなる遊び方を工夫して考えたり、はじめて目にするものに興味をもって近づいたりするなどの行動が見られます。

その反面、フレンチ・ブルドッグは退屈を嫌う一面があります。

したがって、飼い主さんは愛犬と積極的にコミュニケーションを取り、たくさん遊ぶように心がけましょう。

※真夏に遊ぶ時には、熱中症や夏バテのリスクがあるため、愛犬の様子をチェックするように意識してください。

2-2. おおらかな性格

フレンチ・ブルドッグは、基本的におおらかでのんびり屋です。

また、明るくて楽しいことが好きなので、愛玩用のペットとして理想的な性格です。

家の中を走り回ったり攻撃的な態度を取ったりすることがほとんどないので、小さなお子様のいるご家庭でも安心して飼育できます。

近隣からのクレームが発生しにくいため、集合住宅にお住いの方にもオススメです。

おおらか・のんびり屋な部分と愛嬌のある顔が絶妙にマッチして、フレンチ・ブルドッグの魅力となっています。

2-3. 甘え上手

意外に思われるかもしれませんが、フレンチ・ブルドッグは甘えん坊です。

飼い主さんとのコミュニケーションを好み、一緒に遊んだり頭をなでてもらったりすると嬉しそうにしていることが多いです。

また、甘え上手な一面ももっています。

おしりを振りながら近づいてきて、かまってほしいという気持ちをうまくアピールしてきます。

フレンチ・ブルドッグの愛嬌のあふれる表情でおねだりされると、飼い主さんもつい放っておけなくなるのではないでしょうか。

2-4. 頑固な一面

フレンチ・ブルドッグは、頑固な一面を見せることもあります。

  • 散歩中に急に気分が乗らなくなり、歩くのをストップしてしまう
  • 飼い主さんの指示を一切無視する
  • オモチャを頑としてでも手放さなくなる

従順なフレンチ・ブルドッグがときどき頑固になるのは、闘犬ブルドッグの血を引いているからであるともいわれます。

しかし、飼い主さんと愛犬との信頼関係により、愛犬が頑固な一面を発揮しようとしてもコントロールしやすくなります。

対策として、子犬の頃から愛犬がいうことを聞くまで指示・命令することを習慣づけてください。

信頼関係の構築・主従関係の理解を試みることで、コントロールが効かせやすくなります。

3.フレンチ・ブルドッグを飼育するときの注意すべき点

フレンチ・ブルドッグを安全に飼育するためには、理解しておきたい注意点があります。

注意点を理解することにより、ケガや病気をしたりストレスを抱えたりするリスクが大いに軽減されるでしょう。

3-1. 他の犬との距離感に注意

散歩の最中に他の犬とすれ違ったときや複数飼育をしているときにトラブルに発展しないよう、飼い主さんは注意しなくてはなりません。

フレンチ・ブルドッグは前章でご紹介したように基本的にはおとなしい性格です。

しかし、当然ですが怒ったり興奮したりするときもあります。

相性の悪い相手がいたり、散歩のときに興奮状態になりやすい個体がいたりもします。

そして、フレンチ・ブルドッグならでは注意点は、飼い主さんが表情を読み取りにくいことです。

フレンチ・ブルドッグは皮がゆったりと垂れているため、ちょっとみただけでは表情の変化が確認しづらいためです。

フレンチ・ブルドッグを散歩させたり他の犬と一緒に遊ばせたりする際には、トラブルを未然防止できるように距離を保ちましょう。

リードを短くもってすぐに制御できるようにしておくことも大切です。

3-2. 遊びすぎに注意

フレンチ・ブルドッグの特徴でもあるつぶれた鼻のことを「短頭種」といいます。

短頭種の犬は、気道が短いために体温の上昇に弱い傾向がみられます。

特に夏場には熱中症のリスクが高いため、十分に注意しましょう。

ひどい熱中症の場合、病気や疾患のない元気な愛犬が急に命を落としてしまうこともあります。

飼い主さんには、長時間連続して運動しないこと、初期症状を見逃さないことが求められます。

初期症状・・・ぼーっとして、ハァハァと浅い呼吸をしている

4.フレンチ・ブルドッグの飼い方

この章では、フレンチ・ブルドッグの基本的な飼育方法を解説します。

基本的なポイントを理解しておくと、飼育のスタート時に自信をもって飼育できるでしょう。

4-1. 食事のポイント

フレンチ・ブルドッグにフードを与える際には、フード選びが大切です。

特に、以下の3点を意識してフードを選びましょう。

①少量でもしっかりと栄養素が含まれている
肥満と栄養不足を同時にカバーするため

②アレルギー対策を意識する
穀物が多く含まれるフードは、アレルギーを誘引しやすいため注意。

③添加物不使用(無添加)
人工的な香料や保存料の中には発がん性のあるものや体調不良を引き起こすものがあるため、要注意

以上に注意をすれば、日頃の食生活において健康に留意できます。

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4-2. 必要な運動量・散歩量

フレンチ・ブルドッグの必要運動量はそれほど多くありません。

具体的には、朝と夕方にそれぞれ10分散歩をする程度で十分です。

フレンチ・ブルドッグは呼吸がしづらいため、体温調節も苦手なので夏の暑い時期の散歩や運動は人一倍気を付けてあげましょう。

ただし、たくさん必要ないからといって必要性が低いわけではありません。

定期的に運動をしないと運動不足から体調不良になってしまったり、肥満体型になってしまったりするなどのリスクにつながります。

4-3. 集中力の持続に注意

フレンチ・ブルドッグは、集中力があまり持続しない傾向があります。

しつけをする際などは、短時間で集中的におこなうようにしましょう。

なかなかしつけがうまくいかない時でも、いくつかのブロックに分けて少しずつトレーニングを続けるようにしましょう。

どうしても集中力がもたないときには、おやつを利用してもよいでしょう。

フレンチ・ブルドッグは食べることが大好きな犬種なので、効果てきめんです。

4-4. 日常のケア

日常的におこなうべきことは以下のケアです。

  • ブラッシング
  • シャンプー
  • 爪切り
  • 歯磨き
  • しわのケア

特に、皮膚がデリケートで「皮膚炎」などの皮膚疾患にかかる子も多いです。

しわのケアはフレンチ・ブルドッグ特有のケアなので要注意です。

しわの間に汚れがたまらないように定期的におそうじをしてください。

強くこすりすぎると肌を痛めてしまうので、優しく拭き取ることが大切です。

5.フレンチ・ブルドッグがかかりやすい病気

最後に、フレンチ・ブルドッグに特有のかかりやすい病気をチェックしておきましょう。

それぞれの予防のポイントもご紹介していますので、ぜひチェックしてください。

5-1. チェリーアイ

チェリーアイとは、まぶたの一部(瞬膜)が炎症を起こしてサクランボのようなものが目の内側から出てきて赤くなる病気です。

遺伝的な原因で起こることが多く、予防法はありません。

ただし、早期であれば治療が容易であるケースが多いため、早く動物病院を受診することが重要です。

逆に、炎症がひどくなると外科手術が必要になります。

5-2. アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、アレルギー要因の物質に体内の抗体が反応することにより起こります。遺伝的な要因も多く、完全に予防するのは難しいでしょう。

しかし、アトピー性皮膚炎の可能性を低減することは可能です。

例えば、アトピー性皮膚炎は他のアレルギーと併発しやすいため、食物アレルギーを起こさないようにフード選びに注意する方法などがあります。

アトピー性皮膚炎の対処法は程度により異なるため、動物病院の指示に従って治療を進めてください。

治療期間が長くなる傾向があるため、飼い主さんも根気よくケアをする必要があります(動物病院への通院など)。

5-3.  軟口蓋過長症

軟口蓋過長症は先天性の疾患です。病名のとおり「軟口蓋」という箇所(口腔内の天井部)が通常よりも長いことによって起こる疾患で、呼吸が妨げられイビキや呼吸困難などのトラブルを起こします。

ひどい時には失神を起こすこともあります。早期に動物病院にて適切な治療をうければ症状が改善します。

5-4.  水頭症

水頭症とは、脳内の液体がたまって頭部の内圧が上昇して神経などが圧迫されることによりさまざまな症状が出てしまう病気です。

先天性と後天性のものがあり、後天性のものは脳の損傷や脳腫瘍などによって起こります。

水頭症は生命にかかわることもありますが、早期に発見して適切な処置を受ければ回復できる可能性が高まります。

水頭症の症状である運動失調やてんかん発作などがあらわれたら、すみやかに治療を受けましょう。

てんかん発作には様々な要因(パグ脳炎など)があります。

水頭症も含め鑑別診断のための精密検査が必要な場合があります。

5-5.  腫瘍

人間の場合と同じようにフレンチ・ブルドッグも、がん発症のリスクがあります。

フレンチ・ブルドッグの場合、頭部にがんができやすい傾向があります。

特定の原因を一つに絞ることは困難ですが、傾向としては高齢になればなるほど腫瘍ができるリスクが高まります。

1年に1回など、定期的に動物病院の検診を受けるなどの対策を取りましょう。

6.まとめ

フレンチ・ブルドッグは、とても愛らしくどうしても憎めないキャラクターの犬種です。

性格的にも温厚で、とても甘えん坊なので、スキンシップをたくさん取りたいと思っている飼い主さんには、とてもオススメの犬種です。

ただし、フレンチ・ブルドッグには頑固な一面もあります。

また、先天的あるいは遺伝性などによってかかりやすいいくつかの疾病があります。

日頃から規則正しい生活を心がけるとともに、異変が見られたらすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

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