ペットフードについて

ドッグフードを安全に保存するために飼い主さんが押さえておきたいポイント

#ドッグフード #ドッグフードの保存方法

ドッグフードを使用していて、以下のような疑問をお持ちになったことはないでしょうか?
「いつもと少し匂いが違う気がするけど、まだ使用しても大丈夫かな?」
「気温・湿度が高い日が続いたけど、ドッグフードが劣化したり腐ったりしていないだろうか?」
「ドッグフードを最適な状態で保存するにはどうすべき?」
いったん気になり始めると、正しい答えが欲しくなるものですが、このような素朴な疑問・質問の答えはなかなか見つかりにくいものです。
この記事では、ペットフードメーカーとして長年の歴史をもつ「日本ペットフード株式会社」が、ドッグフードの保存方法について解説します。

1.ドッグフードの保存方法が重要である理由

最初に明らかにしておきたいのは、ドッグフードを最適に保存することがとても重要なトピックであるということです。

なぜ、ドッグフードの保存が重要なのかを、2つのポイントから解説します。

1-1. 有害になる

ドッグフードが適切に保存されない場合、化学変化によって有害な物質(過酸化脂質)へ変化します。

過酸化脂質とはドッグフードに含まれるお肉・魚・油などが空気中の酸素などに触れることによる状態変化です。

過酸化脂質が体内に蓄積されると、動脈硬化・心臓病・アレルギーなどの病気になるリスクが高まります。

また、劣化したドッグフードを食べてすぐに生じる症状として、嘔吐・下痢などがあります。

酸素との結び付きが原因で起こるので、保存期間が長くなればなるほど有害です。

1-2. 風味が落ちる

ドッグフードの酸化は、風味の劣化にもつながります。

飼い主さんにとっても悪臭に感じられることが多いため、注意深く状態をチェックしていればご自身でもお気づきになるかもしれません。

犬はもともと食べ物に対して匂いを重視する動物です。

したがって、劣化して匂いの悪くなったドッグフードは、口にしなくなるでしょう。

2.ドッグフードの保存方法の大原則

ドッグフードを適切に保存するためにどうすればよいのかという問題を考えていきましょう。

保存のための基本的なルールを学ぶことが重要なので、3つのポイントをご紹介します。

2-1. 賞味期限内に使い切る

保存期間について、明確な目安になるのが賞味期限です。

ドッグフードのパッケージに記載されているので、必ずチェックしましょう。

賞味期限の目安は、おおむね~1年6ヵ月程度です。(賞味期限が2~3年と記載されているドッグフードもありますが、その場合保存料などの成分に注意しましょう。健康へのリスクの大きな物質が含まれている可能性が高いため、避けた方が無難です)

また、賞味期限内であっても期限ギリギリのものは鮮度が落ちている可能性があるため、あくまでもリミットとして考えましょう。

2-2. 開封後はすぐに使用する

ドッグフードは、開封すると急激に劣化のスピードが速くなります。

密封されていた容器が開封されて空気にたくさん触れるようになるためです。

いったん開封してから使い切るまでの目安時間は以下のとおりです。

  • ドライフード・・・1ヵ月間
  • ウェットフード・・・食べ残しは当日中(はじめから取り分けた場合冷蔵庫で2-3日)

上記の期間を経過したら、賞味期限内であったとしても与えてはいけません。

2-3. フードの種類によって保存方法を工夫する

開封前のドッグフードは、基本的に冷暗所に常温で保存します。

ドライフードもウェットフードも密封して作られているため、保存方法に大きな違いはありません。

いったん開封した後、ドッグフードは引き続き冷暗所で保存をします。

このとき、ドッグフードができるだけ空気に触れないようにするために、口を密封することが大切です。

ウェットタイプは、容器に入れて冷蔵庫内で保存をします。

水分含有量の多いこれらのタイプのドッグフードは、常温で保存するとあっという間に細菌が繁殖するためです。

3.ドライフードの最適な保存方法

この章では、ドライフードの適切な保存方法について掘り下げてご紹介します。

できるだけ安全な状態で愛犬にドッグフードを提供できるよう、ぜひチェックしてください。

3-1. 基本的な考え方

ドライフードを保存するときの基本ポイントは、以下の3点です。

・基本的に常温保存

開封後であっても、冷蔵庫に入れないでください。冷蔵庫は、湿度が高いためです。冷凍庫での保存は、理論的には可能ですが急速冷凍・解凍をしなければ栄養素が破壊されてしまったり、水分含有量が増えてしまったりするため、オススメできません。

・空気を避ける

しっかりと密封して、可能な限り酸化を防ぎましょう。

・直射日光を避ける

直射日光は、ドッグフードの成分に対して科学的に作用したり、パッケージの劣化を早めたりしてしまうリスクがあります。

パッケージに記載の賞味期限と合わせて、上記3点を意識することで、ドライフードを安全に保存できます。

ドライフードは、ご家庭内での保存期間が比較的長期間になりやすいので、適切な保存を強く意識しましょう。

3-2. 高温多湿な時期の工夫方法

高温と多湿が重なる梅雨や真夏の時期は、ドッグフードの保管には最も適さない時期です。

それでも基本的な保管方法は変わりませんが、万全の対策を整えるなら以下の方法があります。

  • 真空パックや専用容器などの密封容器に、少量ずつ小分けにしたドライフード(容器の容量に合わせます)を移します
  • それでも湿度が気になる場合は乾燥剤を入れます
  • 上記の容器を、常温で保存してください

この時の注意点として、市販のプラスチック容器などに移し替えた場合は、素材のにおいがドッグフードに付着して、愛犬の食いつきに影響してしまうリスクがあります。

金属製の容器を使用するか、もしくはドッグフードの保存に特化した商品を使用してください。

4.ウェットタイプのドッグフードの保存方法

ウェットタイプの保存方法についてもチェックしておきましょう。

水分量の多いこれらのドッグフードは、一瞬で腐ってしまうので下痢・腹痛・嘔吐などの急性の症状にもつながりやすいです。

基本的なルールを覚えて、慎重に対応しましょう。

4-1. 基本的な考え方

そもそも、ウェットフードは少量ずつ小分けにして販売されています。

目安としては、その日のうちに食べきれる量を意識してください。

もし、いつも余ってしまうのであれば、ドッグフードの変更を検討するのも良いかもしれません。

また、当日中であれば全く問題ないのかといえば必ずしもそうではありません。

空気中に出しておくとすぐに傷んでしまうので、食事の時間(10~15分)が経過しても残っている場合、密封容器に移し替えて冷蔵庫で保存します。

4-2. 注意点

ドライフードが水分含有量5~10%であるのに対して、ウェットフードは70%以上もの水分含有量です。

また、半生タイプに関しても30~40%程度の水分含有量です。

したがって、ドライフードよりも慎重な対応が求められます。


たとえば、未開封であってもあまり保存期間が長くなるのは望ましくありません。

できるだけ早めに使用するようにしましょう。

また、開封後の余ったウェットフードを冷凍庫で保存する方法についてインターネット上などで紹介されていることもありますが、あまりオススメではありません。

その理由は、手間がかかることと、もともとメーカーが推奨している保存方法ではないことです。

基本に忠実に当日使い切るよう意識してください。

5.ドッグフードを最適な状態で保存するポイント

この章では、ドッグフードを最適な状態で保存するためのコツをご紹介します。

この章でご紹介するポイントを意識していただくと、賞味期限を管理する際の心身の負担がかなり軽減されるのではないかと思います。

5-1. 購入時に適量を意識する

ドッグフードの消費量は、基本的には一定に保たれているはずです。

従って、消費量から逆算をしてムリなく使用できる分量を購入するようにスケジュールを組みましょう。

例えば、奇数月の1日に2ヵ月分のフードを購入するといったように、ルーティンとしてフードの購入頻度を決めておくと自動的に常に新鮮なドッグフードを与えられます。

「まとめ買いをした方が、少し安価になる」との考えもあるかもしれませんが、リスクや手間と照らし合わせて検討しましょう。

5-2. 賞味期限を意識して購入する

ドッグフードの賞味期限は、商品によって異なります。

一般的には、設定されている賞味期限が平均的(6ヵ月~1年6ヵ月程度)のものがオススメです。

  • 賞味期限が極端に長い→危険性の強い人工添加物が入っている可能性が高い
  • 賞味期限が極端に短い→無添加などを主張しているものの、原材料が非常にデリケートである。もしくは、保存料をほとんど使用していない

5-3. メーカー・販売店の姿勢もチェック

ドッグフードを適切に保存しなくてはならないのは、飼い主さんだけではありません。

ドッグフードのメーカーや販売店も同様です。

商品が手元に届くまでにすでに劣悪な状況に置かれていれば、飼い主さんがどんなに意識をしても適切に管理できません。

残念ながら、ドッグフードや販売店での保管・流通の状況を直接見る機会は得られないでしょう。

ただし、いくつかの情報を参考に、会社の姿勢を想像することは可能です。

  • ISOやHACCPなどの基準に対応している
  • ホームページでさまざまな情報を開示している
  • 販売実績があり、一般消費者から支持されているドッグフードメーカーである

これらの条件を満たしている場合、安全にドッグフードを管理しているメーカーである可能性が高いでしょう。

5-4. 売れている商品・販売店を選ぶ

売れている商品を選ぶことも大切です。

なぜなら、長く売れ残っている商品は、売り場で賞味期限が経過してしまうためです。

反対に、よく売れている商品は早いサイクルで常に新しい商品が売り場にストックされます。

また、売れる商品は食いつきの良いドッグフードが多く、愛犬に喜んでもらうためにもオススメです。

6.ドッグフードの保存について飼い主さんが押さえておきたいこと

最後に、ドッグフードの保存に関する注意点をご紹介します。

6-1. オススメの保存容器はあるの?

ドッグフードを移し替えて保存をするときには、以下の要件を満たした保存容器がオススメです。

  • 十分な容量がある
  • 密封性が高い
  • 手入れが楽
  • 持ち運びしやすい

具体的にオススメのものを3点ご紹介します。

  • LEDMOMO フードストッカー
  • POPETPOP フードストッカー 密閉 フードストッカー 大容量 保存容器
  • Zwilling ツヴィリング 「 フレッシュ & セーブ ガラス製 真空コンテナ Lサイズ 2000ml 」

必ずしもここでご紹介したものでなくてはならないわけではありませんが、密封性は必ずチェックしてください。

見た目もオシャレな商品が多いので、好みのビジュアルにこだわるのも良いでしょう。

6-2. 冷蔵庫に入れるべき?

通常は、ドッグフードを冷蔵庫に入れることはありません。

冷蔵庫を使用する可能性があるのは、ウェットフードを食べきれなかったときのみです。

しかも、食べ残しは必ず翌日に持ち越さないことが条件です。

容器や冷蔵庫内のにおいがドッグフードに移らないように注意することも重要です。

6-3. 賞味期限が過ぎたフードはどうする?

賞味期限が過ぎたフードは、迷わずに処分してください。

加熱をしたり加工したりするなどの方法で復活させることはできません。

もったいなく思えるかもしれませんが、安全性が最重要事項です。

 

7.まとめ

愛犬に対してドッグフードを安全に与えるには、保存方法にも少し注意することが大切です。

基本的には、パッケージに記載された賞味期限内に消費することと冷暗所で保管することを守れば、大きなリスクはありません。

しかし、高温多湿の気候が続くときや、食べきれなかったウェットフードを保管する場合に関しては、注意が必要です。

車庫・ガレージや直射日光の当たる箇所などでの保管は厳禁です。

この記事でご紹介したポイントを、愛犬の健康管理に役立ててください。

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