健康

炭水化物は犬にとって必要?注意すべきポイントとは

#炭水化物

「犬には炭水化物を与えてはいけない」
「犬は炭水化物を吸収できない」
「犬に炭水化物を与えない方がよい」
上記の注意・警告を見聞きした飼い主さんは多いのではないでしょうか?
しかしながら、上記は必ずしも正解であるとはいえません。
実際、国内外で販売されているドッグフードの多くには、炭水化物が含まれています。
愛犬の健康維持や成長のために大切なことは、炭水化物もほかの栄養素と同様に愛犬にとっての適切な分量を与えるべきであるということです。
この記事は、ドッグフードのメーカーとして60年以上の実績を持つ「日本ペットフード株式会社」が、犬にとっての炭水化物の必要性や意味合いについて解説します。
ドッグフード選びについて迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

1. 炭水化物とは?

人間と同じく、犬にとっても炭水化物は三大栄養素の1つです。

しかしながら、なぜ炭水化物不要論が指摘されるのでしょうか?

まずは、炭水化物がどのような物なのかについて解説します。

1-1.  概要

炭水化物は、ブドウ糖などの糖類から構成される栄養素のことを指します。

お米・小麦・トウモロコシなどの穀類に多く含まれる栄養素として有名です。

炭水化物はたんぱく質・脂肪とともに三大栄養素とされており、身体にエネルギーを供給して、機能を助ける働きがあります。

犬にとっての炭水化物供給源は、でんぷん・糖・食物繊維があります。

また、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。

・デンプン・糖類

消化可能な炭水化物で、エネルギーとして吸収されます。

・食物繊維

水溶性・不溶性の2種類が存在します。

食物繊維は、エネルギー源にはなりませんが消化器系をスムーズに動かすために重要な役割を果たしています。

近年では犬にお米やパンを与えているご家庭は少ないとは思いますが、ドッグフードの多くには加工した穀物が一定量含まれています。

1-2. 炭水化物の役割

炭水化物の役割は大きく分けて2つあります。

日々のエネルギーとなることと、消化をサポートする働きです。

これらは、日常生活においては欠かせない役割です。

また、環境省が発表している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン(第2版)」によると、一般的なドッグフードに含まれる炭水化物の割合は60%にも上ります。

この60%という数値が適切であるのか否かは別として、ドッグフード中心の食生活を送っている犬にとっては、炭水化物がとても身近な栄養素であることがわかります。

2. 炭水化物は犬にとって必要?

犬が炭水化物を消化できるという事実が明確であっても、だからといって必要な栄養素であることにはならない、との意見があります。

この章では、犬にとっての炭水化物の必要性について解説します。

2-1.  犬にとって炭水化物は必要な物

必要性が明らかであるにも関わらず炭水化物不要論が指摘されるのは、犬の祖先であるオオカミが肉食であることに由来します。

実際、犬にはオオカミの名残があり人間ほど多くの炭水化物を必要とはしません。

自然界のオオカミは、肉食であるため通常炭水化物を口にすることはなく、たとえ口にしたとしても消化することができません。

しかし、繰り返しご紹介しているように、犬は炭水化物を摂取します。

炭水化物を消化して栄養を吸収することが可能で、多くのエネルギーを炭水化物に依存しています。

犬は長年にわたって人間と一緒に生活することで、動物としてのスタイルを変化させたともいえるでしょう。

更にいえば、炭水化物以外の栄養素をそのほかの栄養素で完全に補うことは極めて難しく、炭水化物を摂取しなければ栄養不足に陥ります。

犬にとって、炭水化物は極めて必要性の高い栄養素です。

2-2.  過剰摂取には注意

ここまで、炭水化物の必要性を中心にご紹介しましたが、炭水化物の過剰摂取には注意しなくてはなりません。

炭水化物は、糖類であるため摂取料が多いと肥満や糖尿病などのリスクに直結します。

また、1日の必要カロリーの大半を炭水化物で摂取してしまうと、成長や機能維持に必要なたんぱく質や脂質などの栄養素が不足してしまう可能性もあります。

残念な点は、信頼できる機関から炭水化物の必要量に関する数値が発表されていないことです。

ドッグフードの栄養素に関して最も権威のあるAAFCO(米国飼料検査官協会)も、炭水化物の必要量についての数値は公表していません。

炭水化物については、明確な計測手法が定まっていない状況です。

したがって、飼い主さんは、以下の2点を十分に意識することが大切です。

  • 1日の目安摂取カロリー数を守ること
  • 炭水化物中心のドッグフードではなく、たんぱく質を多く配合したドッグフードを選ぶこと

2-3.  炭水化物アレルギーに要注意

炭水化物は、犬にとっては必要な栄養素です。

ただし、炭水化物アレルギーをもっている場合はその例外です。

食物アレルギーの治療は、動物病院の指示にしたがって原因となる原材料を除去・制限しながらおこなわれます。

その際には、グレインフリー(穀物が使用されていない)のドッグフードが推奨されることもあるでしょう。

犬の場合、食物アレルギーの原因になりやすい食品は以下のとおりです。

  • 牛肉・豚肉
  • 乳製品
  • 穀物

※なかには、犬の食物アレルギーの主原因は穀物だとする意見もありますが、実際にはお肉や卵の方がアレルギー発症のリスクは高いです。

症状はケースバイケースですが、皮膚にかゆみや湿疹が出たり、頻繁に嘔吐や下痢を繰り返したりするようになります。

食物アレルギーが悪化すると皮膚炎やほかのアレルギーを招いたり、症状が重症化したりすることがあるため、症状が発覚した段階で1日も早く動物病院を受診してください。

3. 犬にとっての炭水化物のメリット

過剰摂取は控えなくてはならない炭水化物ですが、摂取をするメリットは決して小さくありません。

この章では、飼い主さんにとっての現実的かつ具体的な炭水化物のメリットをご紹介します。

3-1.  炭水化物がエネルギーになる

最大のメリットは、炭水化物をエネルギー源にできるという点です。

お肉や魚からもエネルギー摂取は可能ですが、炭水化物なしで必要なカロリーを十分に摂取するためにはかなりの分量のフードを摂取しなくてはなりません。

特に高齢犬や夏場の食欲減退期などは、炭水化物なしで十分なエネルギーを摂取するのは困難でしょう。

3-2.  安価で購入できる

炭水化物のコストパフォーマンスも大きなメリットであるといえるでしょう。

小麦やトウモロコシなどの穀物は、お肉や魚などのたんぱく質と比較するとコストが抑えられます。

さらに、保存がきくため保存料に依存することなく長期的に鮮度を保てるドッグフードを製造できます。

飼い主さんにとっては、続けやすい無理のない価格でドッグフードが購入できることになります。

また、保存のしやすさから品質が安定するため、食中毒や食あたりなどのリスク対策としても効果的です。

ただし、原材料が安価であるからこその落とし穴もあります。

安全性や栄養面よりも製造コストの安さを重視して、穀物を中心としたドッグフードを製造するメーカーが存在することです。

相場と比較をして著しく安価な場合は、原材料表示を慎重に確認しましょう。

3-3.  穀物に含まれる豊富な栄養素

3点目は、穀物を摂取すると炭水化物と一緒にミネラルやビタミンなどの栄養素も摂取できることです。

厳密にいえば、炭水化物を摂取するメリットというよりも穀物を摂取するメリットですが、犬の健康を考える際に最も大切なことは栄養バランスです。

特定の栄養素だけを多く摂取し、他の栄養素を制限することではありません。

通常、総合栄養食と呼ばれるドッグフードは水以外の必要な栄養素をほぼもれなくカバーしています。

しかしながら、厳密にはそのバランスや配合量などは商品によって異なります。

炭水化物には、ビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれるため、愛犬にとってより理想的な栄養バランスを整えてくれる商品であるといえるでしょう。

4. 犬に炭水化物を与える際の注意点

愛犬に炭水化物を与える場合、いくつかの注意点に気をつける必要があります。

注意点を意識することは、愛犬の健康に直結します。

したがって、愛犬の健康と長寿を願う飼い主さんには、必ず意識していただきたいポイントです。

4-1.  良質なたんぱく質を主原料としたドッグフードを与える

犬には、炭水化物が重要であるものの、その必要量はそれほど多くありません。

大半のドッグフードが炭水化物必要量よりも多く穀物を配合しているため、飼い主さんとしてはできるだけ不足しがちな栄養素に意識を向けることが重要です。

また、ドッグフードは栄養摂取のためだけに与える物ではありません。

愛犬にとって美味しいドッグフードは最大の楽しみの一つでもあります。

実際に、アメリカのAAFCOは、近年「ドッグフードのパッケージにドッグフードの含有量を記載すべき」との方向で意見が調整されています。

その背景には、愛犬の肥満防止や健康維持のために炭水化物の配合量を把握すべきであるとの考えがあります。

上記をふまえて、飼い主さんが最も強く意識したい栄養素はたんぱく質です。

元来は肉食動物だった名残もあり、犬は肉・魚の味や香りに強く食欲を喚起されます。

人間の目で見ればあまり違いが感じられないかもしれませんが、肉・魚を主原料としたドッグフードを与えると、明らかに食いつきがよくなることがあります。

味の嗜好には個体差があるため、絶対的なポイントではないものの健康な子犬・成犬を飼っている方は基本的に肉・魚を主原料としたドッグフード(ドライフード)を与えることを意識してください。

4-2.  与えてよい炭水化物量の目安

炭水化物の適量を直接計算する方法は、少なくとも2021年時点ではありません。

しかしながら、カロリーをベースにしておおよその対策を取ることは可能です。

飼い主さんがおこなうべきことは3点です。

①愛犬の基本的な体重や情報を把握する(体重・年齢・不妊・去勢手術の有無や持病の状態などの状況把握など)

②肉・魚を主原料としたドッグフードを選ぶ(ドッグフードの炭水化物含有量は商品によってかなり幅があります。)

※明確なデータはありませんが、日本国内のドッグフードの炭水化物含有量は30~60%までの幅があると言われています。直接的に炭水化物量を明記しているドッグフードはないため、お肉や魚を主原料として使用しているドッグフードを選びましょう。

③愛犬の摂取カロリーの目安を把握する(摂取カロリーの目安は、ドッグフードのパッケージを参考にすればOKです。)

※「獣医師広報板」(http://www.vets.ne.jp/cal/pc/dog.html)にアクセスすると、基本的な体重や状況さえわかれば必要なカロリーが自動計算される仕組みがあります。

あくまでも目安ですが、上記を意識するだけで、日常のドッグフードによる栄養バランスは大きく改善されるでしょう。

4-3.  うわさや誤った情報に左右されない

ドッグフードの業界は、飼い主さんの興味・関心が非常に強い分野であるだけに、間違った噂や情報が飛び交いやすい傾向があります。

「犬は炭水化物を消化できない」

「犬には、炭水化物を与えてはいけない」

上記のような情報も、誤解や偏った宣伝広告などから生まれた間違った情報であると思われます。

飼い主さんとして大切なことは、誤った情報には左右されず信頼できる情報を信じることです。

そして、正しい情報に従って日常生活を愛犬と一緒に楽しむことです。

もし、正しい情報がわからないときや不安になったときには、獣医師などの専門家にアドバイスを求めてもいいでしょう。

5. まとめ

犬にとって、炭水化物は非常に重要な栄養素の一つです。

もともと野生では肉食だった犬も、進化を経て炭水化物から栄養を摂取できるようになりました。

逆に、炭水化物から栄養を摂取しなければ、エネルギーなどの栄養素が不足しがちになります。

とはいえ、穀物アレルギーを患っている場合や飼い主さんが積極的にグレインフリー食を与えている場合を除けば、基本的に犬が炭水化物不足になることはないでしょう。

市販のドッグフードには、基本的には必要量の炭水化物が含まれているためです。

なかにはその割合が過剰なドッグフードもあります。

健康な子犬・成犬の場合は、お肉や魚を主原料としたドッグフードを選び、1日のドッグフードの量に注意をすることで、栄養バランスを整えられます。

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