犬はトマトを食べられる?栄養素・毒性・アレルギー反応などを解説
#トマト犬は雑食なのでドッグフード以外にも食べられるものが多いですが、絶対に食べてはいけないものもあります。
未熟なトマトやトマトの茎・葉・ヘタ・花もそのうちのひとつ。
一方で熟したトマトは栄養素が豊富なため犬の健康にメリットのある食べ物です。
適切な量や与え方を守る必要がありますが、トマトのもつ栄養素はとても魅力的。
この記事では、犬がトマトの危険部位を食べた場合の対処方法やトマトの効能、適切な与え方などを詳しく解説します。
正しい知識を身につけて大切な飼い犬の健康を守りましょう。
1. 犬はトマトを食べてもいい?トマトの危険部位に注意!
犬はトマトを食べられますが、絶対に食べてはいけない危険部位もあります。
適切な与え方をすれば、トマトの栄養分は犬の健康にとってプラスに働くため、正しい知識を身につけてから与えることが大切です。
犬に食べさせてはいけないトマトの危険部位について解説した上で、「危険部位を食べてしまったときの症状」と「飼い主さんが取るべき対応」をご紹介します。
1-1. 未熟なトマト・茎・葉・ヘタ・花はNG
トマトの危険部位は、茎・葉・ヘタ・花といった果実ではない部分です。
熟していない青いトマトも絶対に犬に与えてはいけません。
青いトマトや茎などの危険部位には「トマチン」という毒素が多量に含まれており、摂取するとトマチン中毒を発症します。
トマチンは害虫を避けるための殺虫剤の役割を果たす成分で、人間にとっても害になる毒素です。
体重が5kgの犬の場合、ミニトマトではない通常サイズのトマト3個分が致死量だと言われています。
青いトマトを3つも食べるような機会はないと思いますが、致死量以下でも重い症状が出ることがあるため注意が必要です。
1-2. トマチン中毒による症状
犬がトマチン中毒になると、以下のような症状が現れます。
- 下痢や嘔吐などの消化器症状
- 赤血球が破壊されることによる貧血や血尿
「舌や歯茎が白くなる」「耳の内側が白っぽくなる」「うずくまっている」といった状態は、貧血のサインです。
トマチン中毒による症状が悪化すると、最悪の場合、死に至ることもあるため早急に対応しましょう。
1-3. 危険部位を食べたかも?!取るべき飼い主の行動は
目を離したすきに「犬がトマトの危険部位や青いトマトを食べてしまった!」という場合は、まず犬の口内に残っているトマトを取り除きましょう。
飲み込んでしまったトマトを無理に吐かせようとするのは危険なため、口内に残っている分だけ取り除いて動物病院を受診しましょう。
2時間以内であれば動物病院で吐かせる処置をしてもらうことで、消化する前に取り除けます。
動物病院を受診する際は食べたものと同じものを持参し、食べた時間と量を伝えると診察がスムーズになりますよ。
2. 犬がトマトを食べるとアレルギー反応を起こす?
熟した真っ赤なトマトの実で犬がトマチン中毒を起こすことはありませんが、なかにはアレルギー反応の出る犬がいます。
多くのトマトを摂取すると、アレルギー反応が出た場合に重症化するリスクが高まるため、最初からたくさん与えるのはやめましょう。
愛犬がアレルギー反応を起こす可能性も考え、最初は少量だけ与えて様子を見ることが大切です。
トマトを原因とするアレルギー症状や治療方法について、詳しく解説します。
2-1. 別のアレルギーとの「交差反応」の危険あり
トマトアレルギーをもつ犬にはもちろんトマトを与えてはいけませんが、トマトアレルギーではない犬も注意が必要です。
食べ物や環境因子の類似するタンパク質の構造に反応してアレルギー症状が出ることがあります。
これを「交差反応」と呼びます。
ナス科の他にイネ科・スギ花粉・ラテックスのアレルギーをもつ犬も、トマトに交差反応を示すことがあるため、トマトを与えないようにしましょう。
スギ花粉症の犬や、スギやブタクサなどをアレルゲンとするアトピーがある犬は要注意です。
トマト以外のアレルギーをもつ子は、初めてトマトを食べる場合であっても注意が必要となります。
2-2. 犬に現れるアレルギー反応の症状
犬に現れるアレルギー反応には「重度の症状」と「軽度の症状」があります。
重度の場合は、痙攣・呼吸困難・嘔吐・失禁・下痢など「アナフィラキシーショック」とよばれる症状が全身にあらわれ 、時間の経過とともに重症化します。
最悪の場合、死に至る危険があるため、早急に動物病院を受診しなければなりません。
軽度の症状は、痒み・皮膚炎・喘息など部分的な症状が現れます。
重症化する場合もあるため、落ち着いたら動物病院を受診する必要があります。
全身症状と部分的な症状のどちらなのかによって、緊急性を判断しましょう。
2-3. 犬に症状が出た場合の治療方法
アナフィラキシーショックがあらわれた場合はすぐに動物病院を受診し、ショックを緩和させる薬を投与してもらいましょう。
症状があらわれてから、いかに素早く薬を投与してもらえるかが重要です。
軽度の症状が現れた場合は、動物病院で抗ヒスタミン剤やステロイド剤を投与してもらいましょう。
一般的に、数時間から一日で症状が軽減されていきます。
3. トマトの摂取に注意すべき犬は?
アレルギーのある犬だけでなく、他にもトマトの摂取に注意しなければならない犬がいます。
トマトの摂取に注意が必要な年齢や持病について解説します。
トマトを与える前に、愛犬が該当していないか確認しておきましょう。
3-1. 子犬・シニア犬は要注意!
子犬は消化器官が充分に発達しておらず、シニア犬は消化能力が衰えています。
トマトを与えると、消化不良で下痢や嘔吐を引き起こすことがあるため注意しましょう。
特にトマトの皮や種は消化しにくいため、皮と種を取り除いて少しずつ与える配慮が必要です。
3-2. 関節疾患の犬
ナス科の植物を摂取すると、関節痛が強まると言われています。
トマトはナス科の植物なので、関節疾患を患っている犬はトマトの摂取を避けた方が良いでしょう。
3-3. 腫瘍や糖尿病の犬
トマトは糖分を多く含んでいるため、腫瘍のある犬や糖尿病の犬がトマトを摂取すると病気が悪化するリスクがあります。
特にフルーツトマトは糖分が多いためNGです。
犬がおねだりしてくることもあるかもしれませんが、獣医師の指導に沿った食生活を守りましょう。
3-4. その他持病のある犬
トマトに含まれるカリウムには、体内の塩分を排出する作用があります。
腎不全などの腎臓病・高カリウム血症・心臓病・肝臓病など、持病のある犬が摂取すると病気が悪化するリスクがあるため、注意が必要です。
療法食を食べている場合は、勝手にトマトを与えず獣医師に相談しましょう。
4. リスクだけじゃない!トマトの適切な与え方で期待できる効能
犬にトマトを与える際は「トマチン中毒」や「アレルギー反応」などに注意しなければなりませんが、適切な方法で与えればトマトの栄養素は犬の健康にとってメリットになります。
トマトに含まれる栄養素と効能について解説します。
4-1. 野菜の中で最も多い「リコピン」効果
トマトが赤いのは「リコピン」の色素が要因で、他の野菜よりもたくさんのリコピンを含んでいます。
リコピンには「活性酸素」を除去する働きがあり、血管の老化やガンの予防などに効果を発揮します。
ストレスや不規則な生活で増えてしまう活性酸素を除去できるのは、魅力的ですよね。
ダイエットや美肌にも効果があると言われています。
4-2. マルチに活躍「三大抗酸化ビタミン」
トマトには、三大抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンC・ビタミンE・βカロテンが含まれており、それぞれの効能は以下のとおりです。
・ビタミンC
皮膚の健康に欠かせないコラーゲンの生成を増やす他、免疫力をアップさせて風邪をひきにくくする効果があります。
・ビタミンE
血液をサラサラにする効果があり、アンチエイジングや動脈硬化の予防に効果のある栄養素です。
・βカロテン
眼の栄養として知られており、皮膚や粘膜の健康維持に効果を発揮します。
これらの栄養素を一気に摂取できるトマトは、栄養価の高い野菜だといえるでしょう。
4-3. 肥満改善「13-oxo-ODA」
トマトに含まれる13-oxo-ODAは不飽和脂肪酸の一種で、脂肪を燃焼させる作用があります。
肥満マウスを用いた実験で効果が実証され、注目を集めている栄養素です。
肥満による脂質代謝異常の改善に効果を発揮するため、肥満気味の犬にぴったりですね。
4-4. 血圧を低下させる「カリウム」
トマトには塩分を排出する働きのあるミネラルのひとつのカリウムが含まれており、腎臓病には悪影響を及ぼすリスクがありますが、塩分を取りすぎている犬にとっては健康改善に役立ちます。
血圧の低下による血流改善の他、筋肉強化にも効果が期待できる栄養素です。
腎臓の機能が衰えている犬は摂取を控えたほうが良いでしょう。
5. 食べすぎは要注意!犬にとってのトマトの適量は?
トマトは水分量が多いため犬が食べすぎると下痢をすることがある他、糖分も多く含まれているため糖尿病になるリスクもあります。
食べすぎに注意して、適量を守ることが大切です。
犬にとってのトマトの適量は、一日の給餌量の10%以内が目安となっています。
ドッグフード以外に与える食材をすべて合わせて10%以内にするのが目安のため、トマト以外の食材を与える場合は、トマトの適量はさらに少なくなるでしょう。
具体的な量については犬の体重によって異なるため、犬の大きさ別に解説します。
5-1. 小型犬に与えるトマトの適量
体重4kg未満の超小型犬に与えるトマトの適量は、一日あたり5~10g程度です。
超小型犬の犬種としては、チワワ・トイプードル・ポメラニアン・マルチーズ・パピヨン・ヨーキーなどが挙げられます。
体重10kg以下の小型犬に与えるトマトの適量は、一日あたり7~15g程度です。
小型犬の犬種としては、パグ・シーズー・ミニチュアシュナウザー・ミニチュアダックスフンドなどが挙げられます。
ミニトマト1個で約20gなので、ミニトマト半分が適量でしょう。
5-2. 中型犬に与えるトマトの適量
体重25kg以下の中型犬に与えるトマトの適量は、一日あたり13~39g程度です。
中型犬の犬種としては、柴犬・ブルドッグ・ビーグル・コーギー・バセットハウンド・ボーダーコリーなどが挙げられます。
ミニトマト半分から1個半までが適量でしょう。
中型犬でも、トマトの適量は「こんなに少ないのか」と驚く方も多いかもしれませんね。
5-3. 大型犬に与えるトマトの適量
体重25kg以上の大型犬に与えるトマトの適量は、一日あたり36~78g程度です。
大型犬の犬種としては、セントバーナード・ゴールデンレトリバー・シベリアンハスキー・ラブラドールレトリバーなどが挙げられます。
ミニトマト1個半から3個までが適量のため、大型犬でも普通のトマト1個は多すぎることが分かります。
6. 犬に最適なトマトの与え方とは
犬にトマトを与える際には適切な量を守るだけでなく、消化しやすくなる工夫をしましょう。
消化不良による下痢や嘔吐を防ぎ、トマトの栄養素を効率的に吸収できるメリットがあります。
犬が消化しやすくなるトマトの与え方を解説します。
6-1. 皮を剥いて細かく切る
トマチン中毒のリスクを避けるためにヘタを取り、消化しにくい皮と種を取り除きましょう。
トマトをさっとお湯にくぐらせれば、皮を簡単に剥けますよ。
ミニトマトの場合は、丸飲みすると喉や食道に詰まるリスクがあるため、細かく切って与えましょう。
細かく切ることで丸飲みする危険を避けられるうえ、消化もしやすくなります。
6-2. 加熱して吸収しやすくする
トマトに含まれる「リコピン」は、加熱により身体への吸収がよくなる栄養素なので、炒めたりゆがいたりするのがおすすめです。
リコピンは油に溶けやすい性質もあるため、油で炒めるとさらに吸収がよくなりますよ。
オリーブオイルを利用すれば、便秘改善や皮膚改善の効果も期待できます。
加熱した後は犬がやけどしないよう、冷ましてから与えることが大切です。
6-3. ドッグフードにトッピングする
犬に与えるトマトの適量はわずかのため、主食のトッピングとして与えるのがおすすめです。
ドッグフードに細かく切ったトマトをトッピングすれば、安心して食べられるでしょう。
いつもと同じドッグフードでも、新しい食感が楽しめるメリットがあります。
7. まとめ
今回は犬にトマトを与えるリスクやトマトの効能、適切な与え方などを解説しました。
適切な与え方をすればトマトの栄養素は犬の健康に役立ちますが、危険部位・アレルギー・食べすぎなどには注意しなければなりません。
とはいえ、適量を見極める・皮や種を取り除く・加熱するなど、適切な与え方をするのはかなり手間がかかりますよね。
簡単にトマトの栄養素を犬に摂取させたい場合は、原材料にトマトを含んだドッグフードを主食にするのがおすすめです。
ドッグフードであれば、皮や種で消化不良を起こすこともありません。
獣医師監修のもと、最新栄養学に基づくレシピを採用したドッグフード「ビューティープロ」は、原材料にトマトを含んでおり、愛犬の食事にトマトの栄養素を取り入れたい方にぴったりのドッグフードです。
原材料や栄養価に注目してドッグフードを選択し、より健康的な食生活を目指しましょう。
「獣医師監修|ビューティープロ」の詳細についてはこちらを参考にしてください。
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