犬は大豆を食べられる?栄養価・毒性・アレルギー反応などを解説
#大豆大豆は生で食べると犬にとって毒になりますが、加熱すれば栄養満点の優秀な食材になります。
「生の大豆を食べさせてしまい、犬の様子がおかしい…」
「犬が節分の豆まきで落ちていた豆を食べ、喉に詰まらせてしまった!」
「豆でアレルギー症状が出て動物病院に駆け込んだ」
このような事態にならないよう、犬にとっての大豆のリスクや適切な与え方を知っておく必要があります。
この記事では、生の大豆の毒性や大豆アレルギーに関する知識に加え、大豆の栄養価や適切な与え方などをご紹介します。
犬に栄養のある食材を食べさせたい飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
1. 犬は大豆を食べていい?リスクはある?
犬は大豆を食べられますが、生の大豆には毒素があるため食べられません。
生の大豆を避けたとしても、大豆が喉に詰まったりアレルギー反応が出たりするリスクがあるため、適切な与え方を知ることが大切です。
まずは、犬に大豆を与えた際に生じるリスクについて解説します。
1-1. 生の大豆には毒素がある
生の大豆には「トリプシン・インヒビター」という成分が含まれており、たんぱく質の分解酵素である「トリプシン」の働きを阻害する働きがあります。
摂取すると「呼吸困難」「下痢・嘔吐」「膵臓障害」などの症状がでるリスクがあるため、犬に生の大豆を与えないようにしましょう。
トリプシン・インヒビターは熱に弱い性質を持っているため、加熱すれば無害となります。
1-2. 大豆が喉に詰まるリスク
犬に大豆をそのまま与えると、喉を詰まらせてしまうリスクがあります。
犬はあまり咀嚼しない動物で、飲み込める大きさであれば噛まずに丸飲みします。
大豆は飲み込める大きさのため注意しなければならず、特に食道の細い小型犬にとって危険な食べ物です。
犬に大豆を食べさせる際には、「細かく砕く」「茹でてすりつぶす」などの対処をしてから与えましょう。
喉に詰まるリスクを避けるだけでなく、大豆の栄養素を吸収しやすくなるメリットもあります。
万が一、犬が大豆を喉に詰まらせてしまった場合は呼吸困難につながる恐れがあるため、早急に動物病院を受診しましょう。
あらかじめ24時間対応の動物病院を調べておくと安心ですね。
1-3. アレルギー反応に要注意
まれに、大豆を食べるとアレルギー反応を起こしてしまう犬がいます。
愛犬が大豆アレルギーである可能性を考えて、最初は様子を見ながら少しずつ与えましょう。
えんどう豆にアレルギーがある犬も、大豆を食べてアレルギー反応を起こすことがあるため、大豆を与えてはいけません。
「皮膚の痒み」「嘔吐・下痢」「喘息」「元気がない」「目の充血」などの症状が現れたら、アレルギー反応を起こしている可能性があります。
症状が落ち着いたら動物病院を受診し、今後は大豆を与えないようにしましょう。
アナフィラキシーショックを起こして「痙攣」「呼吸困難」などの全身症状が現れた場合は、早急な動物病院への受診が必要です。
2. 大豆の摂取に注意すべき犬は?
大豆アレルギーでなくても体調や持病によって、大豆の摂取を避けた方が良い犬がいます。
大豆の摂取を避けた方が良い病気を具体的にご紹介し、避けるべき理由について解説します。
大豆を与える前に、愛犬が該当していないか確認しておきましょう。
2-1. 貧血気味な犬
大豆に含まれる「グリシニン」という成分には、鉄の吸収を阻害する作用があります。
症状が悪化したり薬が効かなくなったりする可能性があるため、貧血気味な犬や鉄剤を飲んでいる犬は、大豆の摂取を避けた方が良いでしょう。
「舌や歯茎の色が白っぽくなる」「足元がふらついている」「息切れする」といった症状が見られたら、貧血になっている可能性があります。
大豆を与える前に、貧血の症状がないかチェックすることが大切です。
2-2. 腎臓病・心臓病のある犬
大豆に含まれるカリウムは犬の健康に役立つ栄養素ですが、病気によって腎臓の機能が低下している犬が摂取すると、カリウムを適切に排泄できず体に溜めてしまうリスクがあります。
カリウムが体に溜まると低血圧や不整脈につながるため、腎臓病や心臓病のある犬には大豆を与えないようにしましょう。
2-3. その他持病のある犬
持病があって療法食や投薬をうけている犬に大豆を与える場合は、担当の獣医に相談しましょう。
病気や薬の種類によっては、大豆に含まれている成分がマイナスに働く場合があります。
「大豆を与えても大丈夫か」「量に制限はあるか」を獣医に確認することが大切です。
3. リスクだけじゃない!大豆の栄養素と期待できる効能
犬に大豆を与える際は、生の大豆に含まれる毒素やアレルギー反応などに注意しなければなりませんが、適切な方法で与えれば大豆の栄養素は犬の健康にとってメリットになります。
大豆に含まれる栄養素と効能について解説します。
3-1. 体を形成する植物性たんぱく質
豆は肉や魚と同じくらい豊富なたんぱく質が含まれていることから、「畑の肉」と呼ばれています。
たんぱく質は血液や筋肉などの主成分であり、体を形成するのに欠かせない栄養素です。
大豆に含まれる植物性たんぱく質は、肉などに含まれる動物性たんぱく質に比べて脂質が低いのが特徴です。
3-2. 骨や歯の成長に必要なカルシウム
大豆に含まれるカルシウムは骨や歯の構成成分で、健康を維持するための重要な栄養素です。
「抗ストレスミネラル」として精神を安定させる働きもあります。
牛乳もカルシウムを豊富に含んでいますが、犬に牛乳を与えると消化不良を起こしてしまうため、大豆から摂取すると良いでしょう。
3-3. 心臓の働きを調節するカリウム
大豆に含まれるカリウムは筋肉の働きをよくし、心臓の働きを調整する栄養素です。
塩分の排出を促して血圧を下げる効果があります。
体内の老廃物を対外に排出する働きがあり、利尿作用の効果もあります。
4. 犬に大豆を与える正しい方法
犬に大豆を与える際には、「毒素のリスク」や「喉に詰まらせる危険」などをなくす必要があります。
意識しなければならないのは、「加熱する」「ペースト状にする」「適切な量を守る」ことです。
安全な食事にするために知っておきたい、「犬に大豆を与える正しい方法」を解説します。
4-1. 生の大豆は加熱しよう
生の大豆に含まれる「トリプシン・インヒビター」という毒素は、加熱・発酵・熟成のいずれかの処理で有害性は消せます。
家庭で手軽にできるのは、茹でて加熱する方法でしょう。
一般的に大豆は乾燥豆の状態で売られているため、たっぷりの水につけて戻してから茹でることで、ふっくらとした仕上がりになります。
普通の鍋で茹でる場合の茹で時間は弱火で1~2時間が目安ですが、圧力鍋なら10分程度で茹であがるため、時短したい方には圧力鍋の使用がおすすめです。
大豆を加熱・発酵・熟成させれば毒素を消せるうえ、柔らかくなって犬が消化しやすくなりますよ。
4-2. ペースト状にして消化しやすくしよう
犬に大豆を与える際には、加熱したうえで細かく砕くかすりつぶしてペースト状にすることで、喉に詰まらせる危険をなくしましょう。
丸飲みしても問題のない状態で与えることが大切です。
特に消化器官が未発達な子犬や消化機能の衰えたシニア犬には、消化しやすいペースト状で与えるのが最適です。
ペースト状にする場合は、ミキサーを使うのがおすすめですよ。
4-3. 大豆の適量を守ろう
犬にとっての大豆の適量は、一日の給餌カロリーの10%以内が目安です。
ドッグフード以外に与える食材をすべて合わせて10%以内にするのが目安のため、大豆以外の食材を与える場合、大豆の適量はさらに少なくなるでしょう。
目安として、ゆでた大豆100gあたりのカロリーは約140kcalです。
5. 大豆は加工食品で摂取がおすすめ!厳選9品を紹介
豆腐や納豆など大豆から作られている加工食品には、犬が食べられるものがたくさんあります。
加工食品であれば、加熱したりペースト状にしたりする手間が省けるため、手軽に与えられるのが嬉しいポイントですね。
犬も食べられる大豆の加工食品9品をご紹介します。
商品の選び方や与え方に注意が必要な加工食品もあるため、詳しく見ていきましょう。
5-1. 豆腐
豆腐は柔らかく消化に良いため、犬が安全に大豆の栄養素を摂取できる食べ物です。
冷えたままだとおなかを壊してしまうことがあるため、常温に戻してから与えましょう。
木綿豆腐は製造の工程で水分を絞ることから栄養分が圧縮され、絹豆腐よりもたんぱく質とカルシウムが多くなっています。
5-2. おから
大豆の搾りかすである「おから」にも、大豆の食物繊維やたんぱく質が含まれており、栄養があります。
食物繊維が多いため人ではダイエット素材として利用されることもある食べ物です。
しかし、犬ではミネラルの吸収をブロックする「フィチン酸」という成分が大豆よりも多く含まれている報告があるため、少量にとどめておきましょう。
ペットショップでは犬用のおからを購入することができます。
5-3. 納豆
大豆を発酵させた納豆は、柔らかいうえに栄養価も高い食べ物です。
細かくするか小粒の納豆を選んで与えると、より消化しやすくなるでしょう。
タレは塩分過多になるため、つけずに与えるのが適切です。
口がべたつくのがデメリットですが、ペットショップでは乾燥した犬用の納豆を購入できるため、上手く活用しましょう。
乾燥した納豆は「持ち運びができる」「常温保存ができる」メリットがあります。
5-4. きなこ
粉末である「きなこ」は消化しやすく、犬に与えやすい食べ物ですが、砂糖が入っていないものを選ぶことが大切です。
砂糖が入っている「きなこ」を犬に与えると、カロリーが高く肥満につながる可能性があります。
また、粉末のまま与えるとむせるリスクがあるため、「水分を足す」「ウェットフードに混ぜる」などの対応をして与えましょう。
5-5. 豆乳
大豆を原材料とする豆乳は、犬に与えても大丈夫な食べ物です。
カロリーの過剰摂取にならないよう、砂糖や塩を含んでいない無調整豆乳を与えるのがおすすめです。
調製豆乳を与える場合は、添加物の少ない商品を選ぶと良いでしょう。
飲み物としてそのまま与えられるほか、シチューなどの料理にも使えるため便利です。
ドッグフードに豆乳をかけて与えることで、食欲増進も期待できますよ。
牛乳を犬に与えると消化不良を起こすため、牛乳ではなく豆乳を与えることで安全にカルシウムを摂取できます。
5-6. 味噌
味噌は大豆を発酵・熟成させてつくられる加工食品で、犬に与えても大丈夫な食べ物です。
ただし、塩分を多量に含んでいるため、わずかな量しか与えられないと理解しておきましょう。
塩分を摂取しすぎると腎臓の負担になり、病気になるリスクがあります。
薄めの味噌汁にして与える方法もありますが、無塩味噌を利用した方が安全です。
5-7. 節分用の煎り大豆
節分の豆まきに使う煎り大豆は加熱されているため、毒素の心配することなく犬に与えられます。
ただし喉に詰まらせるリスクがあるうえ硬いため、犬にとっては消化しにくい食べ物です。
細かく砕いて安全な状態にしてから与えましょう。また、節分の豆まきでは拾い食いには注意が必要です。
5-8. 大豆ミート
ベジタリアンやヴィーガン向けの「もどき肉」として重宝されている「大豆ミート」は、大豆の油分や搾油して加熱加圧し、乾燥させてつくられる食べ物で、「ソイミート」「大豆肉」「ベジミート」とも呼ばれています。
犬も食べられるうえ長期保存も可能なため、利便性の高い食品だといえるでしょう。
そのままの状態だと硬すぎるため、お湯で戻し柔らかくしてから与えましょう。
5-9. 大豆を含んだドッグフード
ドッグフードには、原材料として大豆を含んでいる商品があります。
おやつとして大豆を与える場合は、一日の給餌カロリーの10%以内になるよう量を調整しなければなりませんが、主食のドッグフードであれば、一日の給餌カロリーを満たせるよう与えれば大丈夫です。
加熱したりペースト状にしたりする工程を省略したい場合は、大豆を含んだドッグフードを与えるのがおすすめです。
6.まとめ
今回は犬に大豆を与えるリスクや大豆の効能、適切な与え方などを解説しました。
適切な与え方をすれば大豆の栄養素は犬の健康に役立ちますが、生の大豆がもつ毒素・喉に詰まるリスク・アレルギーなどには注意しなければなりません。
とはいえ、加熱する・すりつぶす・適量を見極めるなど、適切な与え方をするのはかなり手間がかかりますよね。
簡単に大豆の栄養素を犬に摂取させたい場合は、原材料に大豆を含んだドッグフードを主食にするのがおすすめです。
ドッグフードであれば、喉に詰まらせたり消化不良を起こしたりすることもありません。
おいしさと健康にこだわったドッグフード「COMBO」は、原材料に大豆を含んでおり、愛犬の食事に大豆の栄養素を取り入れたい方にぴったりのドッグフードです。
原材料や栄養価に注目してドッグフードを選択し、より健康的な食生活を目指しましょう。
「COMBO」の詳細についてはこちらを参考にしてください。
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