犬の食事に穀物は必要?穀物アレルギー・消化不良・栄養価を解説
#穀物グレインフリーのドッグフードが販売されているのをご存じでしょうか?
グレインフリーとは穀物を含まないという意味です。
グレインフリーのドッグフードを見ると「穀物は犬に与えない方がいいの?」という疑問が生じますよね。
「ドッグフードはグレインフリーやグルテンフリーの方がいいの?」
「犬の食事に穀物の栄養素は必要ないの?」
など、犬と穀物の関係性が気になる飼い主さんは多いでしょう。
そこで今回は、犬が穀物を食べる際のデメリット・穀物の栄養価・穀物の適切な与え方などを解説します。
グレインフリーやグルテンフリーのドッグフードが流行した理由も解説しますよ。
犬の食事に穀物を含めるか迷っている飼い主さん必見です。
1. 犬の食事に穀物は必要ないって本当?
穀物を含まないグレインフリーのドッグフードが流行していますが、犬は穀物を摂取しない方が良いのでしょうか?
グレインフリーが推奨されるようになった経緯や犬と穀物の関係性を解説します。
グレインフリーのドッグフードが販売されているから犬に穀物は必要ない、と安易に判断せず「なぜグレインフリーが推奨されるようになったのか」を知ることが大切です。
1-1. グレインフリーのペットフード
グレインは穀物のことでイネ科植物の種子を指し、世界三大穀物と呼ばれる米・麦・とうもろこしが穀物の中でも多く生産されています。
また、日本では米・麦・アワ・マメ・キビまたはヒエが五穀として親しまれていますよね。
五穀にマメが含まれているように、マメ科作物の種子や他科の作物の種子も含んで穀物と呼ぶことがあります。
狭義にはイネ科植物の種子、広義にはマメ科作物の種子や他科の作物の種子を指すと理解すると良いでしょう。
グレインフリーのペットフードとは穀物を含まないペットフードのことです。
1-2. グルテンフリーのペットフード
グルテンは穀物の中でも主に麦に含まれるたんぱく質を指します。
料理では小麦粉に水を加えてこねることで、小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2種類のたんぱく質が絡み合って「グルテン」に変化します。
パン生地が発酵した時に気泡が残るのは生地がグルテンによって粘りを持っているからです。
グルテンは穀物(グレイン)を製粉して得られるほぼ純粋なたんぱく質のことです。
グルテンフリーのペットフードとはこのたんぱく質を含まないペットフードのことです。
グルテンフリーとはグレインフリーの中の一要素だと言えるでしょう。
1-3. グレインフリーとグルテンフリーが流行した理由
「グレインフリー」や「グルテンフリー」のペットフードが流行したのは、ペットフードに含まれる穀物が引き起こした事件が原因だと言われています。
2007年に中国の会社によって製造された小麦グルテン入りのウェットフードを食べた犬が続々と腎不全になった事件が発生しました。
小麦グルテンにプラスチックなどに使用される有機化合物であるメラミンが添加されていたことが原因です。
この時期はペットだけでなく人間の食べ物も含めて、中国が関係する汚染事件が複数発生しています。
「グレインフリー」や「グルテンフリー」が流行した理由は、汚染された穀物に対する不安の高まりだったと考えられますね。
穀物が犬にとってよくない食材だという根拠があったのではなく、中国のずさんな管理に対する不安が理由だったようです。
2. 犬が穀物を摂取するデメリット3つとは?
「グレインフリー」や「グルテンフリー」が流行したこともあり、穀物は「犬にとってよくない食材だ」と思われることの多い食材です。
実際に穀物が犬に与えるデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
犬が穀物を摂取するデメリット3つを解説します。
2-1. アレルギー反応のリスクがある
愛犬が穀物に対して食物アレルギーを持っている場合は穀物の摂取を避けましょう。
穀物は肉や乳製品に比べてアレルギー反応の起こりにくい食材ですが、アレルギー反応のリスクはゼロではありません。
アレルギー反応が出た場合はグレインフリーのドッグフードに切り替えると良いでしょう。
グレインフリーのドッグフードにすると穀物の栄養素は摂取できなくなりますが、食物アレルギーを持っている場合は仕方ありません。
ドッグフードを切り替える際は原材料の生産地や飼育環境などを確認し、品質の良い商品を選ぶことが大切です。
2-2. 生では消化しづらい
犬は肉食動物のオオカミを祖先にもつ動物であるため、穀物を消化できないと誤解されることがあります。
人と暮らす中で犬は雑食に適応し、進化の過程でデンプンの消化能力が向上したため穀物を消化できます。
犬がオオカミから分化したのは1万5,000年以上前とされており、長い年月の中で進化しているため犬とオオカミは別の動物だと理解しなければなりません(所説あり)。
とはいえ、穀物は生のままでは消化しづらいため水とともに加熱して調理することが大切です。
人間も雑食ですが生米は食べられませんよね。
このように水とともに加熱して調理することで、デンプンが「糊化」し、十分に消化吸収することができるようになります。
「生では消化しづらい」というのは穀物のデメリットだと言えるでしょう。
2-3. 食べすぎると肥満になる
炭水化物である穀物は糖質を多く含むため、食べすぎると肥満や高血糖につながるリスクがあります。
適量を守ってリスクを回避した上で摂取することが大切です。
糖尿病やガンなどの病気を患い、糖質制限を受けている犬は穀物の摂取を避けた方が良いでしょう。
3. 犬が穀物を摂取するメリット3つとは?
犬が穀物を摂取するデメリットをご紹介しましたがメリットもあります。
デメリットとメリットの両方を理解した上で愛犬の食事に穀物を含めるか考えることが大切です。
犬が穀物を摂取するメリット3つを解説します。
3-1. 便通を改善する
穀物には食物繊維や難消化性デンプンが含まれており、摂取することで整腸作用が期待できます。
便秘の改善はもちろん、便の香り改善にも効果的です。
腸内環境を整えることで免疫機能も正常に働き、病気への抵抗力が上がります。
3-2. 少ない量で満腹感を得やすい
穀物は腹持ちがよく少ない量でも満腹感を得られるのが特徴です。
肉類に比べてカロリーが低いため肥満の予防に効果が期待できるでしょう。
低カロリーなのに満腹感を得られる穀物はダイエット用の食材としても活用されます。
3-3. 栄養バランスの調整ができる
穀物には肉類からは摂取できない栄養素が含まれています。
犬の健康を保つためには栄養バランスの整った食事を与えることが大切です。
適度に穀物を与えることで不足している栄養素を補給できるでしょう。
4. 代表的な穀物5種類の栄養価と効能
穀物には他の食材には含まれていない栄養素を摂取できるというメリットがありますが、具体的にどのような栄養素を摂取できるのでしょうか。
代表的な穀物であるとうもろこし・米・大豆・大麦・キビを取り上げ、含まれる栄養素と効能について解説します。
4-1. とうもろこしの栄養価
とうもろこしには高い抗酸化作用を発揮するビタミンEや、赤血球を作る働きのある葉酸などビタミン類が豊富に含まれています。
特にナイアシンという細胞のエネルギーを生成するビタミンが他の野菜と比べて多く含まれている点も特徴としてあげられるでしょう。
また、マグネシウム・カルシウム・カリウムなどのミネラルも豊富に含まれており、マグネシウムがエネルギー代謝、カルシウムが骨の強化、カリウムが血流促進などに作用します。
4-2. 米の栄養価
白米の77%は糖質でできており身体や脳を動かすエネルギー源となります。
他には「体力アップや免疫力アップに役立つたんぱく質」「筋肉や脳の働きに関わるカルシウム」「血圧や血糖値を調整するマグネシウム」などの栄養素も含まれています。
神経機能や脳の働きを正常に保つビタミンB1も含まれており、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあります。
4-3. 大豆の栄養価
大豆は筋肉や血液などの元となる豊富な植物性たんぱく質を含んでいるのが特徴です。
肉や魚に匹敵するたんぱく質の含有量であることから「畑の肉」とも呼ばれています。
骨や歯の構成成分であるカルシウムや血圧を下げる効果のあるカリウムも含んでいます。
カルシウムには精神を安定させる働きもありますよ。
4-4. 大麦の栄養価
大麦は穀物のなかでカルシウムを多く含む食材で、骨粗鬆症の予防効果が期待できます。
コレステロール値を正常に保つ働きをするβ-グルカンを含んでいるのも特徴的です。
血糖値の上昇を抑える働きがあるため、糖尿病予防に効果があると言われています。
4-5. キビの栄養価
キビはたんぱく質を豊富に含んでおり肝臓機能を向上させられると言われています。
疲労を回復させる効果のあるビタミンB1も摂取できますよ。
強い骨をつくるケイ素が含まれているのも犬にとって嬉しいポイントです。
5. 犬は穀物を食べられる!適切な与え方って?
犬が穀物を摂取することにはメリットとデメリットがありますが、適切な与え方をすることでリスクを回避しメリットだけを得られます。
穀物には「アレルギー反応のリスクがある」「生では消化しづらい」「食べすぎると肥満になる」というデメリットがあるからこそ、適切な与え方を知っておくことが大切です。
飼い主さんに知っておいてほしい「犬に穀物を与える正しい方法」を解説していますので、参考にしてください。
5-1. アレルギー反応に注意する
愛犬に穀物を初めて与える際には食物アレルギーを持っている可能性を考えて、様子を見ながら少量ずつ与えましょう。
痒みを伴う皮膚症状や下痢などの消化器症状が現れたらアレルギー反応を起こしている可能性があります。
症状が落ち着いたら動物病院を受診し、今後は原因となった穀物を与えないようにしましょう。
痙攣や呼吸困難などの全身症状が現れた場合は、早急な動物病院への受診が必要です。
あらかじめ24時間対応の動物病院を調べておくと良いでしょう。
5-2. 加熱処理をする
穀物は生のままだと消化しづらいため加熱処理が必要です。
特に生の大豆には「レクチン」という毒素が含まれており、生のまま与えると下痢や嘔吐などを起こしてしまいます。
大豆の加熱処理は消化しやすくするだけでなく、毒性をなくすためにも必要であり、とても重要です。
穀物は焼く・煮る・炊くなどの調理を加えた上で、犬が舌を火傷しないよう冷ましてから与えましょう。
犬が舌を火傷すると、舌が腫れたりよだれが増えたりする他、食欲の低下にもつながることがあります。
犬にとって食材の最適な温度は自然界の獲物と同じ38~40度です。
5-3. 消化しやすい大きさにする
穀物は消化しやすいように細かく砕いたり、すりつぶしたりして与えましょう。
マメ類はそのまま与えると喉に詰まって呼吸困難を引き起こすリスクがあるため、ペースト状にした方が安全です。
ちなみにとうもろこしの芯は小さく砕いても消化できないため、芯から取り外して実だけを与えましょう。
とうもろこしの実は加熱処理してからペースト状にすると消化しやすくなります。
5-4. 適切な量を守る
犬にとっての穀物の適量は1日の給餌カロリーの10%以内が目安です。
主食を総合栄養食のドッグフードにし、穀物はあくまでおやつとして与えることで栄養バランスを保てます。
ドッグフード以外に与える食材をすべて合わせて10%以内にするのが目安のため、穀物以外の食材を与える場合は穀物の適量がさらに少なくなることに注意しましょう。
穀物だけでは必要な栄養素を補えないため、主食として穀物を与えるのはおすすめしません。
おかずや野菜も与えなければならず、それらを含めた難しい栄養計算が必要になります。
6. ドッグフードの選び方は?粗悪品を見抜く方法
穀物に対して食物アレルギーを持っている犬にはグレインフリーのドッグフードがおすすめですが、アレルギーのない場合はあえてグレインフリーを意識する必要はありません。
むしろ穀物を原材料に含んでいるドッグフードの方が種類豊富な栄養素を摂取できるでしょう。
ただし、かさましとして穀物を過剰に利用している質の悪いドッグフードもあるため、穀物割合をチェックすることが大切です。
コストカットのために粗悪な穀物を使用している可能性も踏まえ、安すぎるドッグフードには注意しましょう。
7. まとめ
グレインフリーやグルテンフリーなどの言葉が流行し「犬に穀物を摂取しない方が良い」と思われることがありますが、穀物は適切な与え方をすれば犬の健康に役立つ食材になります。
食物アレルギーや消化吸収に関する研究はさまざま行われているので、正確な情報のもと、おうちの子に必要かどうかを判断していくのがいいのではないでしょうか。
とはいえ、適切な与え方をするには加熱処理が必要なためかなり手間がかかりますよね。
簡単に穀物の栄養素を犬に摂取させたい場合は、原材料に穀物を含んだドッグフードを主食にするのがおすすめです。
ドッグフードであれば消化不良を起こす心配はありません。
おいしさと健康にこだわったドッグフード「ビューティープロ」は原材料に穀物を含んでおり、愛犬の食事に穀物の栄養素を取り入れたい方にぴったりのドッグフードです。
原材料や栄養価に注目してドッグフードを選択し、より健康的な食生活を目指しましょう。
ビューティープロの詳細についてはこちらを参考にしてください。
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