犬が留守番できるのは何時間?環境の整え方&しつけ方法を解説!
#留守番「犬が留守番できるのは何時間まで?」
「愛犬に留守番をさせると吠え続けてしまう…」
このような疑問や悩みを抱いている方は多いでしょう。
犬はひとりで過ごすことは得意でないため、留守番は大きなストレスになることがあります。
犬の留守番中の問題行動は、精神的負担が原因だと考えられます。
安心できる環境を整え、適切なしつけをすることが必要でしょう。
そこで今回は、以下の内容を解説します。
・犬に留守番をさせる際の5つの注意点
・【発達段階別】犬が留守番できるのは何時間まで?
・愛犬が安心して留守番できる環境づくり7STEP
・愛犬に上手に留守番をしてもらう方法4STEP
・愛犬の留守番に役立つアイテムやサービス
仕事などで犬に留守番をさせる必要のある方は必見です。
1. 犬に留守番をさせても大丈夫?5つの注意点とは
犬に留守番をさせると、問題行動を起こしたり、ストレスを抱えたりすることがあります。
飼い主さんは愛犬に留守番をさせる際の注意点を理解した上で、対策する必要があるでしょう。
犬に留守番をさせる際の5つの注意点を解説します。
1-1. 不在中の日常のお世話
飼い主さんの不在中は、食事・給水・排泄などのお世話ができません。
成犬であればごはんと水を用意し、トイレを設置しておけば、ある程度は安心できるでしょう。
しかし、子犬や介護の必要な高齢犬の場合は、自力で食事や排泄ができないことも多く、こまめなお世話が必要です。
愛犬の発達段階や健康状態に応じて、必要なお世話ができるよう、留守番をさせる時間を調整しましょう。
1-2. 事故の対策・対処
室内飼いでは、誤飲誤食・家具等の落下・コンセントにひっかかるなど、さまざまな事故のリスクがあります。
留守番中の事故は、助けられる人がそばにいないため、特に注意が必要です。
「部屋を片付ける」「家具を固定する」などの対策をして、事故を未然に防ぎましょう。
愛犬がお風呂で溺れる事故も発生しているため、「お風呂に侵入できないようにする」「お風呂に水を貯めたまま放置しない」などの対策も大切です。
1-3. 分離不安症による問題行動
犬は飼い主さんと離れることで分離不安症を引き起こし、問題行動を起こす場合があります。
分離不安症とは、犬が愛着のある人や場所から離れることで強い不安を感じる精神障害のひとつです。
飼い主さんの不在中に問題行動になって現れることがあります。
具体的には、「長時間吠え続ける」「物を破壊する」「粗相をする」「足を舐め続ける」などの症状が表れるため、注意が必要です。
特に「長時間吠え続ける」という症状は、ご近所さんとのトラブルにも発展しかねないでしょう。
急に留守番をさせると分離不安症を引き起こすリスクがあるため、留守番に徐々に慣れる練習をすることが大切です。
1-4. 運動不足による愛犬のストレス・健康管理
留守番中は自由に運動できない状態になるため、運動不足によるストレスを抱えやすくなります。
留守番前に散歩に連れていき、心身のストレスを発散させることが大切です。
散歩や遊びでほどよく体が疲れると、留守番中も落ち着いて過ごせるでしょう。
「旅行で数日間、家を空けたい」と思う場合もあるかもしれませんが、犬は毎日の散歩で健康を維持できるため、数日間にわたって留守番をさせるのはNGです。
1-5. 愛犬のいたずら対策
愛犬が留守番中に大人しく過ごしてくれるとは限りません。
「ティッシュペーパーの中身を全部出す」
「クッションを噛みちぎる」
「壁の塗装をはがす」
などのいたずらをする場合があります。
帰宅時に部屋の中が荒れていると困りますよね。
愛犬のいたずら対策として、「物を隠しておく」「行動範囲を制限する」などの対策が求められるでしょう。
また、普段の生活での過保護や甘やかしは留守番中とそうでない時のギャップが大きくなり、留守番時の不安感や恐怖を助長させることもあります。
そのため普段の生活やしつけも大きなポイントになります。
2. 【発達段階別】犬が留守番できるのは何時間まで?
仕事で何時間も家を留守にする場合、「犬が留守番できるのは何時間までだろう?」と気になるでしょう。
実は、犬が留守番できる時間は、発達段階や体調などにより異なります。
犬の発達段階別に、留守番できる時間の目安を解説します。
2-1. 子犬の留守番時間は発達段階によって調整
子犬のうちは基本的に長時間の留守番はおすすめできません。
必要なお世話が多く、発達段階に合わせて留守番をさせる時間を調整しなければなりません。
例えば、子犬のおしっこの間隔は、生後8~10週齢未満なら約1時間、生後3ヵ月なら約3時間と、発達段階に合わせて長くなっていきます。
排泄のお世話が必要なうちは、おしっこの間隔に合わせて留守番の時間を調整しましょう。
食事については、生後3ヵ月までは睡眠時間を除いて3~4時間に1回与えるのが目安です。
子犬の消化機能は未発達のため、生後6ヵ月頃まで食事は1日3回以上に分けて与えなければならないからです。
また、長時間の留守番で空腹が続くと、低血糖になってしまうこともあり、特に小型犬は注意が必要です。
おしっこの間隔の方が短いため、食事よりも排泄のお世話の必要性に合わせて、留守番の時間を考えると良いでしょう。
子犬は排泄の頻度も多く、トイレトレーニングも必要です。留守番でトイレを覚える時期を逃してしまうこともあるので、
トイレトレーニングが終了するまで留守番は慎重に行いましょう。
2-2. 成犬の留守番時間は6~8時間
成犬は子犬に比べて必要なお世話が少なくなるため、一般的に6~8時間ほど留守番できます。
数日間にわたる留守番はできませんが、仕事中の留守番が可能になるのは心強いですね。
成犬の食事は1日2回のため、留守番前後に給餌すれば十分です。
排泄は1日3~5回が一般的で、12時間我慢できると言われています。
トイレトレーニングを済ませた犬であれば、トイレを設置しておくことで対応できるでしょう。
ただし、成犬であっても体調が優れない場合や留守番が苦手な場合などは、状況に応じて留守番をさせる時間を判断することが大切です。
2-3. 高齢犬の留守番時間は体調によって判断
高齢犬も成犬と同じように留守番できますが、「持病がある」「要介護状態である」などの場合は、留守番の時間を短くする必要があります。
自力で食事・水分補給・排泄などができない状態であれば、お世話ができる時間にとどめましょう。
また、高齢犬は不安を感じやすく、これまで落ち着いて留守番できていた犬でも、分離不安症を引き起こすことがあります。
「粗相をする」「鳴き続ける」などの症状がある場合は、長時間の留守番はできません。
ちなみに分離不安症ではなく、体の痛みや認知症を原因として鳴き続ける場合もあります。
高齢犬の留守番は愛犬の心身の変化に合わせて対応していくことが必要です。
自身のライフスタイルの変更やペットシッターなどのサービスの導入を考える必要が出てくることもあり、心づもりとして考えておくことが大切です。
3. 犬が安心して留守番できる!環境づくり7STEP
犬によっては留守番で強い不安やストレスを抱えることがあります。
愛犬にはできるだけ安心して過ごしてもらいたいですよね。
犬の留守番に最適な環境づくり7STEPをご紹介します。
3-1. サークルやケージを設置する
「行動範囲を制限するのはかわいそう…」と思うかもしれませんが、行動範囲が広いほど事故のリスクが高まります。
犬の安心と安全を考えるならサークルやケージを設置するのが良いでしょう。
日ごろから慣れさせておくと犬にとっても安心して過ごせる場所になります。
ただし、体を動かすことができるサイズであり、サークル内にクレートやベッドなど安心できる環境を作ってあげましょう。
サークルやケージを設置しない場合は、「誤飲誤食するようなものを置かない」「ひっかからないようにコンセントを抜く」など、事故を未然に予防する環境づくりが必要です。
3-2. 寝床とトイレを分けて用意する
留守番中は、飼い主さんが帰ってくるまで排泄物が放置されることになります。
寝床とトイレが同じ場所にあると、食フンすることがあるため、寝床とトイレは分けて用意しましょう。
ケージ内にトイレを設置し、寝床であるクレートと隣接させるのがおすすめです。
3-3. 快適な室温に調整する
愛犬の健康を守るために、留守番中は常に快適な室温になるようにしましょう。
夏は直射日光の当たらない涼しい場所にケージやクレートを置いて、熱中症対策をすることが大切です。
冬も防寒対策が必要ですが、ストーブは火災のリスクが高いため、利用しないようにしましょう。
ホットカーペットなども、愛犬がコンセントを噛んで事故につながりかねません。
夏でも冬でも、エアコンを利用して室温を21~25℃、湿度を50~60%に保つことが大切です。
エアコンの風が直接当たらず、風通しが良い場所にケージやクレートを置くようにしてください。
また、フレンチブルドッグのような短頭種は暑がりですし、チワワは寒がりといったように、犬種によっても快適な温度は違います。
愛犬の様子を観察しながら、適温かどうか確認することが大切です。
3-4. 水飲み場を複数用意する
水飲み場が一ヵ所の場合、愛犬が器を倒して水をこぼすと、水分補給ができなくなります。
常に水分補給ができるよう、水飲み場は複数ヵ所用意しましょう。
「帰宅するといつも水がこぼれている…」という場合は、自動給水器を導入するのもおすすめです。
ケージに給水ノズルを設置するという方法もあります。
3-5. 自動給餌器を利用する
帰宅後に餌を与えるのが一般的ですが、留守番の時間が長い場合は、愛犬が自力で餌を食べられる環境を用意する必要があります。
置き餌にすると一気に食べてしまう犬の場合は、自動給餌器を利用すると良いでしょう。
自動給餌器を利用すれば、設定した時間に合わせて、自動で給餌できます。
3-6. 電気は普段の状態に合わせる
できるだけ普段通りの環境に近づけると、犬は安心して過ごせます。
普段電気をつけているなら、留守番中も電気をつけた方が良いでしょう。
夜の留守番は周囲が暗くなるため、愛犬が暗い場所に慣れていない場合は、電気をつけて出かけるのがおすすめです。
3-7. 犬用のおもちゃを準備する
留守番中の不安や寂しさを紛らわすために、犬用のおもちゃを準備しておくことも大切です。
知育系や噛み応えのあるおもちゃなど、持続性のあるものが良いでしょう。
犬は飽きやすいため、留守番用のおもちゃを決めて帰宅後は片付けるのがポイントです。
4. 愛犬に上手に留守番をしてもらう方法4STEP
急に留守番をさせると、犬は不安や寂しさから問題行動を起こす場合があります。
飼い主さんは愛犬が上手に留守番できるよう、きちんとしつけなければなりません。
愛犬に上手に留守番をしてもらう方法4STEPをご紹介します。
4-1. フォーマットトレーニングをする
フォーマットトレーニングとはアイコンタクト・オスワリ・マテを指し、犬の状態を初期化する基本トレーニングです。
飼い主が上位で自分が下位であることを自然に理解させられる効果があります。
フォーマットトレーニングを通して上下関係を示し、「鳴いても自分の願望は叶わない」と理解させることで、留守番中に鳴き続ける行為を予防できるでしょう。
愛犬と関わる際は、フォーマットトレーニングをしてから、次の行動に移すよう徹底することが大切です。
4-2. さまざまな物音に慣れさせる
飼い主さんのいない状態で苦手な音が聞こえると、恐怖心が募り、愛犬にとって大きなストレスになります。
掃除機・インターホンのチャイム・自動車など、嫌がることの多い音に慣れさせておきましょう。
警戒心の強い犬の場合は、外から聞こえる音にデリケートなため、窓から離れた場所にケージを設置するのがおすすめです。
ただし外の音や景色が好きな犬もいるため、愛犬に合わせて判断しましょう。
4-3. 愛犬だけの時間を増やしていく
落ち着いて留守番できる状態にするには、留守番に徐々に慣れさせる必要があります。
最初は数分間だけ、愛犬におやつやおもちゃを持たせて、飼い主さんだけ違う部屋に移動しましょう。
この行為を繰り返すことで、飼い主さんは「いなくなっても必ず戻ってくる」と覚えさせます。
数分間を落ち着いて過ごせるようになったら、30分、1時間、3時間…と徐々に留守番の時間をのばしていき、飼い主さんのいない状態に慣れさせましょう。
4-4. 留守番前後の接し方に注意する
留守番の直前にスキンシップをとりすぎると、急にひとりになって寂しくなるため、直前はあまりスキンシップをとらないようにしましょう。
愛犬は帰宅時に興奮状態で出迎えてくれるかもしれませんが、留守番を日常として慣れさせるため、挨拶は控え目にすることが大切です。
興奮状態が落ち着いた後に、たくさん褒めてあげましょう。
5. 犬の留守番に役立つアイテムやサービスとは
愛犬に留守番をさせるのが心配な飼い主さんは、アイテムやサービスを有効に活用するのがおすすめです。
犬の留守番に役立つアイテムとしては、自動給水器・自動給餌器・おもちゃなどが定番ですが、外出先でペットの様子を確認できるペットカメラも人気です。
動くものを追尾する機能や、内蔵のスピーカーで愛犬に呼びかけられる機能のある商品も登場しており、どんどん進化しています。
旅行などで数日間にわたって留守番をさせたい場合は、ペットホテルを利用すると良いでしょう。
ペットホテルは動物病院やサロンに併設されている場合もあります。
数時間の留守番であれば、ペットシッターや犬の保育園・幼稚園などのサービスを利用するのもひとつの方法です。
急な入院や身内の不幸やもしもの災害時など、何かあった時に頼れるツテを準備しておくことも大切です。
ペットホテルやペットシッターに日ごろから慣れさせることや身内や知り合いと日ごろから交流しておくことなどは、いざという時には飼い主にとっても愛犬にとっても大きな助けとなるでしょう。
6. まとめ
犬に留守番をさせる際には、環境を整えることはもちろん、適切なしつけも必要です。
おもちゃを用意するなど、不安や寂しさをできるだけ感じさせない工夫もしてあげられると良いでしょう。
そして、犬の留守番に大切なのは、愛犬の寂しさや不安を理解することです。
愛犬の気持ちに寄り添い、できるだけのケアと配慮を行ってあげましょう。
また、犬を飼う際には留守番以外にも、散歩の仕方や栄養面などが気になりがちです。
大切な愛犬には、健康的な生活を送って長生きしてもらいたいですよね。
犬の飼育方法について、さらに知りたい方はこちらのサイトが参考になります。
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