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犬ににんじんを与えてもOK!調理のポイントや注意点を解説

#にんじん

食物繊維が豊富で栄養満点なにんじんは、犬に与えても良い野菜のひとつです。
しかし、そのまま与えるのではなく、調理をして食べやすい状態にしましょう。
また、与えすぎはよくありません。
この記事では、犬ににんじんを与えるときの調理法や注意点、おすすめのレシピをご紹介します。
犬が食べやすいように工夫して、健康維持に役立ててください。

1. 愛犬の手作りフードの食材はにんじんがおすすめ!その理由とは?

にんじんは犬に食べさせても大丈夫な野菜のひとつです。

ペットフードにも含まれるほど栄養価が高く、犬の身体に良い食材です。

栄養バランスが取れたペットフードは犬の健康に欠かせないごはんですが、手作りのごはんを食べさせたいと考える方もいるでしょう。

または何かおやつを作ってあげたいと思う方もいるかもしれません。

そんなときに使用する食材は「にんじん」がおすすめです。

なぜにんじんがおすすめなのか、その理由についてご説明します。

1-1.  含まれている栄養素が豊富なため

にんじんには次のような栄養素が含まれています。

  • βカロテン
  • カリウム
  • 食物繊維

にんじんの栄養素と聞くと「βカロテン」が真っ先に浮かんでくる方も多いでしょう。

βカロテンは体内に入るとビタミンAに変換されます。

ビタミンAは目や皮膚・粘膜などに作用します。

特に視力維持や皮膚の健康維持に必要不可欠な栄養素です。

胎児の成長に欠かせないビタミンのため、妊娠中の犬は積極的に取り入れたい栄養素でしょう。

しかし、ビタミンAの過剰摂取は肝臓の負担や中毒症状を起こすこともあるため、取り過ぎには注意してください。

カリウムは細胞を正常な状態に保ち、体内の余分な塩分を尿へと排出してくれる作用や高血圧を防ぐ効果もあります。

ただし、腎機能の低下している犬や心臓病を患っている犬は注意が必要です。

食物繊維は腸内環境を整え、便秘解消が期待できます。

にんじんに含まれる食物繊維の多くは不溶性食物繊維と呼ばれるものです。

腸内で水分を吸って膨らみ、腸壁を刺激します。

腸の運動が活性化されるため、便通がよくなると言われています。

愛犬が皮膚症状で悩んでいたり、便秘に苦しんでいたりするのであれば、にんじんを積極的に取り入れてあげると良いでしょう。

1-2. 低カロリーなダイエットフードになるため

にんじんは水分量が多く低カロリーなため、肥満に悩むダイエット中の犬にぴったりな食材です。

おやつとして与えることもでき、ドッグフードのトッピングとしても利用しやすいです。

また、ドックフードの量を少し減らし、その分にんじんを加える「かさ増し」としても使えます。

ただし、かさ増しダイエットを行う場合は、ドッグフードのカロリーや成分値などについてしっかり理解しておきましょう。

無理なダイエットは愛犬の健康を脅かしかねません。

犬のダイエットについてもっと詳しく知りたい方は「犬のダイエットはフードから!健康に理想的な体重にするための方法を解説」をご覧ください。

体調を見ながら無理なくダイエットをして、愛犬の健康維持に努めましょう。

2. 犬ににんじんを食べさせるときのポイント

にんじんを犬に与えるときは、犬が食べやすいように調理しなければなりません。

どのように食べさせれば良いのか、にんじんを犬に食べさせるときのポイントについてみていきましょう。

2-1.  にんじんの葉や皮を与えるときはしっかり洗う

にんじんは普段食べている部分だけでなく、葉や皮の部分も食べられます。

にんじんの葉に中毒性はないため、安心してください。

ただし、にんじんの葉や皮を食べさせる場合はしっかり洗いましょう。

皮に付着している土に細菌が含まれていたり、葉に農薬が残っていたりする可能性があります。

人間にとっては影響のないレベルの残留薬物であっても、犬など動物が摂取してしまうと症状が出ることがあります。

オーガニックや無農薬のにんじんだとしても、安心してはなりません。

周囲の畑で散布された農薬や近くの道端にまかれた除草剤などが風にのって運ばれ、付着しているケースもありますのでよく洗ってください。

にんじんの葉には、普段食べている部位よりも多くの栄養が含まれています。

βカロテンはもちろん、抗酸化作用のあるビタミンEも豊富です。

栄養満点なため、葉つきにんじんがあれば積極的ににんじんの葉も取り入れましょう。

2-2.  適切な量を与える

栄養豊富なにんじんですが、過剰に与えすぎると犬の健康を損ねる可能性があります。

また、主食にはならないため、適切な量にとどめてください。

にんじんの適切な量は、犬の体格によって変わります。

次の表を参考にして、与えすぎないようにしましょう。

 

 

にんじんの摂取量

超小型犬(体重3kg以下)

6~15g

小型犬(体重4~8kg)

15~30g

中型犬(体重9~20kg)

30~60g

大型犬(体重21kg以上)

60~90g

この表は1日に必要なカロリーの10%以内として算出しています。

しかし、これはあくまでもカロリー上の計算です。

また、犬の健康状態や運動量・年齢によっても変わるため、目安としてください。

主食の摂取を妨げないように注意して与えましょう。

2-3. 「生」ではなく茹でたものを与える

にんじんは生のままではなく、茹でてやわらかくしたものを与えましょう。

食物繊維が豊富に含まれているにんじんは、生のままでは硬くて食べにくく、消化不良をおこしやすくなります。

お湯で茹でるとにんじんに含まれている栄養分が流れ出てしまう可能性があるため、蒸したり電子レンジを使ったりすると良いでしょう。

お湯で茹でる場合は、茹で汁も活用できるとにんじんの栄養分を余すことなく摂取できます。

加熱したにんじんは細かく刻んだり、すり潰したりして食べさせましょう。

大きなサイズのままだと喉を詰まらせる危険性があります。

また、茹でるときはお湯のみで茹でてください。

塩分を加えるなど調味料を使用して茹でると塩分過多になります。

3. 犬ににんじんを与えるときの注意点

甘くておいしいにんじんですが、犬に与えるときに注意しなければならないことがあります。

安全においしく犬に食べてもらうため、必ずチェックしてください。

3-1. アレルギーに注意する

にんじんによるアレルギーはまれですが、初めて与えるときは少量からはじめましょう。

アレルギー症状は下痢や皮膚の異常、呼吸器症状など犬によってさまざまです。

体調に変化がないか注意深く観察しましょう。

もしアレルギーと思われる症状が出たら、ただちに食べさせるのを中止し、すぐに動物病院へ連れて行ってください。

すでに食物アレルギーを持っている犬は特に注意が必要です。

また、アレルギー対応の療法食を食べていたり、食事制限や治療を行っていたりする場合は与えない方が良いです。

決められたもの以外を食べることで、治療効果が現れなくなる可能性があります。

どうしてもにんじんを与えたいときは、医師にあらかじめ相談したうえで食べさせてください。

また、初めて与える場合は、まず少量から与え、体調に変化がないかを確認してから徐々に量を増やしていきましょう。

3-2. 市販のものは無添加のものを与える

市販のにんじんジュースやにんじんチップスを犬に与えることも可能です。

しかし、その際は砂糖や塩など調味料が使用されていないか、しっかりチェックしてください。

人間にとっては食材の旨味を引き出す調味料ですが、犬には味が濃すぎます。

塩分過多になる可能性もあるため、にんじんだけを使用しているもののみを食べさせてください。

また、にんじん以外に他の食材が含まれていないかも見てください。

犬に与えてはいけない食材が含まれていることがあります。

犬に食べさせてはいけない食材について詳しく知りたい方は、こちらの「犬にあげてはいけない(あげるべきでない)10の食べ物!欲しがる理由と症状を解説」をご覧ください。

3-3. 子犬に与えるときは小さくカットする

にんじんは生後3ヵ月以上の子犬に与えても大丈夫な食材です。

しかし、与えるときは細かくカットするか、すりつぶした状態で与えてください。

子犬は成犬よりも消化器官が弱いで、ほんの少しずつ与えてください。

あまり進んで食べなかったり、下痢になったりした場合は無理に食べさせてはなりません。

子犬の様子をしっかり観察しながら与えましょう。

また、にんじんは甘く犬が好む味です。

選り好みしないように、あくまでドッグフードを主食とし、にんじんはトッピングやおやつとして与えましょう。

3-4. 特定の持病を持つ犬には与えない

次のような持病を持っている犬にはにんじんを与えないようにしてください。

  • 肝臓病
  • 肝臓にトラブルを抱えている犬
  • 胆嚢疾患
  • クッシング症候群
  • 膵炎

にんじんに多く含まれているβカロテンは摂取しすぎると肝臓に負担をかけてしまいます。

そのため肝臓に疾患やトラブルを抱えていたり、肝臓に影響を与えるおそれのある疾患を抱えていたりする犬には食べさせないようにしましょう。

また、上記以外の持病を抱えている犬は、一度主治医に相談したうえで食べさせた方が安心です。

4.【おすすめ】にんじんを使った犬用レシピ4選

にんじんを犬に食べさせる方法や注意点について説明しました。

ここからは、にんじんを使って簡単に作れるおやつとごはんのレシピを4つご紹介します。

工夫すれば、人間も同じようなメニューを作れます。

愛犬と一緒に同じメニューを食べたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

4-1. おやつ|にんじんクッキー

おやつにぴったりな「にんじんクッキー」の作り方をご紹介します。

【材料】

  • にんじん…20g
  • オリーブオイル…大さじ1
  • 薄力粉…50g

【作り方】

  1. にんじんをすりおろす
  2. オリーブオイルとすりおろしたにんじんを混ぜ合わせる
  3. ふるった薄力粉を2に加え、混ぜ合わせる
  4. 生地がまとまってきたら冷蔵庫に入れ、30分くらい冷やして生地を休める
  5. めん棒で生地を伸ばし、お好みの型で抜く
  6. 180℃で予熱しておいたオーブンで20分ほど焼く

焼き加減はオーブンによって若干異なるため、様子をみながら調整してください。

時間がない場合は、冷蔵庫で生地を休める工程を省いても大丈夫です。

また、アレルギーなどで小麦粉が使用できないときは、米粉を使用してもOKです。

犬に与えるときはしっかり冷ましてからにしましょう。

人間用のクッキーにするなら、材料に砂糖10gを加えてください。

サクサクで素朴なクッキーになります。

4-2. おやつ|キャロットケーキ

ほのかな甘みが美味しい「キャロットケーキ」をご紹介します。

蒸して作るため、もっちりとしていてヘルシーです。

【材料】4個分

  • にんじん…80g
  • 薄力粉…50g
  • ベーキングパウダー…3g

【作り方】

  1. にんじんをすりおろす
  2. 1に薄力粉とベーキングパウダーを加え、よく混ぜる
  3. あらかじめクッキングシートを敷いておいた型に2を流し込む
  4. お湯を沸かしておいた鍋に入れ、中火で7分間蒸す
  5. 蒸しあがったら鍋から取り出し冷やす
  6. 冷めたらクッキングシートを外す

にんじんの水分だけで生地がまとまらない場合は、水を少量ずつ加えて調整してください。

材料に砂糖10gを加えれば、子どものおやつにもぴったりです。

4-3. ごはん|ささみとにんじんのスープ

ささみとにんじんを使ったスープをご紹介します。

ダイエット中の犬にぴったりなスープです。

【材料】1食分

  • ささみ…30g
  • にんじん…10g

【作り方】

  1. にんじんは食べやすいように細かく刻んでおく
  2. 鍋にたっぷりの水・ささみを入れて火にかけ、沸騰したらアクをとる
  3. 茹で上がったささみは取り出し、食べやすいようにほぐしておく
  4. ささみの茹で汁に刻んだにんじんを入れ、やわらかくなるまで煮込む
  5. ほぐしたささみを鍋に戻して完成

ごはんにスープをかけてリゾットにしたり、ドッグフードにかけたりしても良いでしょう。

今回使用した野菜はにんじんだけでしたが、キャベツやブロッコリーなどさまざまな野菜を加えて野菜たっぷりスープにすることもできます。

コンソメを適量加えれば人間用の野菜スープになります。

4-4. ごはん|にんじんハンバーグ

お誕生日など特別な日にぴったりな「にんじんハンバーグ」をご紹介します。

【材料】

  • 鶏ひき肉…100g
  • 溶き卵…大さじ1
  • にんじん…20g
  • パン粉…適量

【作り方】

  1. にんじんはすりおろしておく
  2. 鶏ひき肉と溶き卵、パン粉と1をねばりが出るまでしっかり混ぜ合わせる
  3. 形を整え、油をひいていないフライパンで焼く

工夫すれば数字や星などさまざまな形のハンバーグが作れます。

クッキングシートの上で形を作ると、フライパンに移しやすくなるでしょう。

ハンバーグの種に塩こしょうを加えたり、仕上げにケチャップソースをかけたりすれば人間も同じメニューを楽しめます。

玉ねぎの入った人間用ハンバーグを同時に作るときは、玉ねぎが犬用のハンバーグに入らないように気をつけてください。

5.まとめ

栄養価の高いにんじんは犬に与えても良い野菜のひとつです。

主食にはなりませんが、おやつや手作りフードの材料としておすすめです。

にんじんは茹でてやわらかくし、細かく刻んで食べやすくした状態にして食べさせてください。

また、与える量にも注意が必要です。

食べさせすぎないようにしましょう。

にんじん以外にも犬に食べさせられる栄養満点な食材があります。

詳しく知りたい方は、こちらの「犬の体にいい野菜8選!必要な栄養素を摂取するには」をご覧ください。

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