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犬の水分補給がうまくできているか不安!チェックポイントと水分の与え方のコツを解説

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水分が健康のバロメーターでもあり、不足してしまうと様々な不調の原因にもなってしまいます。
それだけに、愛犬が水を飲んでいない時には、非常に不安になってしまうものですよね?
犬は元々水を飲むことが好きな動物ですが、水を飲まない時にはどのような理由が考えられるのでしょうか?
そして、飼い主としてはどのように対処を行えばよいのでしょうか?
この記事では、犬の水分補給について詳しく解説します。

1.犬にも水分補給が必要!水分不足が生じるとどうなる?

ほぼすべての動物は、生きていくために水を必要としています。

環境省が発行している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン 」によると、水分は犬の体全体の60~80%を占めており、生きていくために不可欠なものです。

たんぱく質・脂質・炭水化物・ミネラル・ビタミンといえば、5大栄養素ですが、ここに「水」を加えて「6大栄養素」と呼ばれることもあります。

それほど、水は犬にとって重要なものです。

では、たんぱく質のようにエネルギーの源としての機能を持っているわけではない水が、生きていくために不可欠であるとはどういうことでしょうか?

その重要性は、水分不足を起こしてしまったときのリスクを考えると非常にわかりやすいです。

  • 脱水症状を引き起こしてしまい、食欲や運動量の低下を引き起こしてしまう
  • 子犬の場合、成長不良を引き起こしてしまう
  • 腎臓病や尿結石などの病気の原因になってしまう
  • 最悪のケースでは、死に至ってしまうこともある

もしこのような症状があらわれたら、すぐに処置が必要です。

対応が遅れると命の危険が増します。

飼い主さんとしては、愛犬が水分不足になってしまわないよう、注意をしなくてはなりません。

2.犬に必要な水分量はどのくらい?

人間の場合、のどの渇きで大体1日に必要な水分の量はわかります。

しかし、言葉が話せない犬の場合には、飼い主さんがある程度必要な水分の量を把握しておかないと、気が付かないうちに水分不足になってしまう危険性があります。

※犬も若くて健康な犬であれば元々水が好きなので、本来は水を自分できちんと飲みます。

では、犬に必要な水分の量とは、いったいどのくらいなのでしょうか?

幸い、犬にとってどの程度の水分量が必要なのかを表す計算式があります。

1日に必要な犬の水分量=70×体重(kg)の0.75乗×1.6

計算は非常にシンプルなように見えますが「0.75乗」という大きな落とし穴があります。

0.75乗は電卓操作で簡単に求めることができます。

電卓を使った1日に必要な犬の水分量の計算方法

①「体重」を3回かける(=A)

②「√A」と押す(=B)

③「√B」と押す(=C)

※割り切れないことが多いため、Bは小数点第一位程度までで四捨五入した値を入力する

④ 70×「C」×1.6を計算する

以上により1日に必要な水分量(ml)の目安が計算できます。

例えば、体重7kgの犬に必要な水分量を上の指揮に当てはめると、、、481.9となるため、7kgほどの犬に必要な水の量はだいたい480ml程度であることが分かります。

犬の体重別に水の必要量を簡単に表すと、次のようになります。

【体重別必要量の目安】

小型犬(体重 2㎏)190ml
小型犬(体重 4㎏)320ml
小型犬(体重 6㎏)430ml
小型犬(体重 8㎏)530ml
中型犬(体重10kg)630ml
中型犬(体重15㎏)850ml
大型犬(体重20kg)1060ml
 

※ただし、食事の内容や気温、運動量、年齢などによって必要量は変わるため、あくまで目安として考えてください。

詳しくはこちら

3.犬が水を飲まないときに考えられる5つの主な原因

犬は、人間と同じように必要な水分の95%ほどを口から摂取します。

つまり、ドリンクを飲むか、水分を含んだ食べ物を食べるかのどちらかの方法です。

犬が水分をとる方法はこれらの二つしかないため、どうしても水を飲まないようであれば、飼い主としてはとても心配になるものです。

動物では供給される水と排泄される水の量はほぼ等しく、体の中の総水分量はほぼ一定に保たれます。

排泄量が供給量を上回ると脱水が起こり問題となります。

犬が水を飲まない時には、基本的に何らかの原因・理由があります。

原因・理由によってどのように対処すべきかが異なるため、この章では考えられる原因について解説します。

3-1. 理由① 身体の不調・加齢など

犬が水を飲まない原因として最初に考えられるのは、病気や加齢など身体の不調や状況による理由です。

また、ヘルニアなどによる体の痛みや不調から、水を飲む姿勢をとるのが難しくなっている可能性も考えられます。

これらの原因がきっかけで水を飲まなくなっているときには、次のような症状を併発することが多いため、併せて様子を確認しましょう。

  • 食欲がない
  • 元気がない/活動量が少ない
  • 嘔吐や下痢などの症状が生じている
  • おしっこの色が濃い
  • おしっこの色が淡く、量が多い

これらの症状があらわれている時には、犬の様子をチェックしながら、動物病院を受診しましょう。

3-2. 理由② 口の中や周りのケガ

口の中にケガや歯周病による痛みがあると、犬が水を飲まなくなってしまうことがあります。

特に、犬の歯周病は非常に多いため、注意が必要です。

アニコム損害保険株式会社が2010年に行なった調査結果によると、歯周病を発症している犬の割合は全体の1.4%でしたが、歯周病予備軍は全体の76.3%にもなります。

特に、加齢とともに歯周病のリスクが高まるため、飼い主はデンタルのケアに十分な注意を払う必要があります。

参考:アニコム損害保険株式会社「76.3%が歯周病の予備軍、愛犬も歯みがきの習慣化を!」

3-3. 理由③ 夏の暑さによる夏バテや冬の寒さなどの気候条件

冬になり気温が下がると、自然に水分の摂取量が少なくなります。

しかし、冬でも水分の摂取が必要であることに変わりはありません。

結果的に、寒い冬に水分不足の症状を招いてしまいます。

気温が高い日は、要注意です。

さらに、梅雨の頃の湿度が高い日も要注意です。

水分は、体温を一定に保つのに役立っています。気温と湿度はこまめにチェックしましょう。

3-4. 理由④ 水の与え方や質に問題がある

水の与え方や質が原因となってしまっている可能性もあります。

具体的に紹介すると以下のケースが考えられます。

  • 水を入れている容器が犬の好みのデザインや材質ではない(犬が恐怖や不安・ストレスなどを感じている)
  • 水が古い(いやな臭いがしている)

こうした原因の対処が遅れると、犬のストレスがどんどん大きくなっていくため、できるだけ早めに原因に気が付き、対処をすることが大切です。

3-5. 理由⑤ 水分が足りている

犬が水を飲んでいるようには見えなくても、必要な水分をしっかりと補給できている場合があります。

その原因は、食事からの水分補給です。

一般社団法人日本ペットフード協会のホームページを参考にすると、ドッグフードは種類によって以下のように水分量が異なります。

ドッグフードの水分量

  • ドライフード・・・10%程度が水分
  • ソフトドライ、セミモイスト・・・25~35%が水分
  • ウェットフード・・・75%が水分

ウェットフードの場合は、かなり水分の割合が高いため、飼い主さんが意識をしなくてもかなり水分が摂取できているケースが珍しくありません。

また、ドッグフードの他に野菜やフルーツを与えている場合、おやつを与えている場合も、同じ理由から水分を補給できている可能性があります。

参考:日本ペットフード協会「ペットフードの種類」

4.犬の水分不足のチェック方法

必要な水分の目安量が分かっても、食事による水分摂取もあるため、水を口にした量がそのまま水分摂取量というわけではありません。

「何をどれだけ飲んだのかわからないなら、結局水分が不足しているかどうかのチェックできない!」という飼い主さんの悲鳴が聞こえてきそうですが、犬の水分不足を簡易的にチェックする方法があります。

●犬の水分不足をチェックする方法(軽度)

  1. おしっこをみる
  2. いつもより濃く、量が少ないと脱水症状に陥っている可能性があります。

●犬の水分不足をチェックする方法(重度)

  1. 首の近くの皮膚をつまんで引っ張る
  2. 指を離したときに、皮膚がなかなか元に戻らない時には、脱水症状に陥っている可能性があります。

脱水症状は、健康を考える上でとても危険な場合もあるので、気になったときには小まめにチェックしましょう。

5.犬の水分不足の予防・改善方法

水分不足はとても怖いものですが、どのように予防・改善を進めていけば良いでしょうか?

この章では、犬の水分不足の予防・改善方法について解説します。

対策を考える上で大事なポイントは、犬の個性や特徴に合わせて対策を考えることです。

5-1.  対策① 水の与え方を工夫する

水分補給の基本は、冷たい、新鮮な水を与えましょう。

犬によっては、冷たい水を飲むこと自体があまり好きではない犬もいます。

そのような場合には、水の与え方に工夫をすることが効果的な対策になります。

  • 冷たい水では、1日に数回は替え、新鮮な水を与える
  • 氷を好む犬ならば、氷を水に浮かべるか砕いた氷を与える
  • 冷たい水を好まない場合、ぬるま湯を与える(ぬるま湯の方が冷たい水よりも味がまろやかになり、飲みやすいといわれています)
  • 犬用のスポーツドリンクを使用する(少し味がついているため、水よりも喜んで飲む場合があります)
  • 魚介のだしなど、水に味をつける

5-2. 対策② ごはんの内容を変更する

水分の摂取は、食事から摂取しても問題ありません。

ドライタイプのドッグフードには水分の含有量が10%ほどしかありませんが、水分量の多いウェットタイプのドッグフードを併用することで水分補給がまかなえるようになることもあります。

ただし、水分の摂取だけに意識が集中してしまい、ウェットフードに偏るのは避けたいところです。

なぜなら、ウェットフードばかりに頼ってしまうと、噛む力がつかないためです。

ウェットフードとドライフードを混ぜたり、交互に与えたりすることで、水分補給をしながら健康にも良い食事を与えることができます。

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5-3. 対策③ ドッグフードにぬるま湯をかける

ドライタイプのドッグフードにぬるま湯をかける方法もあります。

この方法は、水分補給対策になるだけではなく食欲不振の改善に繋がる可能性もあります。

というのも、ぬるま湯をかけることでご飯の香りが強くなり、犬の嗅覚をより強く刺激するようになるためです。

ぬるま湯の代わりに、お肉やお魚を煮出したスープもおすすめです。

5-4. 対策④ フルーツやゼリーを与える

フルーツやゼリーなどの水分の多いものをおやつとして与えるのも効果的です。

犬が特に喜ぶのは、バナナ・イチゴ・梨・リンゴ・みかんなどです。

多くの犬は、甘いものが大好きなのでこれらのおやつをとても喜ぶ可能性が高いです。

ビタミン・ミネラルも合わせて摂取できるのでおすすめです。

尚、注意したいのはブドウです。

原因までははっきりと分かっていませんが、犬がブドウを食べると中毒を起こしてしまいます。

最悪のケースでは、命にかかわるケースもあるため、間違って与えてしまわないように注意を徹底することが大切です。

参考:Yahooニュース:「ブドウ中毒でペットの命が危険に? 留守中の管理を徹底して危険を回避」

5-5. 対策⑤ 子犬にはペット用ミルクを与える

子犬に対しては、ペット用ミルクがおすすめです。

水分補給だけではなく、月齢に応じた必要な栄養素が摂取できるため食欲がない子にもおすすめです。

このとき注意したいのは、必ずペット用のミルクを用いることです。

子犬は胃腸による消化の力が弱いため、牛乳を与えるとおなかを壊してしまうことがあります。

子犬から成犬まで、安心して水分補給と栄養を与えられるミルクは、飼い主さんにとって持っておくに越したことはありません。

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5-6. 対策⑥ 気温対策をする

暑さによる夏バテや疲れから、犬が「何もしたくない状態」になってしまっている可能性があります。

夏バテが疑われる際には、暑さが影響している場合があります。(犬は、人の約1.5倍暑いようです。)

適度な室内温度をたもつようにエアコンを使用したり、アイスマットを使用したりするなどの対策をすることで、犬が元気に過ごせるように対策をすることも必要です。

6.まとめ

犬にとって、水は生きるために不可欠なものです。

愛犬にとって必要な水分摂取量を知り、いつもちょうど良い量を出してあげることで、ペットの健康を保つと同時に飲水量の変化に気づきやすくなります。

もし、摂取量が不足している場合には、不調や元気がないことの原因にもなってしまうため、飼い主さんは犬の様子を注意深くチェックすることと、水分補給ができるように働きかけをすることが予防と病気の早期発見にとってとても大切です。

記事内で紹介している水分補給の方法は、以下の6点です。

① 水の与え方を工夫する
② ごはんの与え方を工夫する
③ ごはんをぬるま湯でふやかす
④ フルーツやおやつを与える
⑤ 子犬にはペット用ミルクを与える
⑥ 快適な温度に設定する

犬の個性や様子をチェックしながら、ご自身の愛犬に合わせた対策を是非ご検討してみてください。

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