犬を飼うのは大変?後悔しないために知っておきたい点と乗り越え方
#犬を飼う前に #犬を飼う「犬を飼うのは大変って聞いたけど、私でも大丈夫かな?」と不安に感じている方もいらっしゃると思います。
犬を飼うのは、動物の命を預かることであるため、無責任な気持ちで飼ってはいけません。現在、安易に犬を飼って、飼育放棄されるケースが増えています。
この記事では、犬を飼うのが大変だと考えている方に向けて、飼育が大変なポイントと、犬を飼うことで感じられる何物にも代えがたいメリットを紹介します。
大変さのポイントを知り、対策を考えることで飼育時の負担の軽減にもつながるので、犬の飼育を考えている方はぜひ参考にしてください。
1.犬を飼うために大変なこと
犬を飼育してから「思ったよりも大変だった」と感じることがあると、せっかくの愛犬との生活を楽しめなくなってしまいます。
飼い主さんが後悔しないためにも、犬を飼う際に大変なことはどのような点があるのかについてチェックしておきましょう。
1-1. 費用がかかる
ペットとして犬を飼育するためには、費用がかかります。
2015年に環境省が発表したパンフレットによると、犬1頭あたりの平均支出額は以下のとおりです。
※犬の平均費用
費用項目 | 金額(年間) |
病院代 | 80,912円 |
食費・おやつ代 | 47,983円 |
日用品 | 19,716円 |
ワクチン・健康診断 | 28,311円 |
ペット保険 | 38,052円 |
ドッグランやトリミングサロンの利用を検討している方は、それらの利用料金も想定しておきましょう。
また、犬の寿命は15~20年程度なので、長期的な視点も必要です。
犬を飼う際の初期費用は大半の方がイメージをされますが、毎月・毎年かかる費用についても意識しましょう。
1-2. 散歩・通院・介護の手間がかかる
犬の飼育の手間を、ご自身が負担できるかどうかについても考えておきましょう。
日常的に飼い主さんに生じる負担は、以下の項目があります。
- 食事の準備
- 散歩
- 病気・ケガの際の動物病院受診やケア
- (高齢犬の場合)介護
※動物病院の受診は、突発的に必要性が生じることもあります。
飼い主さんの年齢や家族構成も検討する必要があります。
小型犬は大型犬に比べて散歩の距離・頻度が少なくて済む、といった傾向もありますので、
ご自身のライフスタイルに合った犬種を探すのも、飼育したあとに大変さを感じないためのポイントです。
1-3. しつけが必要
犬は、知性の高い動物で、トレーニングをすればかなり飼い主さんの言うことを聞いてくれます。
しかし、しつけをするのは基本的に飼い主さんなので、もしかすると慣れないうちは飼い主さんも「しつけが大変だ」と感じることがあるかもしれません。
しつけは、コミュニケーションを取ったり、おやつを効果的に用いたりしながら、おこなっていきます。
しつけに成功すると、問題行動や拾い食いなどを未然に防げるだけでなく、パートナーとしての愛着を深められる効果があります。
しつけの専門のドッグトレーナーにご相談するものおすすめです。
犬のしつけ方は「犬のしつけは必要?しつけの項目・やり方・コツを解説」の記事で詳しく解説しているので、不安に感じている方はぜひチェックしてください。
1-4. 長期不在の際に制限が生じる
犬を飼うと、家を長い間空けるのが難しくなります。
不在中のご飯の用意や安全の確認などが必要なためです。
例えば、旅行の際に飼い主さんがとれる対策は、以下の方法があります。
- ペットホテルなどの有料サービスを利用する
- ペット宿泊可能のホテルを利用して、愛犬と一緒に出掛ける
- 知人や友人に愛犬を預ける
ペットホテルの数が増えており利用しやすい状況になっているため、ご自宅近くのペットホテルの状況や料金などをあらかじめ調べておくと、安心できるでしょう。
2.大変でも犬を飼うメリット
ここまで紹介したように犬を飼うのは大変な面もあります。
しかし、犬を飼育することで得られる大きなメリットがあるのも事実です。
なかには、犬を飼うことでしか得られない大きな喜びもあります。
この章では、科学的なエビデンス(根拠)を交えながら、飼い主さんにとっての犬を飼うメリットについて解説します。
2-1. ストレスの軽減・癒しの時間を得られる
知性が高く従順な犬は、飼い主さんを受け入れてくれる動物です。
愛犬に悩み事を話したり、一緒に時を過ごしたりすることで、飼い主さんのストレス軽減・精神的健康にポジティブな効果が期待できます。
犬の飼育がストレスや身体的な健康にポジティブな影響を及ぼすことは、学術的な観点からも数々の研究がなされています。
(犬の飼育とストレス・健康への関係を示すデータ)
男性:飼育犬に対する愛着度が高い男性は、身体的健康度と精神的健康度が向上する
女性:飼育犬に対する愛着度が高い女性は、精神的健康度が向上する
出典:大阪商業大学 杉田陽出氏「犬の飼育と犬に対する愛着度が飼い主の身体的健康と精神的健康に及ぼす効果」
https://jgss.daishodai.ac.jp/research/monographs/jgssm2/jgssm2_08.pdf
また、愛犬と触れ合うことで幸せホルモン「オキシトシン」が分泌されるという研究結果もあります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3408111/
2-2. 健康的な生活ができる
犬の飼育は、健康的なライフスタイルにもつながります。
なぜなら、犬の散歩のために休日を含めて毎朝早く起床し、運動する習慣が作られるためです。
「愛犬の食事の時間にあわせて自炊をする頻度が増えた」
「もともと四六時中スマホを手放せなかったのに、犬を飼育し始めてからスマホを見る時間が減った」
などの声もあります。
スウェーデンでの大規模な調査では、以下の結果も得られています。
「犬を飼育する人は、ペットを飼っていない人よりも死亡リスクが33%低減する可能性あり」
https://www.cnn.co.jp/fringe/35110623.html
「子どもの頃に犬を飼うと、ぜんそくリスクが低下」
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-34720836
科学的な根拠の裏付けについては研究が進められているところであり、今後も多くの研究がなされるでしょう。
少なくとも早起きの犬に合わせた生活をしていると、朝早く起床して規則正しい生活が送れるのは間違いありません。
2-3. 新たな友だちができる
犬を飼うことで、新たな友だちが増える可能性もあります。
毎日の散歩・ドッグランやペットショップでの買い物・ペット向けのイベントなど、犬の飼育をしなければ行動範囲に含まれていなかったスポットに顔を出すようになり、飼い主さん自身の交友の幅が広がるためです。
また、愛犬を通じてできた友人・知人の大半は、犬の飼い主仲間や、何らかの形で犬に関するサービス・イベントに携わったりしている人でしょう。
共通の話題があるため、絆を強めやすい傾向があります。大人になってから友だちを増やすのは難しいことですが、犬を飼うことで意識しなくとも飼い主さん自身の社会が広がります。
2-4. 価値観の変化がある
犬を飼育した方の多くが「価値観が変わった」と述べています。
どのように価値観が変わるのかは、飼い主さんによって人それぞれですが、犬を飼育することで飼い主さんの価値観が変化するのは犬の以下の特性によるものだと考えられます。
- 社会性が高く、双方向のコミュニケーションを取れる動物であること→自分自身や他人との関わり方を見つめなおすきっかけになる
- 守るべき存在であること→愛犬を守り続けるために、飼い主さん自身の仕事や学習に対する向き合い方が変化し、モチベーションが向上する
- 規則正しい生活をする健康的な動物であること→適度な運動や健康的な食生活の重要性を見直すきっかけになる
- 犬の1年は人間にとっての46年→人生そのものや時間の大切さを再認識できる
どのような考え方の変化が生じるのかを期待しながら、飼育を始めてみるのも良いかもしれません。
2-5. 家族が一人増える
犬を飼育している方の大半が、愛犬を家族の一員として認識しています。
犬にはそれぞれ、好きな食べ物や行動パターン・喜ぶポイントなどの個性があります。
「どんな風に遊んだら、喜んでくれるだろう?」
「このドッグフードは、愛犬の好みに合いそう!」
などなど、愛犬は飼い主さんにとって、生活の大きな一部になるでしょう。
3.犬を飼う大変さを乗り越えるには?
最後に、犬を飼う大変さとメリットを天秤にかけて悩んでいる方に向けて、犬を飼うための大変さを軽減し快適に生活できるようにするためのコツを紹介します。
飼い主さん自身の心身の負担を軽減できるメリットもあるため、初めて犬を飼う方にとって役立つ情報です。
3-1. 環境に合った犬を飼う
ご自宅の住環境やご自身の生活習慣にピッタリ合った犬を選びましょう。
特に、小型犬か大型犬のどちらを選ぶのかによって大きな違いが表れるので、両者の違いを魅力とあわせて比較してみましょう。
※小型犬
- ごはんやおやつの量が少ないなど、経済的
- 限られたスペースでも飼育可能で、一緒に外出しやすい
- 衛生管理しやすい(トイレの処理・シャンプー)
※大型犬
- 賢い犬種が多い
- 一緒に思い切り遊んだり運動したりできる
- 集合住宅や車を持っていない方にとっては飼育が難しい
「小型犬の方が飼いやすい」というイメージのとおり、初心者にとっては小型犬の方が無難です。
上記のポイントの他に、犬種ごとの特徴やご自身の好みも大切なポイントです。
3-2. 利用できるサービスを知っておく
飼い主さん自身の負担を軽減するためにも、愛犬にストレスを感じさせないためにも、利用できるサービスを事前に把握しておきましょう。
特に押さえておきたいのは、以下のサービスです。
・ペットホテル
長期の外出や突発的な予定が入ったときに、サービスの利用が必要になる可能性があります。動物病院でペットホテルを併設しているところもあります。
・動物病院
ケガ・病気の治療・予防接種・不妊手術のために、かかりつけにできる動物病院の有無をチェックしておきましょう。
・トリミングサロン
特に、長毛種を飼育したい方は、愛犬の健康面と衛生面をケアするために、トリミングサロンの目星をつけておきましょう。飼い主さんが連れていけない場合、送迎があると便利です。
・ペットショップ
ペットフードや日用品の購入のために、ペットショップがあると便利です。ただし、フードや日用品はインターネット購入も可能なので、近所になくてもそれほど困ることはないでしょう。
・老犬用の介護サービス
老犬になったときに、一時預かりなどのサービスを提供してくれるサービスです。
・公園・ドッグラン
愛犬が思い切り遊べる場所のチェックもしておきましょう。大型犬を飼育する場合は、大型犬OKのドッグランなのかどうかも重要なポイントです。また、施設やサービスではありませんが、普段の散歩コースについてもイメージしておいた方が良いでしょう。
3-3. 家族や友人を頼る
いざというときに、身近な家族や友人にサポートをお願いできるかどうかも大切なポイントです。
具体的には、次のようなケースが考えられます。
- 旅行や長期の外出の際に、一時的に愛犬を預かってもらう
- 動物病院を受診する間、子どもの面倒を見てもらう
- 自分自身がケガをしてしまったときなどに、愛犬の遊び相手になってもらう
サポートが受けられることにより、精神的にも余裕がでるため、特に家族に対してはいざというときにお願いできるようにあらかじめ伝えておくのもオススメです。
4.まとめ
犬を飼う時には、費用・手間がかかることや、飼い主さん自身の行動が制限される場面があることなど、大変であると思われるポイントがいくつかあります。
しかし、犬を飼うことでしか得られない大きなメリットもあります。
健康寿命の重要性がしきりに叫ばれている現代において、犬に深い愛情を注ぐことが健康面や精神状態にポジティブな影響を与えるというのは、とても興味深いデータです。
そもそも、データを持ち出すまでもなく、家族の一員として愛犬と貴重な時間を過ごせるということはなによりも大きな満足につながります。
飼い主さん自身の状況や環境に合った犬種を選ぶこと、あらかじめ必要なサービスを把握しておくことにより、飼育の負担がかなり抑えられるという面もあります。
問題点をあらかじめ把握しておくことで、対策しやすく心の準備にもなります。
犬の飼育が大変に感じられることもあるかもしれませんが、それ以上の良い面にも目を向けて、検討していただけたら幸いです。
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