アメリカン・ショートヘアってどんな猫?特徴や性格など完全解説!
#アメリカン・ショートヘア #アメショ #アメリカン・ショートヘア特徴日本国内で飼育されている猫のなかで飼育数が最も多いのは、アメリカン・ショートヘアです(一般社団法人日本ペットフード協会 令和2年度全国犬猫飼育実態調査)。※雑種を除く
ペットショップでも定番の猫種であり、飼育したいと考えている方も多いのではないでしょうか?
その一方で、次のような疑問をもつ方もいらっしゃるでしょう。
「アメリカン・ショートヘアは、初心者でも飼育できるの?」
「アメリカン・ショートヘアは、どんな性格をしているの?」
「アメリカン・ショートヘアを飼育するときには、どんなことに気をつけたらいいの?」
この記事は、アメリカン・ショートヘアの全容を解説しています。
ペットフード業者として50年以上の実績を誇る「日本ペットフード株式会社」がわかりやすさに重点を置いて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
1.アメリカン・ショートヘアってどんな猫?
アメリカン・ショートヘアの飼育方法や注意点を考える前に、まずは基本的な概要を押さえておきましょう。
全体像を知ることで、アメリカン・ショートヘアの飼育について具体的なイメージが抱けるようになります。
1-1. 概要
アメリカン・ショートヘアの平均的な体重は、以下のとおりです。
(オス)4~7kg/(メス)3~6kg
とてもかわいらしい顔つきをしているものの、オスはかなりしっかりした筋肉質の体つきをしています。
メスは、オスよりも一回り小さくだいたい一般的な猫のサイズとおなじくらいです。
名前のとおり短毛種で、2種類の被毛をもつダブルコートです。
平均健康寿命は15~20歳と、全体的な平均値(14~15歳程度)よりも長生きをする傾向があります。
とはいえ、健康寿命はそれぞれの個体の健康状態や飼育時の環境などに左右されるため、あくまでも参考程度にとどめてください。
1-2. 歴史
アメリカン・ショートヘアの原産は、17世紀頃のアメリカだと言われています。
元々、イギリスのブリティッシュショートヘアが直系の子孫であり、船に乗って17世紀頃にイギリスからアメリカ大陸に持ち込まれたことがわかっています。(イギリスのブリティッシュショートヘアは、ヨーロッパヤマネコを起源とするとても歴史のある猫です)
アメリカでは、改良がくわえられながら少しずつペットとしての認知が広まり、1966年に「アメリカン・ショートヘア」という名前がつけられました。
そして、1990年代にアメリカから日本に入ってきて、人気の猫種として定着しています。
1-3. 特徴
アメリカン・ショートヘアの外見的な特徴は、短い被毛です。
かわいらしく、りりしくもある容姿は、ルーツであるヤマネコの面影を感じさせます。
一般的にアメリカン・ショートヘアは頭がよく、さまざまな環境変化に対応可能です。
身体が強く我慢強いので、飼育しやすい猫種として知られています。
飼育のしやすさはアメリカや日本で常に高い人気を保ち続けている理由の一つであるともいえます。
1-4. 性格
アメリカン・ショートヘアの性格は以下のとおりです。
- 遊びが好きで、ときどきいたずらをすることもある
- 温厚であまり怒らず、人間と一緒の生活を苦にしない(人間の子どもと一緒に生活することにも大きなストレスを感じない)
- フレンドリー
- ときどき、独立心をみせることもある
上記のように、性格的にも飼い猫にとても適した性格の持ち主です。
また、頭もよいのでトイレや爪とぎなどの最低限のしつけもスムーズに進みやすいでしょう。
2.アメリカン・ショートヘアの飼育のポイント
一緒に生活をするからには、ペットのアメリカン・ショートヘアに日々快適な生活を送ってほしいものです。
そのためには、飼い主さんが注意すべきポイントを押さえておくことが重要です。
この章では、アメリカン・ショートヘアを飼育するうえで押さえておきたいポイントを3点ご紹介します。
2-1. 環境の整え方
アメリカン・ショートヘアはどのような場所にも順応して生活できます。
したがって、神経質に家庭内の環境を心配する必要はありません。
好奇心旺盛なうえ、身体能力も高いので、のびのびと動き回れる場所があれば、ストレスを感じさせずにすみます。
必要最低限の押さえておきたいポイントはあります。
- 室内飼育をする場合は、猫が自由に行き来できる部屋が必要(必要数は、猫の飼育数+1部屋:2匹猫を飼育する場合は、猫が自由に行き来できる部屋がトータル3部屋必要)
- トイレ・爪とぎ場所・食事・睡眠の場所の確保
- 運動のできるスペース(高低差を意識しましょう。集合住宅などで室内に階段がない場合は、キャットタワーなど高低差のある遊び場を準備)
なお、現状は健康面や近所とのトラブルなどの観点から、室内飼育が推奨されています。
子猫の時に室内飼育のしつけをすれば、室内猫としてスムーズに順応できます。
2-2. ていねいなブラッシングが必要
アメリカン・ショートヘアは短毛種なので、それほど毛玉ができやすい猫種ではありません。
しかし、被毛がぎっしりと生えそろっているので、毛の入れ替わりの時期には一気に抜け落ちます。
ご家庭内のあちこちに抜け毛が落ちないように、特に毛の入れ替わりの時期には入念なブラッシングをしましょう。
毛の入れ替わりの時期は1年に2回春と秋に訪れます。
- 暑い夏に向けて被毛が抜け落ちる春
- 寒い冬に備えてしっかりした毛に生え変わる秋
抜け毛の多い時期にブラッシングをしないと、毛球症の原因にもなるため、要注意です。
2-3. 十分な運動と食事量の管理
アメリカン・ショートヘアは、太りやすい猫種です。
そして、太ってしまうと運動がおっくうになり、さらに太りやすくなる傾向がみられます。
飼い主さんが取るべき対策は3点です。
- 家庭内で遊べる環境を整える(キャットタワーなど)
- 飼い主さん自身が、愛猫と積極的にコミュニケーションを取り、遊ぶ時間を確保する
- フード・おやつの適正量を参考にして、与えすぎに注意する
肥満は、見た目の問題だけではなく、さまざまな健康リスクにつながります。
常日頃から、摂取カロリーと健康を意識しましょう。
3)アメリカン・ショートヘアの注意すべき病気
猫は、種類によってそれぞれかかりやすい病気・疾患があります。
この章では、アメリカン・ショートヘアを飼育する際に特に注意すべき病気について解説します。
普段の生活でケアすべきポイントについてもふれていますので、ぜひチェックしてください。
3-1. 肥大型心筋症
肥大心筋症は、心臓がうまく機能しなくなる病気です。
重度になると、不整脈から心臓が停止してしまったり、血栓ができたりするなどの症状が現れます。
高齢になると発症リスクが高まる病気で、アメリカン・ショートヘアでは発症する可能性が高い傾向あります。
原因がはっきりとわかっておらず、予防法も見つかっていません。
肥大心筋症は、病気が進行してから気づくことが多い病気ですので定期的な聴診や胸部レントゲン、心臓エコー検査などの検診を行い症状が出る前からケアしてあげることが重要です。
長く一緒に過ごすためには早期発見・早期治療が欠かせません。
3-2. ワクチン肉腫
ワクチン肉腫とは、ワクチン接種後に繊維肉腫が発生する病気です。
免疫異常の一種だと考えられますが、詳しい原因はわかっていません。
ワクチン接種の直後に発生するケースと、数日間経過してから発生するケースとがあります。
重症化した場合、内臓の働きに影響が生じ、機能不全に陥ることがあります。
ワクチン接種後は、しばらく様子をていねいに観察してください。
そして異変を感じたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
3-3. 膀胱結石
膀胱結石は、膀胱内に結石(ミネラルの塊)ができる病気です。
アメリカン・ショートヘアに限らず、猫全般によく見られます。
膀胱結石が生じる理由は、以下のとおりです。
- 水分の摂取不足
- ストレス
- 肥満
- 食生活の偏り
膀胱結石になると、激しい痛みを感じるようになります。
さらに症状が悪化すると、血尿や頻尿を繰り返し、ひどくなると尿が全く出なくなってしまって尿毒症を起こすこともあります。
多くの原因があるため、取るべき対策も幅広いです。
- 水を意識的に摂取させる
- トイレを我慢させないように環境を整える
- 栄養バランスの取れたフードを与える
- ダイエット
- 適度な運動
また、異変にいち早く気づくためには、普段から尿の状態を観察しておくことも重要です。
4.アメリカン・ショートヘアを飼育する際の注意点
アメリカン・ショートヘアを飼育するうえでの注意点についても理解しておきましょう。
特に注意したいポイントは3点あります。
4-1. たくさん遊ぶ
アメリカン・ショートヘアを飼育する際に意識したいのは、一緒にたくさん遊ぶことです。
アメリカン・ショートヘアは、飼い主さんなどの人間と遊ぶのが大好きなので、一緒に遊ぶ時間をつくりましょう。
しっかり一緒に遊ぶ時間の目安は、1日あたり10~20分程度です。
遊びの内容は、投げたボールを追いかけさせるなどが良いでしょう。
アメリカン・ショートヘアの狩猟本能を満たせるためです。
4-2. 誤食対策を取る
アメリカン・ショートヘアは、食欲と好奇心が旺盛のため、誤食対策に注意しましょう。
特に留守番をさせている最中は、家のなかのさまざまな個所を探索することがあります。
細かなものは、しっかりと扉の閉まる棚や封のできる箱などに保管しましょう。
残飯を処分するごみ箱なども要注意です。
アメリカン・ショートヘアの誤食で多いのは、以下のものです。
- つまようじ
- チキンや魚の骨(残飯)
- 医薬品
- ビニール・ナイロン袋・布・タオル
4-3. 肥満を伴う病気に注意
アメリカン・ショートヘアに限らず、飼い猫は肥満に陥りがちです。
猫は肥満になると、以下の病気のリスクが高まります。
- 糖尿病
- 関節疾患
- 腎臓病
いずれも、いったん発症するとなかなか治癒しない厄介な病気なので、未然の予防が重要です。
肥満になり、これらの病気を発症すると、運動を嫌うようになり、悪循環になる傾向もあります。
肥満を防ぐには、日頃の食生活と適度な運動が必要です。
5.アメリカン・ショートヘアに最適なキャットフードとは?
アメリカン・ショートヘアにとって最適なキャットフードとは、健康維持に必要な栄養素が含まれ、愛猫が喜んで食いつくフードのことです。
この章では、アメリカン・ショートヘアに最適なキャットフードの条件を3点ご紹介します。
5-1. 強い体を維持できる
アメリカン・ショートヘアらしい強靭な身体を維持するために必要なキャットフードは、以下の栄養素を含んだものです。
・たんぱく質
筋肉や内臓を形成する主原料です。
・アルギニン
アミノ酸の一種で、筋肉質な体のために良い成分です。お肉や魚などのたんぱく質豊富な食材に含まれているほか、キャットフードによってはアルギニンを配合していることもあります。
・イミダゾールペプチド
イミダゾールペプチドは、特定のアミノ酸の結合によってつくられる成分です。疲労回復の作用が示唆されています。こちらも筋肉質な体のために良い成分です。アルギニン同様、お肉や魚に豊富に含まれています。
注意すべき点は、上記の3つの栄養素さえ含まれていればよいというのではなく、すべての栄養素がバランスよく含まれているフードが理想的だということです。
5-2. 低脂肪
アメリカン・ショートヘアは、太りやすいので低脂肪に配慮したフードを選ぶことも重要です。
猫の食欲は、風味に大きく左右されます。
特に、猫が好むのは肉や魚などのたんぱく質の風味です。
低脂肪であることと食いつきの良さを両立したフードを選びましょう。
5-3. 全年齢対応
キャットフードの中には、全年齢対応のものと年齢別に分かれたものとがあります。
アメリカン・ショートヘア用などの猫種別フードは全年齢対応のものが一般的です。
全年齢対応のメリットは、以下のとおりです。
- 猫種の特徴にあった栄養設計のフードであり、選びやすい
- 飼い主さんの管理が楽
ただし、年齢ごとに適正な分量が異なる点に注意が必要です。
6.まとめ
アメリカン・ショートヘアは、日本で最も人気のある猫種です。
飼育がしやすいことに加え性格面も穏やかで飼い主さんと一緒に遊べるので、ペットとして非常に適しています。
アメリカン・ショートヘアは、さまざまな場所に適応するため、それほどデリケートな対応をする必要はありません。
それでも、必要な運動のスペース・食事の工夫・日頃のケアなどは重要です。
本記事を参考にしていただけたら幸いです。
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