キャットフードの保存方法!おいしく安全に保つためのポイントとは?
#キャットフードの保存方法キャットフードの安全性やおいしさを考えるときに意識しておきたいのが保存方法です。
というのも、キャットフードの保存方法が不適切な場合には、ダニ・カビの発生や愛猫の体調不良を招くリスクがあるためです。
特に、夏の暑い時期やキャットフードの消費量が少なくて開封後に日数が経過してしまった場合などは注意が必要です。
この記事では、キャットフードの保存期間や保存方法について疑問をもっている飼い主さん向けに、おいしく安全にキャットフードを保つためのポイントをご紹介します。
1.キャットフードの保存方法は重要?
キャットフードの保存方法は、非常に重要です。なぜなら、キャットフードの保存状態がよくなければさまざまなリスクを招いてしまうためです。
この章では、キャットフードが劣化した場合に起こる3つのリスクを解説します。
1-1. ダニが繁殖する
あまり知られていないことですが、日数が経過したキャットフードはダニが繁殖しやすいスポットの一つです。
ダニの発生条件は、以下の3点です。
- 温度(25~35℃程度)
- 多湿(湿度70~80%)
- 栄養が豊富
上記の条件が揃うとダニにとって格好の条件になります。
キャットフードがダニにとっても栄養源となることや、気温・湿度などの条件も合致しやすいことから、開封済みキャットフードの内部は絶好のスポットです。
ダニが繁殖すると猫にとってはアレルギー発症要因になります。
袋上部に付着したダニが、内部で爆発的に増えるという仕組みです。いったんアレルギーを発症すると、完治はかなり大変なので未然のケアが望ましいです。
1-2. 栄養素が損なわれる
開封後1ヵ月間ほどの間に、キャットフードに含まれる脂質が酸素にふれて酸化し始めます。
酸化によってキャットフードに配合されているビタミンCが損なわれます。
キャットフードが酸化すると味やニオイが変わり栄養価も下がります。
猫はニオイに敏感なので酸化したキャットフードには食いつかなくなります。
したがって、キャットフードは保存方法にかかわらず開封後できるだけ早く消費しなくてはなりません。
ビタミンCは、猫にとって重要な栄養素です。
- コラーゲン生成
- 鉄の吸収促進
- がんの予防
- 免疫強化
- 傷の早期回復
など、猫の健康維持のために重要な役割を果たします。
「猫は体内でビタミンCを生成できるため、キャットフードから摂取する必要がない」という意見もありますが、それは誤解です。
1-3. 風味が落ちる
時間の経過したキャットフードは、風味の劣化の問題もあります。
保存状態も重要です。
例えば、高湿度の箇所での保存を続けると、ドライフードの表面に水分を含み、食感が悪くなります。
そのほか、素材の化学変化による味の劣化を招く直射日光の当たる箇所もNGです。
風味が落ちると、その結果として食べムラや食欲の減退リスクにつながります。
2.キャットフードを適正に保存するための期間
キャットフードを安全においしく保存できる期間を知っておくことも重要です。
上述の栄養素の劣化の問題があるため、どんなに適切に保存をしてもキャットフードは一定の期間が経過をしたら処分すべきです。
この章では、キャットフードの種類別に適切な保存期間をご案内します。
2-1. ドライフード(カリカリ)
ドライフードの保存期間は、開封後1ヵ月です。1ヵ月を経過すると、ビタミンCなどの栄養素が失われはじめます。
また、賞味期限についても注意しなくてはなりません。
ドライフードの標準的な賞味期限は、半年~1年6ヵ月程度です。
したがって、購入したものをそのまますぐに使用する場合まず問題になることはありませんが、費用を安価抑えるためにまとめ買いをしている方などは要注意です。
2-2. ウェットフード
ウェットフードは、基本的に開封した当日に食べきらなくてはなりません。
やむを得ず食べきれない場合は、別の容器に移し替えて冷蔵保存、翌日までには食べきるようにしてください。
ウェットフードは、ドライフードと比べて水分が多いため、いったん開封すると細菌が繁殖するための絶好のスポットになります。
1日常温で放置すると、すぐに傷んでしまい猫にとって有害になります。
これを口にした場合は、腹痛や吐き気などの健康被害が生じるかもしれません。
また、ウェットフードに関しても賞味期限が設定されています。
ウェットフードの賞味期限はおよそ2~3年程度です。
ウェットフードの方が賞味期限を長く設定されている点に疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、缶詰やパウチなどで厳重に密封されているため賞味期限が長くなる傾向があります。
3.キャットフードの安全な保存方法
キャットフードの保存方法の基本をおさえておきましょう。
この章でご紹介するポイントは、4点あります。
4点を理解することで、普段の食事の与え方や注意すべきポイントも明確になるでしょう。
3-1. 保存場所の基本的なポイント
キャットフードの理想的な保存場所は、以下の要件を満たした箇所です。
- 冷暗所
- 低湿度な箇所
- 直射日光が当たらない箇所
- 気温が高くなりすぎない箇所
- 温度変化が少ない箇所
ご家庭のなかで上記の条件に当てはまる箇所をぜひ考えてください。
また、猫の手が直接届かないことも重要です。届いてしまうと、飼い主が気づかないうちにキャットフードの袋を破ってしまう、またはつめや歯で穴を開けてしまい劣化していたケースもあります。
3-2. 具体的な保存場所
最適な保存場所を具体的な条件に当てはめてみましょう。
保存場所に適した箇所
- 密封された棚の中
- パントリーなどの常温保存の食品を保管するための小部屋
- 床下収納
高温多湿と直射日光を避けられる箇所は、意外に少ないものです。
保存場所に適さない箇所
- ガレージの中(高温になりやすい/高湿度になりやすい)
- リビングなど(猫の手の届かない箇所なら問題ないものの、密封されていない箇所の場合はNG)
- 軒下(高湿度になりやすい/ほかのご家庭の飼い猫や野良猫を招いてしまう可能性がある)
- キッチンの下や洗面所など(高湿度になりやすい)
虫やネズミが寄ってこない場所もポイントです。
キャットフードの保管場所に関して、基準が明確であるため一つひとつ状況を当てはめながら検証するとよいでしょう。
3-3. 密封するためのポイント
キャットフードの開封後はなるべく空気に触れないようしっかり密閉して保存することが大切です。
例えば、以下の対策が可能です。
- チャックつきのキャットフードを選び、密封の際には毎回しっかりと袋を密封する
- 密封性の高い容器に移し替えて保存する
- 脱酸素剤・乾燥剤などの保存グッズを活用する
脱酸素剤・乾燥剤は、食品に湿気対策としてよく用いられているものと同じものです。
誤食をしてしまうと非常に危険なので必ずペットフード用のものを選んで購入してください。
また、密封容器の選び方もさまざまです。
キャットフードの保存用として販売されている密封容器(真空容器)は確かに密封性に優れなおかつ大容量のものが多いです。
ただし、何度もキャットフードを出し入れしているうちに、酸化してしまうことがあります。
そのほかに、ジップロックや真空パウチなどを使って小分けにして保存をする方法もあります。
ただし、小分けにして保存をするのは容器の入れ替えに手間がかかることや、保管スペースにかなり場所を取ってしまうことなどのデメリットがあります。
3-4. 冷蔵庫が望ましくない理由
高温を避けるために、冷蔵庫や冷凍庫に保存をしているという方もみえます。ただし、基本的には冷蔵庫は望ましくありません。
その理由は次のとおりです。
・冷蔵庫
冷蔵庫内は温度が低いためドライフードの油脂が固まってしまい、その結果、風味が劣化しやすくなります。また冷蔵庫の外に出して温度が上昇し結露が生じ、湿気やカビの原因なるため避けましょう。また、冷蔵庫内でほかの食品の匂いなどが移ってしまう可能性もあります。
・冷蔵庫の野菜室
野菜室は、冷蔵室と比較して温度も湿度も高めに設定されています。したがって、キャットフードを保存する場合は冷蔵室以上に不適格なスペースです。
・冷凍庫
冷凍庫は、低湿度という点では問題ありません。ただし、冷凍庫に保存しているとキャットフードが冷凍状態になり、解凍時に水分量の割合が高くなったり風味が劣化したりすることがあります。
4.キャットフードの保存方法と合わせて気をつけるポイント
キャットフードを安全においしく保つには、保存方法以外にも注意すべきポイントがいくつかあります。
この章では、特に重要な点を3点ご紹介します。
4-1. 1ヵ月で食べきれる量を購入する
キャットフードは、開封後1ヵ月以内に食べきれるものを選びましょう。
ただし、猫の場合は食べムラがあり、急にキャットフードに飽きることもあるため、なかなか思い描いていたとおりにいかないという方もいるかもしれません。
意識したいポイントは、以下の点です。
- 食いつきのよいキャットフード(猫が好む新鮮なお肉や魚のたんぱく質が含まれている)
- 少量ずつ小分けにされているキャットフード
また、当然のことながらウェットフードの場合は開封した日に使い切ることを徹底してください。
4-2. 信頼できるメーカーのフードを購入する
飼い主さんがどんなに保存の状態や期間を注意したとしても、商品製造から出荷の段階での管理が不適切な場合、キャットフードが劣化する可能性があります。
キャットフードは人間用の食品とは異なりメーカー・流通・販売業者に対する法律や規律が厳しくないため、運が悪ければ適切に管理されていない商品に当たる可能性があります。
特に、相場よりも大幅に価格の安価キャットフードの場合は、物流や保管のコストを必要以上に削っているケースがあるため要注意です。
信頼できるメーカーを確実に見極める方法は残念ながらありませんが、以下の点を意識するとよいでしょう。
- ISOやHACCPなどの信頼できる基準を取得している
- Webサイトやカタログなどで積極的に情報公開している
- 消費者などからの評判がよく、長期にわたり商品が愛されている
4-3. 商品の回転率を意識する
製造された商品が店頭で長く売れ残っていると、その日数分だけ賞味期限が短くなります。
また、店頭や倉庫で保管される期間が長いことは、保存状態の観点からもあまり望ましいことではありません。
対策としては、商品がよく売れている店舗やECサイトで購入することが効果的です。
ペットフードやペット用品に限らず、よく売れている店舗で購入した方が、レスポンスが早くカスタマーサポートの体制が整っているケースが多いです。
5.夏場のキャットフード保存方法
高温多湿の夏場は、特に慎重なケアが必要とされます。
ダニの繁殖条件である温度(25~35℃)・高湿度(70~80%)の条件にもぴったりと合致します。
夏場の対策においても、基本的な対策はそのほかの季節と変わりません。
高温・多湿・直射日光を避けて冷暗所で保管し、できるだけ早めに使い切ることが原則です。
高温が気になる方は、発泡スチロールで密封したり、外気温の影響を受けにくい密封容器(キャットフード保管用の専用容器)に移し替えたりするなどの対策をとりましょう。
また、小容量のものや小分けにパックされたものを購入することもおすすめです。
6.まとめ
キャットフードの保存状態が悪いと、品質の劣化によって食いつきが悪くなったり、健康被害の要因になったりすることがあります。
特にドライフードの場合、キャットフードが劣化していても外見からはわからないため、正しい保存方法や期間を知る必要があります。
保存方法に関して必ず避けなくてはならないのは、以下の3つの条件です。
- 高温
- 高湿度
- 直射日光
キャットフードの開封後はなるべく空気に触れないようしっかり密閉して保存することが大切です。
また、開封後1ヵ月以内に使い切ることや、気候条件に合わせて使用するなどの対策も必要です。
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