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猫にとって豚肉は栄養豊富|ただし生豚肉は危険大

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「猫に豚肉を与えてもいいの?」
キャットフードにメインで使用されているお肉は鶏肉が多いこともあり、豚肉を愛猫に与えても良いのか迷う方は少なくありません。
愛猫に豚肉を与えても問題ないのであれば、ご褒美として与えたり同じものを一緒に食べられたりするため、飼い主さんの選択肢が広がります。
結論としては、適量の豚肉を適切な方法で与えるのであれば、大きな問題はありません。
ただし、注意点をしっかりと押さえておかないと危険性もあります。
この記事は、創業60年以上の歴史をもつ日本ペットフード株式会社が、猫に豚肉を与える際のポイントについてご紹介していますので、愛猫のフードについて関心の高い方はぜひ確認してください。

1. 猫に豚肉を与えても問題ない!

肉食動物である猫は、多くの動物性たんぱく質を必要とします。

実際、キャットフード(ドライフード)は栄養バランスに十分に配慮して作られており、多くは鶏肉や魚を主原料としています。

あるいは、たんぱく質や脂質を含んだ穀物・炭水化物などを配合しているものも少なくありません。

豚肉は全く配合されていなかったり、あるいは補助的に含まれていたりするものが多いです。

メインの原料としてあまり使用されていない理由は、豚肉が猫にとってメリット・デメリットの両面を含んでいるためです。

主原料として使用する場合、むしろデメリットの影響が色濃く出る可能性が高いでしょう。

また、キャットフードではなく食材として豚肉を提供する場合、しっかりと火を通すことが重要です。

火を通さずに豚肉を猫に与えると、細菌感染により重大な健康被害が生じることもあります。

2. 猫にとっての豚肉のメリット

デメリットの部分は気になるものの、豚肉は猫にとってメリットもあります。

豚肉の栄養価の高さは、人間用の食べ物においてよく言われることですが、猫についても同様です。

この章では、猫にとっての豚肉のメリットをご紹介します。

2-1.  たんぱく質を豊富に含む

豚肉は、たんぱく質を豊富に含んでいます。

肉食動物である猫は、人間や犬と比べて多くのたんぱく質を必要としています。

環境省が発行している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」によると、人間が必要とするたんぱく質の割合が18%であるのに対して、猫の場合は35%です。

市販のキャットフードの中にも、たんぱく質を豊富に含んでいることをアピールしているものが少なくありません。

豚肉は、他の肉類と同様に多くのたんぱく質を含んでいるため、猫が必要とするたんぱく質の摂取には非常に効果的な食材です。

2-2.  ビタミンBが豊富

豚肉に含まれる栄養素の中で、たんぱく質と同じように重要な意味をもつのはビタミンB群(ビタミンB6・ビタミンB12など)です。

ビタミンB群は、猫にとって以下のメリットがあります。

  • 神経系を正常に保つ・・・細胞の活動に必須。不足すると、脚気や歩行障害などのトラブルが発症しやすくなる
  • 免疫を維持する・・・不足すると病気にかかりやすくなったり、重症化しやすくなったりするなどのトラブルを招く
  • 消化器系の機能を保つ・・・不足すると、皮膚炎、口腔粘膜潰瘍、下痢などのトラブルを招きやすくなる

ビタミンB系の栄養素は、肉・レバー・卵などに多く含まれています。疲労回復や貧血の予防におすすめです。

3. 猫にとっての豚肉のデメリット

豊富にたんぱく質やビタミンB群を含んでいるにもかかわらず豚肉がキャットフードの主原料としてあまり用いられていない理由を、デメリットから確認していきましょう。

主なデメリットは、2点あります。

3-1.  脂質が高い

豚肉は、鶏肉などの他の肉類に比べて脂肪分が多いです。

脂肪分が多いことは、以下のトラブルの原因になる可能性があります。

  • 肥満
  • 動脈硬化

特に肥満に関しては、免疫低下・糖尿病・高血圧・関節炎など、さまざまなトラブルを引き起こす要因になります。

現代の飼い猫は運動不足になりがちのため、肥満のリスクを高めることは大きなデメリットといえるでしょう。

また、豚肉は多くの脂質を含んでいるため、他の肉類と比較してたんぱく質の含有量が多くありません。

つまり、栄養バランスの点では、鶏肉の方が優れていることを意味します。

3-2.  ナトリウム含有量が多い

猫は、腎臓機能が弱い傾向があります。

ナトリウム含有量の多い豚肉を継続的に摂取すると、腎臓に大きな負担がかかるでしょう。

腎臓への過負荷が続くと、高ナトリウム血症の発症を招きます。

高ナトリウム血症の軽度な症状は喉の渇きですが、最悪のケースでは死に至る危険な病気です。

4. 猫にとっての生豚肉の危険性

脂肪やナトリウムの過剰摂取など、栄養面でのデメリットの効果が現れるのは、長期的に継続摂取をした場合です。

ただ、生の豚肉を愛猫に与えたときには、そのリスクがすぐに現れることもあります。

この章では、猫にとっての生豚肉の危険性を解説します。

4-1.  トキソプラズマ症のリスク

トキソプラズマ症とは、寄生虫のトキソプラズマに感染する病気です。

トキソプラズマは、十分に加熱処理されていない豚肉の中に多く含まれています。

猫の場合、トキソプラズマ症は無症状であることが多いですが、発症すると猫風のような症状(発熱・リンパの腫れ)・慢性の下痢などの症状が現れます。

何よりも怖いのは、愛猫がトキソプラズマ症に感染すると、人にもうつるリスクが生じることです。

特に、妊婦さんにトキソプラズマ症が感染すると、流産や胎児の先天性トキソプラズマ症を引き起こすリスクがあり、非常に危険です。

※先天性トキソプラズマ症の4大リスク

  • 水頭症
  • 視力障害
  • 精神運動機能障害
  • 脳内石灰化

4-2.  トキソプラズマ症だと診断されたら・・・

もし、生や十分に火が通っていない豚肉を愛猫が口にしてしまった場合、すぐにかかりつけの動物病院を受診しましょう。

人への感染リスクがあるため、無症状であっても早急に受診するよう心がけてください。

ただし、トキソプラズマ症の診断は一般的な診療ではないため、事前に検査が可能か問い合わせをしてから動物病院を受診すると良いでしょう。

検査の結果は、数日で判明します。

もし、検査結果が陽性(トキソプラズマ症に感染している)の場合は、特に妊婦の飼い主さんは注意が必要です。

  • 愛猫の便を触らない
  • 愛猫が便をした後、24時間以内にトイレを掃除する
  • 愛猫の便に汚染された土やほこりなどを触らないようにする

上記を意識し、飼い主さんへの感染を徹底的に防ぎましょう。

その他、詳細は動物病院の獣医師の指示に従ってください。

また、トキソプラズマ症の最大のリスクは十分に火が通っていない豚肉ですが、他の猫との接触や拾い食いなどにより感染するリスクもあるため、愛猫を家の外に出さないように注意しましょう。

5. 猫に豚肉を与える際の適切な方法

猫に豚肉を与えるためには、適切な方法を理解しておくことも重要です。

この章では、愛猫に豚肉を与える方法をご紹介します。

5-1.  おやつとしての適量を与える

豚肉は脂肪分が多く、たんぱく質の含有量も鶏肉より劣り、消化もあまりよくありませんので、メインの食べ物としてはあまり適していません。

したがって、主食として与えるのではなくご褒美としてのおやつやキャットフードのトッピングとして与える方法が理想的です。

脂肪分の多さなど、栄養バランスは部位により異なります。

ロースの場合は、脂身の多い部分を使用しないように注意しながら、2~3cm²のように少量与えます。

部位ごとの脂の量は、以下のとおりです。

  • 肩・ヒレ・・・脂身がほとんどない
  • ロース・・・脂身が中程度
  • バラ・・・脂身が多い

また、ビタミンB群の補充のためにレバーを与える場合は、ビタミンA欠乏症のリスクも高いため、さらに慎重に分量を計測する必要があります。

5-2.  火を通す

与える肉の部位にかかわらず、火を十分に通すことを意識しましょう。

生の豚肉を与えることは、トキソプラズマ症感染のリスクに直結するためです。

また、トキソプラズマ以外にも生の豚肉にはさまざまな細菌やウイルスが存在している可能性があります。

  • 細菌・・・サルモネラ菌・カンピロバクターなど
  • ウイルス・・・E型肝炎

これらに感染すると、下痢や吐き気などの体調不良を招くリスクがあるため、お肉に十分火が通っていることを確認してから、猫に与えましょう。

また、火を加えるのと同じように重要なのは、人間用の味付けをしないことです。

特に塩分については腎臓への負担が大きくなることや、使用するメリットがほとんどないことから、使用しないようにしましょう。

5-3.  骨付き肉は骨をキレイに取る

猫が豚肉の骨を好んでかじることがあります。

猫はたんぱく質の匂いに食欲を喚起されるため、豚の骨から漂うお肉の匂いに魅力を感じているのでしょう。

ただし、豚の骨は非常に危険です。

豚の骨はとても固く、また猫がかじると先端がとがって、喉に刺さりやすくなるためです。

万が一、とがった豚の骨が喉の奥に深く刺さってしまうと、大けがにもなりかねません。

したがって骨付き肉を与える際には、必ず事前に飼い主さんが骨をキレイに取り除いてから、愛猫に与えるように徹底してください。

6. 猫の主食は栄養バランスの取れたキャットフードがオススメ

愛猫に豚肉を与えることは一長一短ですが、栄養バランスの優れたキャットフードで栄養をまかなうのが理想的です。

なぜなら、優れたキャットフードは栄養バランスが過不足なく計算されており、体を整えるのに適しているためです。

ただし、どんなに栄養バランスに優れていても愛猫が喜んで口にしなかったり、途中で飽きて残してしまったりするようなキャットフードでは、栄養面が不足する可能性があります。

そこで、意識したいのは猫が喜んで口にするキャットフードを与えることです。

例えば、日本ペットフード株式会社の「ビューティープロ」は、猫が喜ぶチキン味もしくはフィッシュ味の2種類が用意されています。

また、より味わい深いものとなるように、牛肉や豚肉の粉成分も配合しています。

一般的に、猫は香りによって食欲を喚起されると言われています。

特に、動物のたんぱく質の香りに対して猫はとても敏感なので、肉類や魚類を主原料としたキャットフードである「ビューティープロ」に対して強い食欲を示すでしょう。

栄養バランスに対しても十分に配慮がされているため、栄養豊富なフードを求めている方には、「ビューティープロ」がオススメです。

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また、留守番やしつけなどのご褒美として、豚肉をおやつに与えたい方もいらっしゃるでしょう。

この場合は、嗜好性が重要になるため、もし愛猫が豚肉を好んでいるなら与えても問題ありません。

「より愛猫の喜ぶおやつを与えたい」

「腎臓への負担が気になる」

上記のようなおやつへのこだわりを感じている飼い主さんは、日本ペットフードの「コンボ プレゼント キャット おやつ 腎臓の健康維持 お肉ミックス味42g(14袋)」もオススメです。

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また、おやつでありながら腎臓への負担が考慮されているなど、健康面に配慮している点も非常に大きな魅力です。

上記のように、豚肉を与えるのはあくまでもオプションのひとつとして、普段の食事の栄養バランスや食いつきを意識しましょう。

7. まとめ

肉食動物である猫は、豚肉を食べてたんぱく質やビタミンB群などの貴重な栄養素を吸収できます。

疲労回復や貧血防止におすすめです。

猫にとって、豚肉に含まれるこれらの栄養素は非常に重要です。

豚肉は加熱すれば猫に与えて大丈夫です。

ただし、豚肉にはデメリットもあります。

特に大きな問題が豚肉に含まれる脂肪とナトリウムの問題です。

また、生の豚肉にはトキソプラズマという寄生虫がいますので、猫は無症状のケースが多いですがトキソプラズマ症の対策のため、しっかりと火を通すことも忘れてはいけません。

したがって、猫にとって適量を安全な形で提供できる場合のみ、豚肉を与えられます。

愛猫の栄養面を手軽にしっかりとサポートしたい方は、栄養バランスの優れたキャットフードも、選択肢のひとつとなるでしょう。

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