猫にとって大豆は健康にいいの?オススメの摂取方法とは?
#大豆 #猫に大豆「猫に大豆を与えてもいいの?」
より健康的なフードを飼い猫に与えようといろいろと考えて、上記の疑問を抱いている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
「畑のお肉」とも言われる大豆は、たんぱく質を豊富に含んでいます。
脂質も低く、私たち日本人にとってはとても貴重なたんぱく源です。
しかしながら、猫と人間とでは身体のつくりが違うため、人間と同じように摂取できるわけではありません。
結論から言えば、適切な調理をして適量を守れば、猫に大豆を与えても大丈夫です。
しかし、さまざまな注意点があります。
この記事では、ペットフードメーカーとして60年以上の実績をもつ「日本ペットフード株式会社」が、猫に大豆を適切に与える方法について解説します。
1. 猫に生の大豆を与えてはいけない理由
大前提として、猫に生(調理されていない状態)の大豆を与えるのはNGです。
また、節分用の豆のように軽く煎った状態のものも同様に、猫には与えるべきでない食べ物です。
この章では、調理前の大豆を与えることがNGである理由と、猫にとっての大豆のデメリットを解説します。
1-1. 消化不良を起こしやすい
肉食動物である猫は、穀物である大豆の消化があまり得意ではありません。
柔らかく茹でてペースト状にしたり、豆腐などのように加工された商品を使用したりすることで多少消化しやすくなるものの、調理・加工前の状態の大豆は、猫にとってはとても消化しづらいものです。
また、猫は食べ物を丸飲みすることが多いため、粒のまま与えると喉や消化器官につまらせたり、固形のままと一緒に出てしまったりすることもあるでしょう。
結果的に、以下のトラブルの要因となります。
- 下痢
- 嘔吐
- 体調不良
- 便秘
したがって、大豆を固形のまま与えることは厳禁です。
1-2. アレルギーのリスクがある
大豆は、猫にとってアレルゲン(アレルギー要因となる物質)になりやすい食べ物でもあります。
猫の食物アレルギーはたんぱく質に反応することが多いため、たんぱく質を多く含む大豆はそのリスクが高いということです。
猫の食物アレルギーは、以下の症状を引き起こします。
- 皮膚のかゆみ
- 嘔吐や下痢などの消化器官のトラブル
- 発熱やむくみ
- 脱毛・毛並のトラブル
また、症状が現れたときに対処が遅れると、皮膚炎や他のアレルギーの誘発など、より深刻な症状を引き起こします。
1-3. 腸内にガスがたまる
大豆や肉類などのたんぱく質を多く含む食事をしていると、腸の蠕動運動がみだれて腸内にガスがたまりやすくなります。
程度の軽いうちは、すこしオナラが出やすくなる程度で大きな問題にはなりませんが、偏った食生活を続けていると、腸のハリから元気がなくなったり、食欲が減退してしまったりすることがあります。
また、腸内にガスがたまっていると、別の要因で動物病院を受診した際に、レントゲンの映像が映りにくくなるなどのリスクもあるため、食生活の偏りに注意しましょう。
2. 調理済みの大豆を猫に与えるメリット
栄養価の高い大豆は、猫にとってメリットのある食材でもあります。
この章では、猫に大豆を与えるメリットを3つの側面から解説します。
2-1. アミノ酸をバランスよく摂取できる
大豆は、アミノ酸のバランスが極めてすぐれている食べ物です。
アミノ酸バランスがすぐれていると、摂取した際に効率よく体内にアミノ酸を吸収し、たんぱく質として吸収できるというメリットがあります。
アミノ酸のバランスは、アミノ酸スコアという数値で表されますが、大豆のアミノ酸スコアは肉類・牛乳・チーズなどの動物性たんぱく質と同じ100です。
植物性のもので、大豆ほど効率よくたんぱく質を摂取できるフードは他にありません。
2-2. 身体に良い成分が豊富
大豆には、アミノ酸(たんぱく質)以外にも、猫の体調を整えるために必要な栄養素が多く含まれています。
- 大豆イソフラボン・・・適量を摂取することで、体内の活性化酸素を除去する働きがあります。その結果、内蔵機能の機能低下や老化などを防ぐ働きが期待できます。
- カルシウム・・・カルシウムは、猫にとってじょうぶな骨や歯を形成するために必要な栄養素です。カルシウムには、身体の成長を助ける働きもあります。
- レシチン・・・細胞の働きを活性化しコレステロールを下げるレシチンには、老化防止の働きがあるとされています。大豆は、レシチンが多く含まれる食材として一般的にもよく知られています。
- 脂質・・・近年の飼い猫は、肥満リスクが懸念されることが多いです。
それでも、脂質は猫にとって三大栄養素の一つです。
大豆に含まれる脂質は、多価不飽和脂肪酸といって悪玉コレステロールを下げる良質なものなので、健康的に脂質を摂取できます。
上記のように、大豆だからこそ摂取できる栄養素が豊富にあるため、大豆を摂取することはとても意義のあることです。
2-3. ダイエットに効果的
大豆は、低カロリー高たんぱくなので、ダイエットに効果的です。
キャットフードには、大豆やトウモロコシなどが配合されたものが多いですが、その理由の1つとしてカロリーや脂質をコントロールしやすいこともあげられます。
また、大豆には上述の通り肥満防止のメリットもあるため、ダイエットにはより効果的です。
3. 猫に与える場合の大豆のオススメの加工・調理法
猫に大豆を与える場合、加工や調理をしたものを与えることになります。
この章では、猫に大豆を与える場合の調理・加工法を解説します。
3-1. 豆腐
豆腐は、猫にとってベストな大豆の与え方の一つです。
木綿豆腐・絹豆腐・卵豆腐とさまざまな種類があり、それぞれ栄養素が異なりますが、基本的にどれを与えても問題ありません。
豆腐には、大豆には含まれないオリゴ糖も含まれており、腸内環境をキレイにしてくれる作用もあります。
メリットの大きな豆腐ですが、過剰摂取はNGです。
適量であれば、豆腐摂取により悪玉コレステロールを減少させる働きがありますが、摂取量が多くなりすぎると善玉コレステロールも減少し、コレステロールのバランスが悪くなります。
また、豆腐に含まれるフィチン酸という成分は過剰摂取をすることで、猫にとって必要なミネラル成分を体外に排出してしまいます。
なお、与え方の注意点として、塩や醤油などの調味料を加えないようにしてください。
調味料をプラスすることで、塩分など猫にとって害となる成分を多く摂取することにつながるためです。
3-2. 豆乳
豆乳は、豆腐に含まれるたんぱく質やミネラルなどの栄養素を効率よく与えられる食べ物です。
成分無調整のものであれば、与えても問題ありません。
ただし、加糖されたものなど、成分が調整されたものは猫にとっては健康的でない場合が多いです。
また、豆乳ヨーグルト・豆乳ホイップなどの豆乳を用いた加工品についても、砂糖や塩を含んでいないものを選んでください。
猫用に市販されている豆乳クッキーは、適量であれば与えても問題ありません。
ただし、人間用の豆乳クッキーは、猫にとって害となる糖分・塩分が多いためNGです。
3-3. 納豆
納豆は、猫が問題なく食べられる大豆製品です。
発酵により消化しやすくなっているためです。
また、以下のメリットもあります。
- ビタミン類・ミネラル類が豊富に含まれている
- 血液をさらさらにするナットウキナーゼが含まれている
- 食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境の改善や便秘改善の効果が期待できる
納豆も、他の大豆から作られた食べ物と同じように与えすぎはNGですが、適量であれば多くのメリットがあります。
醤油・塩・からしなどは加えずに、そのまま与えましょう。
3-4. きなこ
きなこ自体は、大豆を粉状にしたものなので、与えても問題ありません。
粉の状態でそのまま好んで食べることは少ないと思いますが、きなこクッキー・きなこミルクなどの形で安全かつ健康的にきなこを与えられます。
クッキーやミルクに糖分などの調味料やスパイスが含まれていないことを確認したうえで、適量を与えてください。
ただし、きなこのおもちはNGです。
おもちは喉につまりやすく糖質も多いことから、猫用のフードとしては適していないためです。
4. 猫にとっての大豆の適量とは?
猫に大豆を与える際には、適量を知ることが非常に重要です。
どんな形で与える場合であっても、摂取量が多すぎる場合にはメリットよりもデメリットが大きくなります。
前提として猫に与えても良い大豆の量は、ごく少量であることを理解しておきましょう。
・子猫
子猫に与えても良い大豆の分量は、ごく少量です。なぜなら、子猫は消化器官が未発達であり消化不良を起こしやすいためです。また、万が一消化不良を起こした場合に身体の負担が非常に大きく、危険であるという理由もあります。おやつを与える際に、ごく少量のきなこや豆腐を混ぜる程度にとどめましょう。
・成猫
成猫だからといって、大量に与えても問題ないというわけではありません。豆腐・きなこ・豆乳などどのような形で与えるにせよ、目安の分量はスプーン1杯程度です。キャットフードのトッピングとして、あるいはおやつとして与えてください。
・高齢猫
猫は、高齢になると消化機能が弱ってくるため大量の大豆製品の摂取が負担になる可能性が大きいでしょう。与えたときの様子などを考慮しながら、少量ずつ与えたり、あるいは数日おきに与えたりするなどの工夫をしてください。
上記の分量は、あくまでも目安です。
例えば、体調不良のときや疲れているように見える場合などは、大豆製品は与えない方が良いでしょう。
もし判断を迷うときには、かかりつけの動物病院に相談するなどの対策をしてください。
5. 適切に猫に大豆を与える方法
この章では、飼い猫に健康的に大豆を与える方法を解説します。
参考にしていただくことで、より猫の健康状態について適切な配慮ができるでしょう。
5-1. 大豆を含むキャットフードを与える
特に、ダイエットをさせたい飼い主さんにオススメの方法が、大豆を配合したキャットフードを与えることです。
鶏肉や魚を主原料としつつ、大豆を配合したフードを与えることで、脂質やカロリーを抑え効率的にたんぱく質を摂取できます。
また、主原料がチキンや魚で作られていることで、猫が喜んで食べる可能性が高い(食いつきが良い)というメリットもあります。
特にオススメの商品は、日本ペットフード株式会社の「コンボ キャット 肥満が気になる猫用 まぐろ味・かつお節・小魚添え」です。
このシリーズでは、27%以上の高たんぱくと低カロリーを両立した人気の商品です。
脱脂加工大豆を配合することで、カロリー・脂質を抑えながら大豆のメリットを効果的に摂取できるため、ダイエット中の猫にとてもオススメです。
おすすめのキャットフードはこちら
コンボ キャット 肥満が気になる猫用 まぐろ味・かつお節・かつおチップ添え
●おいしさそのまま低脂肪。(まぐろ味かつお節・小魚添え比10%カット)
●食物繊維配合で満腹感アップの肥満が気になる猫用。
●避妊・去勢後にもおすすめ。
●下部尿路の健康維持に配慮した、低マグネシウム設計。(マグネシウム含有量0.12%:標準値)
5-2. 調理・加工済みの大豆をおやつとして与える
大豆をそのまま粒の形で猫に与えることはまずありません。
飲み込みやすく消化しやすいように、豆腐や納豆のように調理・加工されたものを使用します。
猫にとっての大豆の適量は決して多くないため、メインの食事としてはなかなか使用できませんが、フードのトッピングやおやつには最適です。
もし、飼い猫が喜んで大豆製品を食べるなら、フードやおやつのトッピングとして工夫しながら与えてください。
一方で、特に大豆製品を好んで食べない場合にはあえて苦労をして大豆製品を与えなくても良い場合もあります。
かかりつけの動物病院の獣医師などからアドバイスがあった場合は別ですが、あらかじめ栄養バランスが整えられたものやダイエット用のものなどがキャットフードとして市販されているため、これらのキャットフードを選べば問題がクリアになる可能性が高いです。
6. まとめ
猫は、肉食動物ではあるものの、栄養価の高い大豆のたんぱく質を消化して吸収できます。
雑食の人間ほど大豆をうまく消化・吸収できるわけではないため、与え方や分量に工夫は必要ですが、大豆は猫にとっても貴重なたんぱく源です。
また、脂肪分が少ないことやミネラル・酵素などの栄養素を含んでいることから、単なるたんぱく源としてのメリット以上のものを大豆には期待できます。
固い粒状のまま与えないこと・砂糖や塩などで味付けしないこと・与えすぎないことなどに注意して、大豆製品を与えてみてはいかがでしょうか?
また、ダイエットが気になる方や栄養バランスをより整えたいとのお考えの方には、キャットフードを変更するという選択肢もあります。
原料の一部に大豆を用いているものもありますので、一つの選択肢として検討してはいかがでしょうか?
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