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猫の水分補給方法とは?水分の重要性と与え方を解説

#猫の水分補給

特に暑い時期が近づいてくると、ペットである猫の熱中症や水分不足による体調不良などが気になってくる方も多いのではないでしょうか?
ご自身のペットである猫は、きちんと水分補給ができているでしょうか?
猫にとって水分は体の機能を維持するために必要不可欠なものです。
従って、水分補給は非常に重要です。
とはいえ、猫は大量に水分を必要としないという身体的な特徴も持っています。
だからこそ、水分不足にならないように調整するのが難しく知らないうちに重度の脱水症状になっていたということもあります。
この記事では、猫にとっての水分補給の重要性を踏まえ、適切な水分補給の仕方やうまくいかないときのコツについて解説します。

1.猫はそもそも水をあまり飲まない

猫は、そもそもそれほどたくさんの水を飲む動物ではありません。

元々、野生で生活していたときに猫は砂漠で暮らしていたということもあり、少量の水でも生きていくことができます。

猫が1日にどれだけの量の水を必要としているかというと、体重1kgあたり20~45ml程度。猫の平均的な体重は5kg程度なので、だいたい100~225ml程度ということになります。

つまり、猫は1日にコップ半分から1杯程度の水分で十分に生きていけるということになります。

1日に必要な水の量がコップ1杯程度だとすれば「そこまで少なくはないのでは?」と感じるかもしれませんが、猫は水を飲む以外にも食べ物からも水分を摂取しています。

カリカリのドライフードでさえ、10%程度の水分を含んでいるため、実際に飲用水として飲む量は、コップ1杯よりもずっと少なくなります。

また、缶詰やウェットタイプのキャットフードなどには水分が多く含まれているため、生活環境やライフスタイルによっては、意識して水を飲まなくても水分が足りる場合もあります。

補足

人間の場合でも、1日に必要な水の量は3.5L程度と言われていますが、食べ物から水分を摂取できるため実際に飲み水として摂取すべき量は2L前後です。

猫の場合も食べているごはんやおやつのメニューによって異なりますが、「必ずしもコップ1杯の水を飲んでいなければダメ」というわけではないことはしっかりと理解しておくと良いでしょう。

2.猫にとっての水分補給の重要性

必要な水分量が少ないからといって、水分補給をないがしろにしてよいというわけではありません。

環境省が発表している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」によると「水は猫の体の60~80%を占める重要な成分です」と記載されています。

この章では、猫にとって水分補給がなぜ重要なのかについて解説します。

2-1. 猫は脱水症状になりやすい

猫は、上述の通り、水の摂取量も消費量も少ないという特徴があります。

消費量が少ないため、水をたくさん飲む必要はありませんが、ちょっとしたことですぐに脱水症状を招いてしまうというリスクがあります。

例えば、下痢や嘔吐、腎臓の病気などになった場合、猫の体内から水分が失われ、脱水症状につながってしまうリスクが高まります。

他にひどい夏バテや口の中のケガ、体調不良などでも水を飲まなくなってしまうことがあります。

水を飲んでいないように見えても、ごはんなどから必要な水分を摂取できている可能性があるので、最初に必要なことは脱水症状を引き起こしているのかどうかをきちんと見極めることです。

脱水症状が軽度な場合、いつものおしっこの量が少なくなり濃い色になります。

トイレがお砂の場合は確認しづらいです。白い猫砂やペットシート、システムトイレを利用することがおすすめです。

脱水症状が重度になると、首の後ろをつまんで離したときに、皮膚がすぐに元通りにならなかった場合、脱水症状になっている証拠です。

また、脱水症状になってしまうと、食欲不振になり、ぐったりとして元気がなくなってしまいます。

脱水症状が重くなり、体の水分が10%以上失われると、生命にもかかわる可能性があるため、異変に早急に気づき、対処することが大切です。

2-2. 猫は腎臓や猫下部(膀胱・尿路)の病気になりやすい

脱水症状が長く続くと、病気につながってしまうこともあります。

脱水症状とかかわっている病気・疾患としては次のものがあります。

  • 腎臓病(急性腎不全・尿毒症など)
  • 猫下部(膀胱・尿路)の病気(尿路結石症・膀胱炎など)
  • 熱中症

水は、体温や体の機能を一定に保つために重要な役割を果たしているため、不足してしまうと体の不調に直結してしまうということです。

病気や疾患を発症してしまった場合や、兆候が見られる場合には、一刻も早く動物病院に行って対応方法を相談するべきです。

また、熱中症については、次のように対処します。

① まず、涼しい場所に移動(もしくはエアコンを使用するなど室内環境を涼しくします)

② 水分補給(ぐったりしていて動きが遅い場合は、スポイトで与えるなどの対策を!)

③ 猫の体を冷やしてあげる(濡れタオルで体を冷やしたり、うちわで体を仰いだりします)

④ 上記で症状が改善できない場合には、できるだけ早急に動物病院を受診する

3.猫が水を飲まなくなるのはどんな時?

本来、猫は必要量の水を自分から飲みます。人も水分が不足すると喉が渇いてくるように、猫も水分が不足すると自然と水を欲しがります。

従って、必要量の水を飲むはずの猫が水を飲みたがらない時には何らかの理由があります。

考えられる主な原因は次の通りです。

・夏バテ

ひどい夏バテの場合には、食欲不振に加えて水も飲まなくなってしまいます。エアコンを入れたり、マットを使用したりするなど、猫の体温調節を行ったうえで、水分補給を行いましょう。夏バテでぐったりしている場合には、救急で動物病院を受診しましょう。

・水の味やにおいが気に入らない

水自体が古かったり、イヤな匂いがついていたりする時には、猫が味を嫌がって水を飲みたがらないことがあります。この他、器が気に入っていないケースも考えられます。

・病気の前兆

急に水を飲みたがらなくなったり、反対にがぶ飲みするようになってしまったりしたときには、病気の前兆であることが疑われます。懸念されるのは、糖尿病や腎臓の病気です。

以上のように、猫が水を飲まなくなるときは何らかの異常が生じている可能性があります。

猫は症状を隠し、急に悪化することがあります。

日ごろから飼い主さんは猫の様子を注意深くチェックすることと、水分補給ができるように働きかけをすることが予防と病気の早期発見にとってとても大切です。

状況を的確に判断し、冷静に対処するようにしましょう。

4.猫の水分補給の基本

この章では、猫の水分補給の基本的な対応方法について解説します。

少量で良いにもかかわらず、不足してしまうと非常に重い症状が出ることもある猫の水分補給問題は、飼い主さんにとっても非常にデリケートな問題です。

しかしながら水分補給の方法の基本を押さえておけば、飼い主さんの不安も解消していただけるはずです。

4-1.  いつでもきれいな水が飲めるようにしておく

猫は、必要なときに必要最小限の水を飲む動物です。

また、猫は非常にきれい好きで神経質な動物でもあります。これらの特徴を踏まえて、猫が新鮮なお水をおいしく飲むための環境を準備します。

特に注意したいのは、猫の飼い主さんが見落としがちなポイントを4点紹介します。

ポイント

  • 猫に与える水は、常に容器に入れておく →猫が「欲しい」と思ったときにいつでも飲めるようにしておくため
  • 水は常に新鮮できれいなものを用意する →古い水や傷んだ水は飲まない可能性があるため
  • 水は水道水でOK。ミネラルウォーターを与える場合は軟水のものを使用する →硬水とは、カルシウムやマグネシウムなどの含有量が多い水のことです。硬水は、消化が悪く、猫の腎臓に負担がかかってしまうため、猫に与える水は軟水が適しています。日本国内の水道水や国産のミネラルウォーターはほとんどが軟水です
  • 水を飲める箇所を1か所ではなく複数用意しておく →複数個所あることで、猫が自然と水を飲むようになります

近頃は、流水タイプの水のみ器を利用するのもおすすめです。

猫は、几帳面でキレイ好きなので、水の与え方にしてもできるだけきれいに環境を整えてあげることが大切です。

4-2. 食事やおやつで水分を補給

水分は、水だけではなく食事やおやつから補給することもできます。

(一般的な食事に含まれる水分量の目安)

・ドライフード・・・全体の約10%

・ウェットフード・・・全体の約80%

※次の章で説明しますが、ドライフードを水やぬるま湯でふやかして、水分量を増やす方法もあります。

水分補給のひとつは、缶詰やウェットフードを食事やおやつとして与える方法です。

缶詰やウェットフードには水分もたくさん含まれていますので、効率的に水分補給ができます。

栄養バランスの取れたキャットフードを摂取している場合、特に意識的におやつを与える必要はありませんが、ご褒美のおやつとしてを与えることも、水分が不足しないための予防策として効果的です。

また、子猫や老猫の場合は、ミルクで水分を補う方法もあります。

食欲不振時には、水分と栄養の両方が補給できるためおすすめです。

5.猫の水分補給がうまくいかないときの対処法

普段であれば、放っておいても猫は勝手に水分を摂取するものですが、時には猫が水分を欲しがらないときもあります。

そのようなときにどのように対処すればよいのかについて解説します。

5-1. ドライフードを水やぬるま湯でふやかす

ドライフードを水やぬるま湯でふやかすことで、水分を加える方法があります。

ドライフードの水分量はだいたい10%程度ですが、水分を足すことで必要な水分を効率よく摂ることができるようになります。

また、ぬるま湯でふやかすことで香りが立つというメリットもあります。

猫はにおいに敏感なので、香りによって食欲が増すこともあります。スープ系のウェットフードをかけて与えるのもおすすめです。

5-2. 高品質なウェットフードを

ウェットフードは、8割くらいが水分なので、別途水を飲む必要がないほどの水分が含まれています。

さらに、高品質なウェットフードであれば、味もおいしく、さらに栄養バランスも優れているものです。

ウェットフードのなかでも水分補給にもっとも優れたスープタイプは、愛猫にとっても飼い主さんにとってもうれしい製品です。

5-3. スポイトなどの道具を使用する

どうしても猫が水分を摂らない時には、スポイトやチューブなどの道具を使用することもあります。

チューブは、動物病院での処方が必要ですが、スポイトであれば家庭でも使用できます。

スポイトを使用するのは、主に病気が心配されるときです。

猫の口にスポイトの先をあてて、そのまま水分を流し込みます。注意点は、猫が飲むスピードにきちんと合わせてあげなければならないことです。

また、無理強いすると、猫にとってストレスになってしまいます。

スポイトで水をあげるときには、根本的な原因の解決も必要であるため、状況に応じてすぐに動物病院を受診するなど、猫の健康を第一優先で考えましょう。

5-4. 動物病院を受診する

色々試しても全く猫が水を飲もうとしないときには、動物病院に受診して専門家である獣医師の先生の話を聞くことも大切です。

もしかすると病気の兆候が隠れているかもしれませんし、反対に食事などから十分に水分が摂取できているために水を飲まなかっただけのケースもあります。

万が一病気が見つかったら・・・、と考えてしまうと恐怖心もあると思いますが、早期に発見し、対応することで重症化するのを防ぎ、早期回復につながるケースも珍しくありません。

なにより、専門家の話を聞くことで飼い主さん自身が精神的に安定できることが非常に大きな魅力です。

 

6.まとめ

猫は、それほど多くの水分補給を必要としない動物ですが、だからと言って水分が必要でないわけではありません。

水分は、猫の健康や生命を維持するために不可欠なものです。

そして、水分不足から脱水症状を起こしてしまうと、熱中症や腎臓・猫下部(尿路・膀胱炎)などのさまざまな病気の原因になってしまうこともあります。

通常、健康な猫は自分から水を欲しがりますが、水を欲しがらない状況の時には次の対策が効果的です。

・ドライフードを水やミルクなどでふやかす

・缶詰やウェットフードを使用する

このように飼い主さん自身が猫の水分補給を強く意識することで、今後の暑い夏も元気にかつ快適に過ごせるようになります。

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