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高齢猫がごはんを食べない時にはどうすべき⁉原因と対策を解説

#高齢猫 #高齢猫がごはんを食べない

「高齢の愛猫がごはんを食べないんだけど、大丈夫かな?」
「高齢猫がごはんを食べないときの原因は何なの?」
「高齢猫がご飯ごはんを食べなくなったらどうしたらいいの?」
ペットがごはんをあまり食べなくなってしまうと心配になるものですが、それが高齢の場合にはなおさら心配になるのではないでしょうか。
また、高齢シニア期に入った老猫がごはんを食べないのは仕方がないことなのか、それともなにか病気などの原因があるのでは?と対応に悩まれている方も少なくないでしょう。
この記事では、高齢猫がごはんを食べないときの原因と対処法、動物病院に行くべきかどうかの判断基準について、ペットフード会社の見地をまじえて解説します。
高齢の愛猫がごはんを食べなくなってしまって困っている方は、ぜひ参考にしてください。

1.高齢猫がごはんを食べない原因とは?

急に猫がごはんを食べなくなってしまったときには、何かしら原因があるものです。

若い猫や成猫であれば、急に好みが変わってしまったり、発情期を迎えてしまったりということもありますが、高齢猫の場合にはどのような原因が考えられるのでしょうか?

この章では、高齢猫がごはんを食べなくなる5つの要因について解説します。

​​​​​​​1-1. 基礎代謝の低下

最初に考えられる要因は、加齢による基礎代謝の低下です。

基礎代謝とは、特別に運動やカロリー消費をしなくても生きるために必要なエネルギー量のことです。

例えば、臓器の健康な働きを維持したり、体温を調整したり、呼吸をしたりするために、動物は必ずカロリーを消費して活動をおこないます。

加齢により基礎代謝が下がってしまう大きな要因は、加齢とともに筋力量が下がってしまうことです。

また、成長期が終わり、細胞の成長が緩やかになると、年齢を重ねるごとに基礎代謝が下がるという事実もあります。

そして、一般的には基礎代謝の低下に比例して、食欲も落ちてしまうので、加齢とともに食欲が減退してしまうということになります。

また、運動不足の場合には筋力の低下が顕著になるので、十分に注意をしましょう。

​​​​​​​1-2. 噛む力が衰えてしまった

加齢により、歯が弱くなってしまったり、顎の力が衰えたりすることが原因でうまくものが噛めなくなってしまう猫もいます。

特に、ごはんとしてカリカリ(ドライフード)や硬いものを与えている場合は、ごはんを噛めなくなってしまったり、吐き戻しをしてしまったりすることがあります。

​​​​​​​1-3. 口内の影響(口内炎・歯周病・口の中のケガなど)

口内炎や歯周病・口の中のケガなど、口の中にトラブルが生じているときには、痛みからあまりものを食べなくなってしまうことがあります。

◇口内炎

猫は、高齢になるとよだれの分泌量が減り、口内の殺菌力が弱まりやすい傾向があります。また、歯周病やウイルス感染症などの病気を発症することで、口内炎が発症しやすくなることもあります。いずれにせよ、高齢になると猫は口内炎を発症しやすくなることに注意しておくことが大切です。

◇歯周病

猫は、口腔環境がアルカリ性になりやすく、人間よりも歯周病を発症しやすい特性を持っています。特に高齢猫の場合は、歯周病になりやすいので注意が必要です。歯周病は、歯についた細菌から毒が出て、歯茎などに炎症を起こしてしまう状態のことです。歯周病になると、よだれや口臭がひどくなってしまい、重度の時には歯が抜けてしまうことにもなります。一旦歯周病が悪化してしまうと、動物病院で手術をしなければならないこともあるので、早期の予防が大切です。

◇口の中のケガ

口の中のケガは、高齢猫に限ったことではありませんが、よだれの量が多かったり、口臭が強かったりするときの原因として口内にケガをしている可能性もあります。

​​​​​​​1-4. ストレス

高齢猫がごはんを食べなくなってしまったときに考えられる要因の4つ目は、ストレスです。

的なストレス要因としては、引っ越しや環境の変化、新しい家族やペットの増加などが挙げられます。

他にも、飼い主さんとのコミュニケーション不足による寂しさや、動物病院に行くことなどもストレス要因になります。

このように、猫はストレスに対して敏感な動物であることを理解して、できるだけ普段と同じ生活を続けられるように意識することが大切です。

​​​​​​​1-5. 病気・脱水症状など

猫は病気や脱水症状により、ごはんをあまり食べなくなることもあります。

◇病気

高齢猫の食欲が減退する原因としては、消化器系や腎臓・肝臓の病気・ウイルス性の病気・熱中症・肺炎・貧血など数多く考えられます。

病気が疑われる場合には、飼い主さんが自分で判断するのではなく、獣医師の先生に受診して指示を仰ぐようにしてください。

◇脱水症状

猫は、元々あまり水をたくさん飲む動物ではありませんが、それでも必要な分量の水を摂取できていない時には脱水症状を招いてしまいます。脱水症状の結果として、元気がなくなってしまったり、食欲が減退してしまったりすることがあります。脱水症状が疑われる際には、早急に水分補給をするように対策し、どうしても水分が摂れない場合には、動物病院を受診しましょう。猫の水分補給については、「猫が水を飲まないときの原因・対策」の記事にて詳しく案内をしているので、ぜひ参考にしてください。

2.高齢猫がごはんを食べないときの対処法

高齢猫がごはんを食べなくなってしまったときの原因をふまえた上で、この章ではそれらの対処法について解説します。

高齢猫は成長期と比べて体力も衰退しており、ごはんを食べないことでさまざまなリスクを引き起こす可能性がありますので、ごはんを食べなくなってしまった原因を見つけ、できるだけすぐに対処することが大切です。

​​​​​​​2-1. ストレス原因を取り除く

高齢猫がストレスを感じていると疑われるときには、ストレス要因を取り除けるように対策しましょう。

ここでは、ポイント別に対処法について解説します。

・飼い主さんが家を留守にしがちで、高齢猫が寂しさを感じている可能性があるとき

高齢猫が安心できるようにおやつを置いたり、安心できる場所を作ったりします。例えば、使い慣れたおもちゃやタオルなどを置いておくことで、高齢猫にとっての「居場所」を作ってあげることができます。

スマートホームサービスなどを利用する。

スマートホーム関連のアプリやインターネット機器などを利用することで、外出先から高齢猫に対して声掛けをしたり、テレビ電話でコミュニケーションを取ったりすることができます。アプリの利用料金がかかってしまいますが、比較的安く利用できるサービスも登場しています。

・引っ越しをして不慣れな環境に高齢猫がストレスを感じているとき

元の家・部屋に戻ることは現実的に考えて無理だと思いますが、できるだけ元の環境に近い環境を用意してあげる姿勢が大切です。例えば、いつも使用している好みの毛布やタオル・おもちゃなどを与えるなどの対策が効果的です。

・家族やペットが増えた場合

複数飼いは、ペットにとって大きなストレスになります。

高齢猫の場合は、若い猫と違って強いアピールをしないこともありますが、ストレスを感じやすい状況であることに違いはないため、ストレスがかかることを前提に対応することが大切です。このとき、元からいる方のペットの対策を優先して、できるだけ居心地の良い空間を与えてあげるなどの対策をとりましょう。

家族が増えた場合に関しても、高齢猫の気持ちに配慮して、できるだけ別の部屋で過ごすように家族に協力してもらうなどの姿勢が大切です。

​​​​​​​2-2. ごはんの内容を工夫する

ごはんの内容を工夫することで、高齢猫の食欲が元通りに戻ることもあります。

高齢猫のポイントは、香り立ちがよく、消化吸収しやすく、少しの量でできるだけ多くの栄養が摂れるフードです。

◇やわらかいごはんを与える

噛む力が弱くなっている高齢猫に対しては、やわらかいごはんを与えることが効果的な対策になります。具体的な対策は次の通りです。

・ウェットフードを与える
※消化吸収や水分補給にもなるのでおすすめです。

・ドライフードにぬるま湯や猫用のミルクをかけたり温めたりしてふやかす
※ドライフードをふやかすことは、香りを立たせて猫の嗅覚を刺激するという点でも食欲増進の効果が期待できます。

◇年齢に合ったキャットフードを用意する

猫は、年齢によって噛む力、必要な栄養素、摂取すべき食材などが異なります。そして、年齢ごとにピッタリのキャットフードが発売されているので、ごはんの対象年齢があって合っていないとあまりごはんを食べてくれないことがあります。きちんと年齢に合ったキャットフードを用意しましょう。

◇おいしいキャットフードを与える

ごはんの好みが合わなかったり、単純に味がおいしくなかったりして、食欲が落ちていることも考えられます。高齢猫が「おいしい」と感じる「良い」キャットフードを与えるようにしましょう。

どんなキャットフードが「おいしい」と感じられるのかはなかなかわかりにくいポイントだと思いますが、猫は子猫の時に食べていたものを好んで食べるという習性があります。

例えば、子猫の時にチキン味のキャットフードをよく食べていた猫なら、チキンの風味のキャットフードを好むといった具合です。

【11歳以上】高齢猫向けのおすすめキャットフードはこちら

ビューティープロ キャット 下部尿路の健康維持 11歳以上

●結石に配慮し、マグネシウムを0.075%(標準値)に調整。
●カルシウムとリンを低減。(ビューティープロ キャット 成猫用比約30%カット)
●尿pH6.2~6.4(設計値)
●加齢とともに減少する成分、コエンザイムQ10配合。
●食べやすいハート型粒。
●着色料無添加。
●獣医師監修。
●総合栄養食。

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【15歳以上】高齢猫向けのおすすめキャットフードはこちら

ビューティープロ キャット 腎臓の健康維持 15歳以上

●腎臓の健康維持のために、カルシウムとリンを低減。(ビューティープロ キャット 成猫用比約30%カット)
●マグネシウム0.09%(標準値)で下部尿路の健康に配慮。
●加齢とともに減少する成分、コエンザイムQ10配合。
●食べやすいハート型粒。
●着色料無添加。
●獣医師監修。
●総合栄養食。

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​​​​​​​2-3. ごはんの与え方を工夫する

ごはんの与え方を工夫することで、ごはんを食べない要因の対策にもなります。

具体例として3点紹介します。

・器を猫の好みのものにする

どのような器を好むのかは個体差があるので一概にはいえませんが、シンプルなデザインの陶器の器を好む猫が多いです。

・周囲に大きな音などがならないようにする

テレビや洗濯機など、人間にとっては気にならなくても猫にとっては大きなストレス要因となる「音」があるので注意しましょう。

・器の大きさや位置などを食べやすい位置に置く(首の負担軽減)

ごはんを食べるために、高齢猫が無理な姿勢を取らなくてはならなかったり、そもそも食べにくかったりしていないか注意しましょう。

・食事の回数を増やす。

高齢猫は1回に食べる量が減ってきます。1日分の食事回数を増やしてみましょう。

3.高齢猫がごはんをたべないときに動物病院へ行くべきケース

高齢猫がごはんを食べないときに、飼い主さんとして最も気になるのが「病気にかかっていないか?」ということではないでしょうか。

日々の管理が大切です。

例えば、おしっこやうんちの様子、体重は減っていないかなど記録しておくことがおすすめです。

そこで、この章では病院に行くべきか否かの判断方法について解説します。

※ここで紹介しているのはあくまでも目安です。もし迷ったら、早急に動物病院を受診して、獣医師の指示に従うことがベストです。

​​​​​​​3-1. 吐き気や嘔吐などの症状を伴っている

吐き気や嘔吐などの他の症状を伴っている場合には、何らかの病気や身体の不調を抱えている可能性が高いです。

猫は、嘔吐をしやすい動物ではありますが、食欲不振と嘔吐が重なっている場合は、動物病院で獣医師のアドバイスを受けることをおすすめします。

このほか、「いつもより元気がない」「痛そうにしている」など普段と様子が違う点がある場合も、早急に動物病院を受診するようにしましょう。

​​​​​​​3-2. 1日以上ごはんを食べない

他に、目立った症状が現れていない場合であっても、24時間以上ごはんを食べない状況が続いたときには、動物病院を受診しましょう。

特に高齢猫の場合は、成猫と比べて体力が減退しているので注意が必要です。

また、ぐったりしている場合やほとんど水も飲まない場合など、様子がいつもと違う時には24時間経過していなくても早めに動物病院を受診するようにしましょう。

​​​​​​​3-3. 少量しか食べない状況が72時間以上続いている

ごはんを全く食べないわけではないものの、食欲が大きく減退しているときにも動物病院で診てもらうようにしましょう。

この時の目安となるのは、少量しか食べない状態が72時間以上続いているかどうかです。

普段と比べてごはんの量が明らかに少ない状況が3日間続いたら、動物病院を受診しましょう。

4.まとめ

猫は、とてもデリケートな動物なのである日突然ごはんを食べなくなってしまうということは、珍しいことではありません。

はいえ、高齢猫が急にご飯ごはんを食べなくなってしまうと、飼い主さんとしては気になるものです。

高齢猫がごはんを急に食べなくなる主な原因としては、主に次の5つが考えられます。

  • 基礎代謝の低下
  • 噛む力が弱くなってしまった
  • 口内の状況(口内炎・歯周病・ケガ)
  • ストレス
  • 病気など

そして、それらの対策のためには飼い主さんによるストレス除去、環境の改善、ご飯の与え方の工夫、ご飯の内容の工夫などの対策が大切になります。

また、症状や高齢猫の様子次第では、動物病院への早めの受診が必要なケースもあります。

高齢猫が元気で過ごせるようにこの記事を参考にしていただけたら幸いです。

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