猫の食事の適量はどのくらい?判断方法をわかりやすく解説
#猫に必要な栄養 #猫のフードの適正量「普通に食事を与えているつもりなのに、どんどん太ってきている気がする・・・」
「毎日、キャットフードをあげているけど、栄養はきちんと足りているのだろうか?」
猫の食事の分量が適量なのかどうか?
いつもの分量や内容で栄養がきちんと足りているかどうか?
という点について疑問に思ったり、悩んだりする飼い主さんは少なくありません。
また、おやつの与えすぎなどで肥満になってしまう猫も少なくありません。
この記事では猫の食事の適量についての疑問にお答えするために、猫に必要なカロリーの目安や栄養に関する注意点、食事の適量に関する考え方について解説します。
1.食べすぎが心配!?必要カロリーの目安とは?
ペットとして猫を飼う場合、どうしても肥満になってしまいやすい傾向が見られます。
丸々とした猫は、見た目はとても愛くるしいですが、人間に置き換えて考えてみると体重がどんどん増えてしまうのも少し心配になりませんか?
この章では、猫が肥満になってしまったときのデメリットや、必要カロリーの目安について解説します。
1-1. 猫の肥満はデメリットだらけ
猫の肥満は、人間の肥満と同じようにデメリットがたくさんあります。
ペットの猫と元気に楽しく過ごすためには、愛くるしさや「個性」はいったん忘れて、今すぐダイエットに励んだ方が良いかもしれません。
具体的にどのようなデメリットがあるのかは、以下の通りです。
- 病気の要因になってしまう → 糖尿病・肝リピドーシス(脂肪肝)・泌尿器の病気・心臓病など
- 筋肉や骨、関節に負担がかかってしまう → 関節炎や関節痛などを招いてしまい、猫が痛みやストレスを感じたり機敏に動けなくなってしまったりする恐れがあります。
- 皮膚病 → 毛づくろいができず、毛のもつれやフケなどから皮膚炎になりやすくなります。
- 免疫が下がってしまう → 風邪やウイルス性の病気にかかりやすくなってしまいます。
- 運動不足を招きやすい → 体が重くなることや骨・関節に痛みが生じることから、運動不足を招きやすくなります。
- 手術の時に麻酔が効きにくくなってしまう → 皮下脂肪が厚くなってしまうと、麻酔が脂肪組織に吸収されてしまい効きにくく醒めにくくなってしまいます。
このように、肥満には健康面での被害がたくさんあります。
運動不足により、痩せにくく太りやすい生活習慣になってしまうため、よほど気を付けないとますます肥満になってしまうという悪循環も懸念されます。
1-2. 猫の必要カロリーの目安
肥満を防ぐための方法は、必要カロリーを把握して、カロリーの過剰摂取をしないようにすることです。
猫の必要カロリー数には個体差があり、また飼育環境によっても異なります。
例えば、運動量の多い猫の場合は、その分摂取カロリーも多くなります。
ただし、RERで一日の消費カロリーの目安を知ることができるので、摂取カロリーの参考にすることが可能です。
・RER(一日の消費エネルギーの目安) 体重×0.75乗×70 ※猫の成長(成猫・子猫・老猫)や、避妊手術の有無、病気の有無などによってもカロリー必要量が異なるため、最後に該当する係数を掛ける必要があります) |
ここで厄介になるのが、0.75乗の計算の仕方です。2乗や3乗ならまだしも、0.75乗の計算方法は「知らない」「高校で学習した覚えがあるけど、忘れてしまった」という方が大半ではないでしょうか?
でも、計算方法が分からなくても電卓が使用できれば計算できるので、心配は無用です。
・電卓を使ったRERの計算方法※体重4kgの猫の場合
① 体重を3回掛ける(4kgの猫の場合4×4×4=64)
② √を2回押す(4kgの猫の場合2.828・・・)
③ 70を掛ける(4kgの猫の場合197.98・・・)=RERのベースは197.98kcal
④ 係数を掛ける(4kgで、避妊・去勢していない成猫1.4/避妊・去勢している成猫1.2/肥満傾向1/妊娠中2)など
以上により、猫が一日にどれだけのカロリーを消費しているのかの目星をつけることができます。
繰り返しにはなりますが、RERはあくまで目安であり、個体差や飼い方によって数値は変動します。
また、猫が肥満になっているのかどうかは見た目からもある程度確認できます。
見た目から体型をチェックする際に効果的なのは、背骨や肋骨が触れるかどうかや、お腹のお肉の付き方などです。
環境省のホームページに猫のBCS(ベスト・コンディション・スコア)が公開されているので、見た目から体型を判断する際の目安にすることができます。
下の図がBCSです。
左から順に、「痩せている」「痩せ気味」「理想的」「太り気味」「太っている」となります。
2.カロリーだけじゃなく栄養バランスも重要
猫の肥満はとても大切な問題ですが、肥満にだけ気を付けていれば健康的に過ごせるというわけではありません。
人間と同じように、猫も栄養バランスを考えなくてはなりません。
食事の「量」だけではなくて「質」も重要であるということです。
この章では、猫の栄養について解説します。
2-1. 三大栄養素の理想的なバランス
猫にとって不可欠な栄養素は「三大栄養素」です。
人間にとっての三大栄養素と全く同じであるため覚えやすいと思いますが、注意しておきたいのは人間とは摂取すべき栄養のバランスが異なることです。
※猫の三大栄養素と摂取カロリー中の推奨割合
- 脂肪20%
- タンパク質35%
- 炭水化物45%
猫は肉食のため、雑食である犬や人間と比較すると、タンパク質の割合(必要量)が多いです。
減量の際は、筋肉量も減るのでしっかりタンパク質を補給することがポイントです。
※参考:人間の三大栄養素摂取割合
- 脂肪14%
- タンパク質18%
- 炭水化物68%
三大栄養素は生きるために不可欠な栄養素なので、欠乏しないように強く意識することが大切です。
キャットフードを選ぶ際にも、脂肪・タンパク質・炭水化物の割合をチェックしたうえで選ぶようにしましょう。
2-2. 三大栄養素以外に摂取したい栄養素
三大栄養素以外にも、猫が健康を維持するためには積極的に摂取したい栄養素がいくつかあります。
ここでは、特に意識して摂取したい栄養素を紹介します。
・ビタミン・・・ビタミンは、動物としての機能を維持するために働く栄養素の総称です。ビタミンは全部で14種類ありますが、猫が特に意識して摂取したいのは、猫の体内で合成できないビタミンAです(人や犬は、ニンジンなどに含まれるβカロテンなどからビタミンAを合成することができます。ビタミンAは、視力や皮膚の代謝にかかわる栄養素で、不足してしまうと目の病気や皮膚疾患の原因となってしまうことがあります。
・タウリン・・・ビタミンAと同じように、猫の体内では合成されないため、意識して摂取することが必要です。タウリンが欠乏すると、目や心臓の病気を招いてしまうことがあります。
・食物繊維・・・食物繊維は、猫にとっても大切です。
具体的には糖の吸収を遅らせる、便秘の解消などに効果的です。
2-3. 過剰摂取にも要注意
摂取のし過ぎに注意しなければならないのはカロリーだけではありません。
ビタミンやミネラルは「体に良いもの」というイメージがあるかもしれませんが、基本的にはどの栄養素も適量を摂取することが大切です。
また、特定の栄養素だけたくさん摂取しても、ほかの栄養素とのバランスによって効果を発揮しないケースもあります。
栄養バランスを考えて食事のメニューを考えるのは難しいものですが、以下の点を考えると栄養のバランスを取りやすいです。
- 栄養バランスのとれたキャットフードを食事の中心にする
- おやつを与えすぎないこと
- 偏食に注意する
- 手作り食を与えるときには、獣医師さんに量や内容を相談したうえで与える
3.ネコの食事の適正量とは?
ここまでに紹介した内容を踏まえて、猫の食事の適正量について解説します。
3-1. 基本的にはパッケージに記載されている量
市販のキャットフードには、パッケージに目安の分量が必ず記載されています。
例えば「成猫体重1kgあたり1日〇〇gを目安として、1日の供給量を2回以上に分けて与えてください」という風に記載されているので、この記載内容を目安の分量を計算しましょう。
この時、以下の点に注意する必要があります。
- パッケージに記載されているのは、あくまで目安量であり、個体差や飼育環境によって分量の調整が必要であること。(例えば、パッケージの分量通り与えているのに、少しずつ体重が増えてしまうケースでは、与える量の見直しやフードの変更を考えた方が良いかもしれません)
- ペットフードに記載されている目安量は、標準体重の猫を想定しているため、元々肥満の猫は理想体重を元に餌の分量を決めましょう。
- 日ごろから体重を定期的に測定してチェックしましょう。
3-2. おやつ・間食のカロリーにも要注意
おやつや間食によるカロリーは、余剰カロリーとなるため、与えすぎてしまうと肥満の原因になります。
また、市販のおやつは猫の大好物となるように作られているため、偏食にも注意する必要があります。
以上を踏まえて、おやつを与える際には、以下の点に注意してください。
- 猫の1日の必要カロリーの20%以下に抑えること
- おやつを摂取した分食事を減らすなど、食事のカロリーも踏まえてトータルで考えること
- 栄養の偏りに注意すること
ふだんからおやつを与えすぎていると、猫が言うことを聞かなくなってしまい、しつけにも影響することがあるため、喜ぶからといってどんどん与えるのではなく慎重に対応する必要があります。
3-3. 年齢や体調に合わせた量の調節も大切
猫は年齢や体調によって、必要なカロリーや栄養素の分量が異なります。
また、消化器官や内臓の働きなども異なるため、必ず時期に合った食事を摂取することが大切です。
RERやキャットフードの目安分量を参考に、その猫にピッタリ合った餌の分量を与えましょう。
さらに、以下の点を考慮すると、猫の体調管理に配慮することができます。
- 水分が不足しがちな猫はウェットフードを食べさせる
- 好みによってキャットフードを変える
- 夏バテなど状況に応じてキャットフードの量や内容を調整する
3-4. サプリメントは獣医師の指示で摂取を!
サプリメントを与えるべきかどうかを迷っている方もいるかもしれません。
人間向け程ではありませんが、猫を対象としたサプリメントが数多く発売されています。
しかし、上述の通り栄養は「摂取」も大事ですが「バランス」が非常に重要です。
サプリメントを摂取する際には必ず獣医師に相談して、獣医師の指示を受けてから使用するかどうかを判断してください。
4.猫の餌は総合栄養食を適量与えるのが理想
ここまでの内容で、栄養に配慮しながら猫の肥満に気を付けることはとても難しいことだと感じられた方もいると思います。
しかし、幸い「総合栄養食」のキャットフードを選べば、猫が必要な栄養をきちんと摂取出来ます。
総合栄養食とは、そのペットフードとお水だけで必要な栄養がきちんとバランスよく摂れるペットフードのことです。
ペットフードには総合栄養食の他に一般食がありますが、一般食は総合栄養食のように栄養バランスが考えられたフードではありません。
一般食は、総合栄養食に混ぜて食べるおかずのような役割のペットフードです。
まとめると、総合栄養食を中心に適量の食事を与えていれば、肥満の予防と必要なカロリーの摂取を両立できるということです。
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種類豊富で猫の年齢や気になる健康状態にも合わせて最適なものをお選びいただけ、室内で過ごす猫にもうれしいGABAが配合されたものも揃えています。
獣医師が監修してバランス良く栄養素を配合した安心・安全で飼い主さんにも愛猫にとってもうれしいキャットフードをぜひご検討ください。
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5.まとめ
家で猫を飼っていると、肥満気味になってしまうことが多いため、餌の適量がどのくらいの分量なのか?と悩むことも多いかもしれません。
猫は、体質によって太りやすい子もいます。
また、一度太ってしまうと痩せにくい体質でもあります。肥満を予防することは健康維持にとても大切です。
個体差や飼育環境も踏まえて分量を考えなくてはならないため、確かに一から適正な分量を考えることは簡単ではありません。
猫が健康に過ごすために必要な栄養素についても考えなくてはならないため、なおさら難しいものになります。
しかし、総合栄養食のキャットフードを中心に餌を与え、1日に与える量やおやつの内容・量を管理できれば、カロリーの面でも栄養の面でも理想的な量を与えることが可能です。
キャットフードのパッケージやRERを参考に分量の目安を計算し、猫の様子を見ながらぜひ対応してください。
また、定期健診で獣医さんにご相談するのもおすすめで安心です。
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