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猫が水を飲まないときの原因・対策

#猫が水を飲まない

「夏は良く水を飲んでいた愛猫が、涼しくなったら水を飲まないようになってしまったけど、大丈夫?」
「愛猫が水を飲まないのはなぜ?」
「愛猫が水を飲まないときにはどうしたらいい?」
愛猫が急に水を飲まない状況になってしまうと、飼い主さんとしてはやはり心配にもなりますよね。
猫はもともとたくさん水を飲む動物ではありませんが、動物である以上は水分不足になるとさまざまな不都合が生じてしまいます。
そこで、今回の記事では猫が水を飲まないとどんなリスクがあるのかを踏まえたうえで、原因と対策について解説します。

1.猫が水を飲まないとどうなる?

そもそも、猫はたくさん水を飲む動物ではありません。

元々猫は、砂漠で暮らしており、少ない水分でも生きていける体の仕組みになっているためです。

目安の水分摂取量は、猫の体重1kgに対して20~45ml程度ということなので、標準的なサイズの5kg程度の猫でも1日にコップ1杯分くらいで足りるということになります。

しかも、摂取すべき水分の中には、日ごろのごはんから摂取する水分も含みます。

ただし、必要な水分量が少ない=水分を摂らなくてもいい、という意味ではありません。

水分の摂取量が少ないとさまざまな不調や身体の異常につながってしまうリスクがあります。

この章では、猫が水を飲まないとどうなるのかについて解説します。

​​​​​​​1-1. 脱水症状

猫が水を飲まないときに最もダイレクトに懸念されるのは、脱水症状です。

水分が不足し、脱水症状になってしまうと元気がなくなり食欲が落ちてしまいます。

脱水症状になると、毛並みが悪くなり、指で皮膚をつまんでもすぐに戻らない状態になってしまいます。

また、脱水症状が進むと目の周囲がくぼんでしまいます。

どうしても水を飲まないときの他に、下痢や嘔吐を繰り返しているときも脱水症状の危険性があります。

​​​​​​​1-2. 腎臓の疾患

猫の体の仕組みの特徴として、腎臓に負担がかかりやすいという点が挙げられます。

それは、猫は効率よく体内の水分を使用するために、とても濃い尿をするという仕組みのためです。

腎臓は、尿を作り出す体内の器官ですが、腎臓の負担を軽くするためにはできるだけ水分をきちんと摂取して尿の濃度を薄める必要があります。

腎臓は、一度壊れてしまうと再生できないこと、高齢になればなるほど不調になるリスクが高まることから、日ごろから水分不足にならないように注意することが大切です。

​​​​​​​1-3. 尿結石

尿結石は、体内のミネラル成分(カルシウム・リン・マグネシウムなど)が石のように固まってしまう病気です。

固まった石が、尿道や膀胱などを傷つけてしまうことがあり、血尿が出てしまったり、排せつの際に痛みが生じてしまったりすることがあります。

尿結石の原因は、尿中のミネラル成分が増加したり、尿のphのバランスが崩れてしまったりすることが原因です。

また、猫が元々あまり水を飲まずに濃い尿をすることも原因の一つです。

日ごろの水分摂取が尿結石形成の予防につながります

​​​​​​​1-4. 膀胱炎

膀胱炎は、膀胱内で細菌などが繁殖して起こります。

尿結石によって膀胱内にキズができてしまい、キズの箇所から炎症が広がることもあります。

膀胱炎を発症すると、頻尿になり血尿が出てしまったり、痛みを伴ってしまったりします。

また、早めに処置をしないと、死に至る可能性もある尿道閉塞を発症してしまうリスクにもつながります。

水分をたくさん摂取して、尿をしっかり出すことが膀胱炎の予防につながります。

2.猫が水を飲まない原因は?

人間に置き換えて考えれば、喉が渇いたり、身体の不調を感じたりしたときに水を飲みたくなるのが自然な気持ちです。

従って、体調の不調を感じるほどの症状があるにもかかわらず、猫が水を飲まないのは少し不思議に感じられるものです。

猫が水を飲みたがらないのはなぜでしょうか?

この章では、猫が水を飲まない原因について解説します。

​​​​​​​2-1. 原因① 口内炎や口内のケガ

最初に考えられるのは、口の中に痛みがあるときです。

具体的には、口内炎や口の中のケガが生じているときということです。

他に、口内炎や歯周病・腫瘍などにより口の中に痛みを感じているケースもあります。

飼い主さんとしては、まず愛猫が水を飲む様子をていねいに観察し、痛がるそぶりを見せていないかをチェックしましょう。

また、水を飲む場面以外にも、よだれの量が増えていないかどうか、口臭が強くなっていないかどうか、食欲が減退していないかどうかといった点も口の中の環境が健康かどうかを示すバロメーターです。

​​​​​​​2-2. 原因② 食事から水分が摂取できている

食事から十分な水分を摂取できていることもあります。

日ごろのごはんがカリカリ(ドライフード)の場合は、ごはんの水分量が10%なのでごはんだけでは、必要な水分を摂取出来ません。

しかし、ウェットフードやペーストタイプのおやつは水分の割合が多いため、ごはんから十分な水分量が摂取できることがあります。

他に、カリカリをお湯やミルクでふやかしているときなども、ごはんからたくさんの水分を摂ることができます。

​​​​​​​2-3. 原因③ 器が猫の好みではない

猫が水を飲まない理由が外部の環境的な要因であるケースもあります。

よくあるケースは、器が猫の好みではないことです。

例えば、ステンレスの容器に顔が反射して映ってしまったり、あまり好みではない模様が描かれていたりするケースなどが考えられます。

容器を変更して急に水を飲まなくなってしまったときには、器に原因がないか一度考えてみると良いでしょう。

​​​​​​​2-4. 原因④ 水飲み場の環境が猫の好みではない

器に問題がなくても、水飲み場の環境が愛猫にとって居心地のいいものではないこともあります。

例えば、テレビや洗濯機など周辺で大きな生活音がする場合や人の出入りが多くて落ち着かない場合、他のペットとの距離が近い場合などが考えられます。

猫が非常にデリケートな動物であることを理解したうえで、水飲み場の環境についての見直しをしてみましょう。

​​​​​​​2-5. 原因⑤ 水が気に入らない

水そのものの味が気に入らないというケースも考えられます。

最も可能性が高いと考えられるのは、水を入れてから数時間経過しているケースです。

水自体は水道水でも問題ありませんが、入れてから長時間そのまま放置しないように注意しましょう。

※逆にミネラルウォーターを与える際には、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分を多く含んだミネラルウォーターを与えてしまうと、尿結石の原因になってしまったり、腹痛の原因になってしまったりする可能性があるため要注意です。

3.猫が水を飲まないときの対策は?

愛猫が水を飲まないとき、そのままにしてしまうと冒頭で紹介したような身体の不調につながってしまいます。

そこで、愛猫が水を飲まない状況を改善するための方法を5つ紹介します。

​​​​​​​3-1. 対策① 飲ませ方や環境を変更する

最初に紹介をするのは、水の飲ませ方や環境を変更することです。

見直しのポイントは3点あります。

ポイント① 食器を愛猫の好みに変更する

シンプルな陶器製の器を好む猫が多いです。個体差があるので、必ずしもシンプルな陶器であればOKとは言い切れませんが、器を変更して反応を見ながら対応すると良いでしょう。

ポイント② 場所を変更する

周囲に音の出る家電製品が置かれている時には、家電の位置を遠ざけたり、ごはんの位置を変更したりするなどの対策を考えましょう。また、器の高さや大きさなど、飲みやすさを意識して器を選ぶことも大切です。

ポイント③ 子猫の場合は哺乳瓶の使用など

子猫がどうしても水を飲まない時には、哺乳瓶を使用してみるのも一つの方法です。哺乳瓶に慣れていない子猫の場合、最初は哺乳瓶の先を口につけるのを嫌がる可能性があります。そのような場合には、哺乳瓶を口の横から近づける等の対応を考えましょう。

​​​​​​​3-2. 対策② 水を小まめに入れ替える

上でも少し紹介しましたが、猫は新鮮な水を好みます。

従って、器に入れた水はこまめに入れ替えるように意識しましょう。

とはいっても、一般的に猫はそれほど頻繁に水を飲む動物ではないので、朝と夜に1度ずつ水を交換してあげる程度の割合で基本的には十分です。

「旅行や外出が多くて、1日に2回水を交換するのもちょっと大変・・・」という方は、自動給水器を使用するという方法もあります。

自動給水器とは、水を絶えずフィルターを通して循環させることで常に新鮮な水を飲めるようにできるグッズのことです。

活性炭フィルターがついていて、ほこりや毛玉も取り除くという機能も搭載しています。

自動給水機に興味を持って、水をよく飲むようになる場合と怖がって近づかなくなってしまう猫との2種類がいるので、愛猫の様子を見ながら活用してください。

​​​​​​​3-3. 対策③ 水の味付けを変える

水道水をあまり飲まない猫でも、味付けの水であればよく飲むことがあります。

例えば、ミルクを混ぜた水や、経口補水液(水分補給用の水)なら喜んで飲むという場合には、これらの水分を与えるようにするのも一つの方法です。

ただし、これらの味付けの結果、脂質や塩分を多く摂取してしまうことになるため、ごはんやおやつの分量や内容を調整しないと、栄養バランスが崩れてしまう可能性があります。

​​​​​​​3-4. 対策④ 水を温める(子ねこの場合)

子猫の場合には、水を温めることで飲んでくれる場合があります。

目安となる温度は、母乳と同じ程度の36~38℃程度です。

ちょうど人の体温と同じ程度なので、チェックしやすいのではないでしょうか?

子猫が水を飲まないときの対策の一つの選択肢としてぜひ試してください。

​​​​​​​3-5. 対策⑤ 食事で水分補給できるように工夫する

ウェットフード・手作り食・おやつなど、食事から水分補給ができるように工夫をすることも一つの方法です。

●ウェットフード

カリカリ(ドライフード)は、水分が10%程度ですが、ウェットフードには、60~80%程度の水分が含まれています。ウェットフードをドライフードと混ぜたり、ウェットフードとドライフードを交互に与えたりするなど、効果的にウェットフードを組み合わせる手法もあります。

猫のウェットフードについて、下記の記事でおすすめのフードと合わせて紹介していますので、参考にしてください。

猫のウェットフードの選び方について

●手作り食

どのようなものを与えるかにもよりますが、お肉やお魚を茹でたものには水分が多く含まれています。手作り食を与える際には、カロリーオーバーに注意しなくてはなりませんが、愛猫が喜んで積極的に食べてくれる手作り食があれば、飼い主さんとのコミュニケーションという意味でも大きなメリットがあります。

●おやつ

水分補給面での効果が期待できるおやつの種類も多数あります。水分が多く取れるのは、猫用のゼリーやヨーグルトなどのおやつです。また、嗜好性が高く猫が喜んで食べるものといえば、まぐろやかつおなどを原料としたペーストタイプのおやつです。

●ふやかす

いつものカリカリをぬるま湯やミルクでふやかす方法もあります。ふやかすことによって、ごはんの香りが立ち、食欲が増すというメリットも期待できます。

4.まとめ

この記事では、猫が水を飲まないときの原因と対策について解説しました。

猫が水を飲まないと、脱水症状を起こしてしまい、最悪の場合には腎臓や膀胱・尿道などにトラブルが発生してしまうことがあります。

ひどい症状の時には、血尿や激しい痛みなどに繋がってしまうこともあるので、愛猫がいつまでも健康でいられるようにするためにも、水分摂取の重要性をまずは意識しましょう。

猫はもともと必要とする水分量が少ないことはありますが、水を飲みたがらない時には、器や環境の変更、水の与え方の変更、ごはんの変更などできる方法はさまざまです。

この記事を参考に、ぜひ水を飲まないときの対策について考えてください。

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