猫の理想的なダイエットとは? 肥満解消のために知っておきたい3つの対策
#猫のダイエット #肥満猫猫にとって、肥満は望ましいものではありません。
見た目の愛くるしさはあるものの、病気にかかりやすくなってしまったり、運動不足を招いてしまったりするリスクが高まるため、肥満が気になる場合にはダイエットをして解消していく姿勢が必要です。
とはいうものの、猫のダイエットはどのように行うと良いのでしょうか?
この記事では、猫のダイエットに関して、取り組み方や注意点などを解説します。
飼い猫の約半数に肥満のおそれがあるという現状のなか、多くの飼い主さんにとってダイエットは非常に身近な問題です。
1.猫の理想体重を知る方法
猫の理想的な体重が何キロなのかご存じでしょうか?
一般的には、猫の体重は5キロ前後が平均的です。
理想的な体重としては1歳を迎えた頃(人でいうと成人年齢)の体重を目安にすることです。
ただし、全ての猫にとって理想的なのかというと、そう言い切れるわけではありません。
猫には品種による大きさの違いや個体差もあるためです。
大型猫は、人でいう成人年齢を迎えるまでに2-3年かかる場合もあります。
特に、飼い主さんとしては個体差を強く意識する必要があります。したがって、理想体重はあくまでも「目安」であることを意識しておきましょう。
目安とはいっても、特に猫の肥満は病気のリスクが高まるなど、デメリットがたくさんあるため、体重を適正に近づけておくことには大事な意味があります。
猫の理想体重(肥満や痩せ型ではなく標準的な体型であるかどうか)を知るために意識しておきたいことは、次の3点です。
① かかりつけの獣医師に相談して、理想の体重の目安を聞いておくこと
② 週に一度くらいのペースで体重を計ること
③ BCSの表を参考に、見た目から理想的な体系に近いのかどうかを判断する
BCS(ベスト・コンディション・スコア)とは、骨や肉の付き方などから理想的な体型を簡易的にチェックするために用いられる表です。
環境省のHPにもBCSが記載されているので、ご自身の猫と照らし合わせながらチェックしてみましょう。
また、目視の他に数値として猫の体重を計っておくことも大切です。
猫の体重のはかり方は、以下の3ステップで行います。
① 飼い主が猫を抱っこした状態で体重を計測します
② 猫を下ろして自分のみの体重を計測します
③ 猫を抱っこしたときの体重から自分の体重を引きます
→例えば、①が68.5㎏、②が62.9kgのとき、猫の体重は68.5kg-62.9kg=5.6kgということです。
2.体重を計ることの意味とは?
体重の計測は目安として1週間に1度くらい行なっておくことがおすすめです。
定期的に計測をすることで、体重の増減が分かるだけでなく、体調の変化にもすぐに気が付くことができます。
この章では、体重を計ることのメリットを2つ紹介します。
2-1. 小さな変化に気が付ける可能性がある
外見上は分からないような数百グラム程度の違いであっても、毎週体重を計測していると気が付くことができます。
人間の場合は数百グラムの体重変化は「誤差」で済ませられますが、体重が5㎏程の猫の場合は数百グラムの違いが体調に大きな変化を及ぼすこともあります。(体重5kgの猫が300g増えた場合、50kgの人でたとえれば3kg増えたのと同じ状態になります)
体重変化には、病気や夏バテなどの要因が潜んでいることもあり、早急に動物病院に行ったり、暑さ対策をしたりするなどの早期対策で解決できます。
2-2. ごはんやおやつの適正な量が分かる
健康維持や体重の管理のためには、猫のごはんやおやつの適正な分量を知ることが大切です。
適正な分量の目安は、キャットフードやおやつのパッケージに記載されていますが、基本的にその記載方法は「猫の体重〇kgあたり〇g」と書かれています。
注意しなくてはいけないのが、パッケージに書かれている体重は現在の体重ではなく、理想的である標準体型に基づいて記載されているということです。
毎日体重を計っていると、標準的な体重がどの程度なのかも分かるため、ごはんやおやつの量の目安にすることができます。
また、ご飯の量や内容によって体重がどの程度増減したのかをチェックできることも大切なポイントです。
3.猫の肥満のデメリットとは?
ペットの猫は、運動不足やごはんの過剰摂取などが要因となって体重が増え、結果的に肥満になってしまいやすい傾向があります。
肥満気味の猫は見た目のかわいらしさはありますが、それでも圧倒的にデメリットが大きいです。
この章では、肥満の猫のデメリットについて解説します。
3-1. 健康上のリスクが高まる
猫が肥満になってしまうと、健康上の様々なデメリットがあります。
肥満の影響はいたるところに生じますが、代表的なものをあげると、次の通りです。
- 心疾患・糖尿病などの生活習慣病を発症しやすくなってしまう
- 脂肪肝(肝臓に脂肪がたまり、肝臓が正常に機能しなくなる病気)を引き起こしてしまう
- 体重負荷により関節炎を起こす
- 免疫力が低下して、感染症や疫病などにかかりやすくなってしまう
- 外科手術を受ける際に、麻酔が効きにくく、また、醒めにくくなってしまう
- グルーミング(毛づくろい)しづらくなってしまい、皮膚病のリスクが高まる
上記のように、肥満をきっかけとして様々なデメリットが生じてしまいます。
3-2. 運動不足になりやすい
肥満体型になってしまうと、猫は自由に走り回ったり、ジャンプしたりすることが難しくなってしまいます。
また、体重が腰や背中などの関節や筋肉の負担になってしまい、運動をすること自体がおっくうに感じられるようにもなってしまいます。
運動不足になると、消費カロリーが少なくなることから、ますます太りやすくなり、悪循環に陥ってしまうでしょう。
4.猫が太ってしまう要因とは?
日本では、太っている飼い猫が多い傾向がみられます。
ベネッセの「ねこの気持ちON LINE」によると、飼っている猫が「かなり太っている」「太っている」「やや太っている」と答えた飼い主さんの割合は全体の47%。
(参考)「 日本は肥満猫が多い? 3つの「はかる」を駆使してダイエットをしよう 」
約半数の飼い猫が太っているか太り気味という状況です。
では、なぜ飼い猫は太りやすいのでしょうか?
- 遺伝
- 体質的に個体差がり、太るメカニズムがある子とない子がいる
この章では、飼い猫が太りやすくなってしまう理由について解説します。
猫は、太りやすく痩せにくい特徴があり、猫の肥満は犬と比べても問題視されています。
4-1. ペットフードやおやつの質
猫が普段食べているキャットフードやおやつの内容によって、適正な分量を食べていても太りやすくなってしまうことがあります。
キャットフードのなかには、食事の満足度を高めるために栄養価よりもカロリーを重視しているペットフードもあるためです。
キャットフードを選ぶ際に注意したいのは、次の2つのポイントです。
- カロリーや糖分(脂質)が高い
- 食物繊維が少ない
ダイエットのために脂質を控えた方が良いのは確かですが、脂質は三大栄養素の一つでもあり、必要量を摂取することは大切です。
そのため、飼い主さんとしては猫の健康を考えると脂質なども与えたいと考えるのが自然なことでしょう。
ですが、高カロリーで糖分の多いキャットフードを与え、食物繊維の分量などが少なくなってしまうと、せっかく猫のことを考えてしたことが肥満を招いてしまいかねません。
大切なことは必要な栄養素をバランスよく摂取できるように配慮してあげることです。
4-2. ペットフードやおやつの量が多い
キャットフードやおやつをあげすぎてしまうことは非常に良くありがちなケースです。
特に注意したいのは次のケースです。
・置き餌でごはんを与えているとき
置き餌はごはんを一日にどれだけあげたのかが分かりにくくなってしまうため、猫が欲しがる分だけあげがちになってしまいます。どれだけ食べたのかの管理をするのが難しくなってしまうため、飼い主さんが一日の分量を強く意識する必要があります。
・家族が勝手にごはんをあげてしまう
自分自身が注意をしていても家族がごはんを勝手にあげてしまっていることがあります。食事の量を管理する際には、必ず家族の方にも協力をお願いするようにしましょう。
4-3. 運動量が少ない
ペットの猫は、室内で飼うことが望ましいとされていることもあり、運動不足になりがちです。
室内でも活発に動き回る子猫の場合はともかく、シニアの時期や成猫は運動不足から消費カロリーが摂取カロリーを下回ってしまうことがあります。
運動不足の解消のためには、積極的に一緒に遊ぶことやグッズの使用などが効果的です。
猫の場合は、平面よりも上下の運動が非常に重要であるため、キャットタワーのような高さのあるグッズがおすすめです。
4-4. 強いストレスを感じている
強いストレスによって、猫が過食に走ってしまうことがあります。
猫が強いストレスを感じるのは、例えば次のケースです。
- 引っ越しなどの大きな環境の変化があった
- 家族が増えたり減ったりした
- 犬やほかの猫などと複数飼いを始めた
これらの要因から猫にストレスがたまってくると、問題行動の一つとしてたくさんものを食べることがあります。
急激にたくさんのものを食べるようになったとき、ストレス要因がないかどうかチェックしましょう。
5.猫の肥満解消大作戦!効果的なダイエット方法
健康に配慮し、日々を楽しく過ごすためには、猫も人間と同じようにダイエットについて考え、行う必要があります。
では、猫のダイエットはどのような方法で実践していけば良いでしょうか?
この章では、効果的な猫のダイエット方法を3点紹介します。
5-1. 【おすすめ!】ウェットフード・ダイエットフードを使用する
最初に紹介するのは、ウェットフードやダイエットフードを使用することで、ダイエットをする方法です。
これらの方法のメリットは、栄養バランスや生活習慣を大きく変更せずにダイエットに取り組める点です。
元々の食事量が多い猫を除けば、食事の量を大きく減らす必要もありません。
ウェットフードでは、スープタイプでおいしく水分補給とダイエットができる製品もおすすめ。
また、ダイエットに臨む愛猫にはやっぱりおいしいごはんを元気よく食べて欲しいというのが、飼い主さんの願い。愛猫の好みに合わせてダイエットを応援してあげられる「コンボ キャット 肥満が気になる猫用」がおすすめです。
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5-2. ごはん・おやつの量を調整する
ごはんやおやつの量が多すぎる猫の場合、食べる量を調整することも必要です。
目安になるのは、キャットフードやおやつのパッケージに記載されている一日の摂取量の目安です。
ただし、基準値を大きく下回る分量に設定するのはNG。
栄養バランスが大きく崩れてしまうためです。適正な基準値を知るためにも、動物病院で理想の体重について質問したり、定期的に体重を測定したりしてベストな体重を知ることが大切です。
5-3. ごはんの回数を1日2~3回に変更する
ごはんの与え方や回数を調整することも大切です。
理想的な回数は、朝と夕方の2回、あるいは朝・夕方・夜の1日3回です。(ただし、子猫や老猫など一度にたくさんのごはんを摂取して消費できない猫には、体調に応じた対処法をとる必要があります。)
また、置き餌スタイルから決まった時間での食事への切り替えは、段階的に行なっていくとストレスがたまりにくいです。
例えば、置き餌スタイル→1日に5回(だいたい5時間置き)→1日に4回→1日に3回、という風に段階的に切り替えることで猫が空腹のストレスを感じたり、食べたいときに食べられないストレスを感じたりしないように調整できます。
なお、ライフスタイルによっては、どうしても置き餌をやめるのが難しい状況もあります。
そのような場合には、一日のごはんの量を決めて目安の分量をオーバーしないように徹底することを心がけましょう。
6.猫のダイエット時の注意点
猫のダイエットの際には、飼い主さんに注意が必要な点がいくつかあります。
この章では、主な注意点を3点紹介します。
6-1. ごはんの変更は段階的に
猫は、初めて見るものに対して警戒心をもつという特性があります。
したがって、ダイエットフードやカロリーの低いキャットフードに切り替えようとしても、警戒心から口をつけないことがあります。
また、味の好みについては個体差もあるので、「与えてみたら、好みではなかった」というケースもあります。
このようなごはんの切り替え時のトラブルを防ぐためには、段階的に変更することが大切です。
例えば、最初は今まであげていたキャットフードのうちの一部のみ(1~2割程度)を新しいフードにして、1週間くらいかけて徐々に新しいフードの割合を増やすという方法です。
段階的にごはんを変更することで、猫にとっても飼い主さんにとってもストレスなくダイエットを進めることができます。
6-2. 急激なダイエットはNG
急激なダイエットは、猫の大きなストレスになることがあります。
例えば、目安量よりもずっと多くのごはんを与えてしまっているときに、ダイエットが必要だからといって一気に目安量に変更してしまうと、猫からすれば食事の量が大幅に減って、大きなストレスになってしまいます。
食事の回数を小分けにして、空腹を感じる時間帯が少なくなるように調整したり、おやつを使用したりするなどの工夫をして、ダイエットが急激なものにならないように注意しましょう。
6-3. 成長期の猫は食事制限をしない
成長期の猫は、たとえダイエット中であったとしても食事制限をするべきではありません。
成長期とは、生後1年までの猫が特に大きく成長する時期のことを指しますが、この時期に食事制限をしてしまうと、必要な栄養素が不足して健康的な成長が阻害されてしまう可能性があるためです。
遺伝や体質などの問題である可能性もありますが、この時期の体重増加がどうしても気になる場合には、散歩や遊びの量を増やすなど、運動量を増やすことで肥満対策をしていきましょう。
7.まとめ
飼い猫は、どうしても肥満になりやすいという特徴があります。
猫の肥満は、健康面でのリスクを考えると避けたいものです。
そのためには、飼い主さんが強く意識をしてダイエットに取り組むことが大切です。効果的なダイエットの方法は、次の3種類。
- カロリーの低いフードに切り替える
- ごはんやおやつの分量を調整する
- 置き餌をやめて、決まった時間の食事にする
猫のダイエットが成功するかしないかは飼い主さんの強い決意と行動にかかっています。
また、大切なポイントとして、飼い主さんの家族の方の協力も不可欠です。
大切な猫が肥満体型にならないよう、この記事を参考にしていただけたら幸いです。
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