老猫の食事を徹底対策|健康で長生きするための対策とは?
#高齢猫 #高齢猫の食事高齢になればなるほど、病気や体調不良のリスクが高まるのは、人間も猫も同じです。
だからこそ、高齢の猫を飼っている方は愛猫の健康維持のためにさまざまな点に気を配らなくてはなりません。
なかでも、普段食べる食事は直近の健康にも将来元気に過ごせるか否かにも影響を生じさせます。
この記事では、高齢猫の食事やそのほか健康維持のためのポイントをご紹介します。
高齢の猫がどうしても食事を食べないときの対処法についても案内していますので、今まさに困っているという方もぜひ参考にしてください。
1.必ず押さえるべき老猫の食事の基本5箇条
高齢猫に対しては、成猫とは異なるいくつかの注意点があります。
高齢猫とは、一般的には7歳以降の猫のことです。
年齢を重ねるごとに徐々に高齢猫としての特徴も強くなっていくため、必ずしもひとくくりにはできませんが、この章では高齢猫に共通して押さえておきたいポイントをご紹介します。
1-1. 総合栄養食
キャットフードを与える際の基本は、総合栄養食を与えることです。
その基本は、老猫であっても成猫であっても変わりません。
総合栄養食とは、猫にとって必要な栄養素がカバーされているフードを指します。
基本的に、総合栄養食と水のみを摂取していれば、健康に生きられるとされています。
総合栄養食であることに加えて、カリカリ(ドライフード)がオススメです。
ドライフードは、コストパフォーマンスに優れていて、栄養面も非常に優れているためです。
1-2. シニア用のフード
キャットフードは、子猫用・成猫用・シニア用と別れています。
成長段階によって必要な栄養素が異なるためです。
高齢猫に成猫用や子猫用のフードを与えると、たんぱく質や脂質の割合が高くて体に不調をきたしてしまったり、嘔吐してしまったりすることがあります。
シニア用のフードのなかにも「7歳以上」「11歳以上」と年代別に分かれているものもあるため、パッケージをよく見てご自身の愛猫に合ったものを選びましょう。
1-3. 食べやすい形・大きさ
キャットフードは、食べやすさも大切です。
高齢猫の場合は噛む力や飲み込む力が弱ってくるため、硬すぎるフードや粒の大きなフードは飲み込めなかったりストレス要因になったりすることがあります。
市販のフードの大きさや硬さが合わない場合は、細かくしてから与えるなどの工夫も必要です。
また、小さい粒のフードに替えたり、ウェットフードを合わせて与えたりすることもおすすめです。
1-4. 消化のよいフードを選ぶ
高齢猫の場合は、噛む力に加えて、臓器の働きも衰えてきますので負担にならないようにケアすることも大切です。
高齢になると、消化器の動きが弱くなるため栄養の吸収が悪くなったり、便秘になったりしてきます。
また噛む力がなくフードを丸呑みしてしまうことも多くなり、吐き戻しの原因になることがあります。
シニア用フードでは消化に良いフードを選ぶのがポイントです。
猫は肉食なので、お肉や魚などのたんぱく質を多く摂取しますが、高たんぱくにならないことにも気を付けなくてはなりません。
また、穀物が多く含まれているフードは、猫にとって消化が難しいフードです。
穀物アレルギーでなければグレインフリーのものを選ぶ必要まではありませんが、穀物が多く含まれるフードは避けるべきでしょう。
目安として、他のフードと比較をしてあまりにも価格が安価フードは穀物の配合が多い傾向があります。
ドライフードをお湯でふやかしたり、ウェットフードをトッピングしたりするなどの工夫をしながら対策をするとよいでしょう。
1-5. 食いつき
高齢になると、だんだん食が細くなりがちです。
食が細いままにしておくと、食事量に比例して必要な栄養素が不足してしまいます。
食いつきの対策については後の章で詳しく解説しますが、食事の量が減ってきた際には対策を検討しなくてはなりません。
飼い主さんとのコミュニケーションの面においても、食いつきがよくおいしく食ベられるフードを出すようにしましょう。
2.老猫の食事メニュー以外で注意すべきこと
前章では、食事メニューの注意点をご紹介しましたが、愛猫が高齢になると食事以外にも注意しなくてはなりません。
この章では、食事メニュー以外の注意点を解説します。
2-1. 水分の摂取を意識する
猫は、もともとそれほど多く水を飲む動物ではありません。
しかし、猫にとってもほかの動物同様、水は生きるために不可欠です。
水分不足の状態が続くと、脱水症状を起こしてしまったり腎臓などの病気を発症したりすることがあります。
高齢になると、猫は動くこと自体がおっくうになり水分摂取がおろそかになりがちであるため、特に水分摂取を強く意識しなくてはなりません。
例えば、ウェットフードを使うなどの工夫をしながら水分の摂取ができるようにしましょう。
2-2. ムリのない食事の回数
飼い主さんのライフスタイルなどに合わせて、猫の食事回数を1日2回と決めている飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
しかし、高齢になると1回の食事でたくさんの量を食べられなくなることも珍しくありません。
愛猫の負担を考えて、少量を3~4回に分けて与えるのもよいでしょう。
しっかり食べているか体重を測って管理することで、高齢猫の体重減少を食い止めることができます。
高齢猫にとって、しっかり食べ、体重を維持させることは長生きの秘訣とも言えます。
2-3. 腎不全に注意
猫は、11歳を過ぎると腎臓の病気にかかりやすくなります。
腎不全は、生命にかかわるとても怖い病気です。
腎臓の病気は、初期のうちに目に見える症状が現れにくく、病気に気が付いたときにはすでに重病化してしまっていることも珍しくありません。
初期症状は多飲多尿で、症状が悪化するにつれ食欲不振・体重減少・痙攣などの症状が現れるようになります。
基本的な予防としては腎臓に負担をかけない食事をすることですが、食事メニュー以外で注意する点としては、高齢猫の目安である7歳頃から健康診断を定期的に受診することです。
3.老猫が食事をしないときの対策とは?
高齢猫の食事が進まないときは体調不良につながりますが、対策のコツを知ることで、体調が悪化する前にケアできることもあります。
この章では、6つの対策をご紹介します。
3-1. 食いつきがよくなる工夫をする
食事の提供の仕方を少し工夫することで、劇的に食いつきがよくなることは珍しくありません。
- 温めて香りを強くする
- トッピングを使う
- コミュニケーションをとりながらフードを与える
などの工夫が可能です。
どれも、すぐにできることばかりなので、チャレンジしてみてください。
3-2. やわらかくする
フードが硬くて飲み込みにくいことから、食欲が落ちているように見える場合もあります。
フードを柔らかくする方法は、お湯で温める方法が最も一般的です。
上述のとおり、温めると香りも立ちやすくなります。
猫は高温を苦手とするため、お湯の温度が高くなりすぎないように注意しましょう。
3-3. フードを変更する
食いつきが悪いのは、フードに飽きていることが原因である場合もあります。
猫が喜ぶフードのポイントは、以下のとおりです。
- 香りが好みである(猫は、肉や魚などを原材料としたフードの香りを好む傾向があります)
- 子猫の頃に食べたものをメインの原材料としているフード
- 栄養バランスに優れたフード(猫は、本能的に栄養バランスの良いフードを好みます)
猫は警戒心が強いため、7日程度の期間を設けて徐々にフードを変更するとよいでしょう。
例えば、愛猫の年齢に合わせて健康に配慮した総合栄養食「ビューティープロ キャット」シリーズがおすすめです。
加齢とともに減少する成分であるコエンザイムQ10や免疫力維持に効果的なGABA、高齢猫に大切な腎臓の健康サポートを実現するための脂肪酸DHAなどをバランスよく配合しています。
食べやすい小粒タイプで愛猫がいくつになっても楽しく食べられる味を追求したフードをぜひご検討ください。
高齢猫におすすめのキャットフードはこちら
ビューティープロ キャット 下部尿路の健康維持 11歳以上
●結石に配慮し、マグネシウムを0.075%(標準値)に調整。
●カルシウムとリンを低減。(ビューティープロ キャット 成猫用比約30%カット)
●尿pH6.2~6.4(設計値)
●加齢とともに減少する成分、コエンザイムQ10配合。
●食べやすいハート型粒。
●着色料無添加。
●獣医師監修。
●総合栄養食。
3-4. 食べやすい姿勢になるよう工夫する
首に負担がかかるなど、食事の際にムリな姿勢をとらなくてはならない場合には、食が進みにくくなることがあります。
高齢猫の場合は、手に取ってフードを与えるなど、できるだけ負担が少なくなるように飼い主さんが協力をしましょう。
3-5. ストレス対策をする
食事の際のストレス要因は、できる限り排除しましょう。
- 洗濯機やテレビなどの家電製品の物音が大きい
- 食器のデザインや質感が、愛猫にとって好みではない
- 寂しさなどのメンタルケアが不十分
物音や環境がストレス要因になっている場合は、主要な原因を除去することが対策になります。
寂しさや環境変化などのメンタル面の要因には、飼い主さんが積極的にコミュニケーションをとったり、愛猫のお気に入りのオモチャ・タオルなどを与えたりするなどの対策が効果的です。
3-6. 動物病院に相談する
高齢猫になって食欲がない・食べが悪い場合、口内炎や歯周病など口腔内疾患が原因であることがあります。
食事が進まない原因・対策がわからないときには、専門家である動物病院の獣医師に相談するとよいでしょう。
早めに相談をすることで、問題が大きくなる前に解決できる場合があります。
4.老猫がごはんを食べない状況で特に危険性が高いケース
猫が高齢になって少し食事が進まなくなるのは、よく見られることです。
しかし、中には危険性が高いケースや早急に動物病院を受診すべき状況もあります。
この章では、高齢猫の食事に関して緊急性が高いと考えられるケースをご紹介します。
4-1. 24時間連続して何も食べない
高齢猫が24時間連続して食事をしないケースは、動物病院を受診する目安です。
食事をしないこと自体栄養不足のリスクですが、長時間何も口にしないときには陰に病気が潜んでいることもあります。
食欲不振を招く主な病気は、腎臓病・ガン・心臓病・感染症などがあります。
原因を明らかにするためにも、早急に動物病院を受診しましょう。
4-2. 少量しか食べない状態が続いている
少量しか食べない状態が72時間続いているときも、動物病院受診の一つの目安です。考えられるのは以下の要因です。
- 高齢のため食が細くなっている
- 熱中症などにより、体力が低下している
- なんらかの病気にかかっている
4-3. ほかの症状が出ている
嘔吐・下痢・発疹など、食欲の減退以外の症状があらわれているときにも要注意です。
嘔吐や下痢そのものは猫にとってそれほど珍しいことではありませんが、高齢猫でなおかつ食事の減退も伴っている場合、病気が潜んでいるかもしれません。
病気ではなかったとしても、嘔吐や下痢などによって体力が大きく奪われてしまうため、愛猫の健康状態にとって望ましくありません。
5.老猫が食事をしない場合には早めに動物病院へ
愛猫の健康状態が思わしくないときは、基本的に動物病院で診察を受けるのが理想的です。
とはいえ、飼い主さんには以下のような考えもあるかもしれません。
「動物病院で診察を受けるほどの症状じゃないのではないだろうか?」
「受診したところで、様子見で終わるのではないだろうか?」
「受診費用がムダになるのではないだろうか?」
しかし、飼い主さんが迷ったときには動物病院を受診することをオススメします。
高齢猫の場合は成猫に比べて体がとてもデリケートで、ちょっとしたことで体調を崩しやすいためです。
また早期に適切な処置を受けていれば症状の悪化が抑えられる病状であっても、対処が遅れたことにより治療が難しくなることもあります。
劇的な改善が難しい状況であっても、できるだけ早い段階から専門家に経過をみてもらうことにはとても大きな意義があります。
したがって、食が細くなるのを一つのサインとして、かかりつけの動物病院を受診するようにしましょう。
もちろん、動物病院にかからなくて済むほど元気に過ごせるのが理想ですが、長く愛猫と一緒に過ごすには早めの対処も重要です。
6.まとめ
老猫になると、飼い主さんは若い年齢の猫以上に食事に気を遣う必要があります。
猫も年齢を重ねるとともにさまざまな体調不良の症状が現れやすくなるためです。
また、体の機能や体力の低下に伴って食欲の減退がみられるようにもなります。
特に危険性が高いのは、24時間以上まったくものを食べないときや、3日間にわたって少量のフードしか食べないときです。
下痢や嘔吐などの症状と食欲不振が併発しているときにも、病気や体調の悪化が疑われます。
食事の観点からも様子をしっかり観察し、愛猫が長く健康に過ごせるように意識を払うようにしてください。
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