愛猫の食物アレルギーとは?疑われるときの対処法を解説
#猫のアレルギー飼っている猫に発疹が見られたり、かゆみを発症したりしているときに、アレルギーの発症が心配になる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
猫は、食物アレルギー・ノミアレルギー・ハウスダストなど、さまざまなアレルギー反応を見せることがあります。
猫の食物アレルギーは、人間のアレルギー同様「食べ物の中に含まれる特定の成分に対してアレルギー反応が出てしまう」というものです。
そして、もし食物アレルギーだったことが判明した際にどのような対応を取れるのかというのも、飼い主さんにとって大きな悩みの種となるでしょう。
この記事では、猫の食物アレルギーの概要・対策・予防について解説します。
愛猫がもしかしたら食物アレルギーを発症しているかもしれないと感じられている飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
1.猫の食物アレルギーの概要とは?
まずは猫の食物アレルギーの基本的な概要を押さえておきましょう。
現在、愛猫がアレルギー症状を発症しているかもしれないとの疑いを持っている飼い主さんは、ぜひ照らし合わせながらチェックしてください。
1-1. よく見られる症状
猫の食物アレルギーの典型的な症状は、以下のとおりです。
- 皮膚などのかゆみ
- 発疹やむくみ
- 発熱
- 下痢
- 嘔吐
- 脱毛や毛並みの荒れ
- お腹の張り
- 外耳炎
人間の場合、アレルギーはクシャミや呼吸困難などの呼吸器系に症状がでますが、猫の場合は皮膚に症状が現れやすいという特徴があります。
猫がかゆみを感じていると、体をなめたり噛んだり引っかいたりするなどの行動が見られ、これらの行動によってさらに症状が悪化するケースもよくあります。
また、下痢や嘔吐などの症状は比較的飼い主さんが気づきやすい症状ですが、お腹の張りやむくみについては日ごろから注意深く愛猫を観察していないとわかりにくい症状です。
1-2. 発症する時期
猫の食物アレルギーが発症するようになるのは、だいたい1歳頃からです。
個体差があり、1歳までは発症しないというわけではないため、あくまでも目安として参考にしてください。
1-3. 原因の特定は難しい
いくつかの原因から、猫のアレルギー症状の原因特定はかなり難しいのが現実です。
・アレルギーは食物だけではない
猫が発症するアレルギー反応は、ノミ・ハウスダスト(アトピー性皮膚炎)・昆虫(蚊やアブなど)があります。どのアレルギー症状も、皮膚炎など似た症状を持っているため、食物アレルギーとの特定が困難です。
・アレルギー以外にも同じ症状を起こす疾患や病気が少なくない
アレルギー以外にも、皮膚炎や発疹を引き起こす要因はあります。よくある事例としては、感染症(細菌やカビなど)・寄生虫・ストレス要因などが挙げられます。したがって、皮膚のかゆみや発疹が生じているからといってアレルギーであるとは限りません。また、嘔吐や下痢については特に体調が悪くなくても日常的に見られる症状です。飼い主さんは、愛猫が下痢や嘔吐を繰り返しているか否かを注意深く観察しなくてはなりません。
・脱毛や外耳炎はそもそもアレルギーが原因だと思わない
猫のアレルギー症状によほど詳しい方でなければ、脱毛や外耳炎などがアレルギーに由来しているとは考えないでしょう。それでも何らかの不調を感じて、動物病院を受診すればその際に確認できると思いますが、動物病院を受診する時期が遅れるとその分対応も遅くなります。
上記のように、猫の食物アレルギーの判断はとても難しいので、飼い主さんにはていねいに愛猫の様子を観察する姿勢が求められます。
2.猫の食物アレルギーが疑われるときの対処法
食物アレルギーを発症している場合、対処をせずに放置しておくと症状が悪化します。
症状が悪化すると、皮膚病の発症をはじめとした深刻な事態につながる恐れがあります。
愛猫の飼い主として、どのような行動がとれるのかをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
2-1. アレルギーであるか否かの確認
アレルギーであるか否かをご家庭で確認する方法は一つしかありません。
フードを変更して様子を見る方法です。
食物アレルギーは、アレルギーの原因となる何らかの食材に反応することによって発症します。
したがって、やるべきこととしてはフードの変更です。フードを変更して1~2ヵ月程度状況を観察します。
このとき、アレルギー物質が除去されたアレルギー対応フードを使用してください。
また、注意点としてテスト期間中は他のフードを与えないようにしてください(もしほかのフードを与えた場合は、テストを最初からやりなおさなくてはなりません)。
変更後のフードにアレルギーの原因となる食材が含まれていない場合には、フードを変更することによりアレルギーの症状はいったん落ち着くでしょう。
アレルギーの症状が落ち着いたあとに、もともと与えていたフードを与えてアレルギー症状が再発した場合には、食物アレルギーである可能性が高いです。
2-2. アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)
猫の食物アレルギー症状を起こすアレルギー物質を「アレルゲン」と呼びます。
アレルギーを引き起こす原因は、このアレルゲンとの接触によるものです。
猫の食物アレルギーの原因になりやすい物質についても理解しておきましょう。
アレルギー原因物質は大きく分けて2種類あります。
・たんぱく質が豊富な食品・・・牛肉・豚肉・鶏肉・魚・牛乳・生卵など
豊富なたんぱく質が共通している。たんぱく質は猫の食物アレルギーの原因として最も多い。お肉や魚はキャットフードの主原料になっていることも多いため、フード切り替えの際などは特に注意して様子を観察しましょう。
・穀物・・・トウモロコシ・小麦・大豆など
猫は肉食動物であるため、穀物の消化が苦手です。多くのキャットフード(ドライフード)には穀物が使用されているため、直接これらの食材を与えていない場合でもキャットフードの穀物に反応している可能性はあります。
特に、低価格のキャットフードは穀物の配合割合が多い傾向があるため、要注意です。
たんぱく質・穀物ともに、一般のキャットフードにはよく使用されている原材料だからこそ、原因となる物質の特定が難しいともいえます。
2-3. 動物病院へ受診
上記の対応策や知識を理解したうえで、動物病院を受診されることをオススメします。
動物病院を受診することのメリットは、以下の点があります。
- 詳しい診察や血液検査などにより、食物アレルギー以外の病気や症状の検査を依頼できる
- 食物アレルギーに関しても、血液検査によりはっきりと診断してもらえるケースもある
- アレルギー対応食について、具体的な指示・アドバイスをもらえる
- かゆみを和らげるための薬を処方してもらえることもある
特に、下痢・嘔吐・抜け毛などの具体的な症状があらわれているときには、様子をみるよりも早く動物病院を受診して具体的なアドバイスを受けた方が症状改善の見込みは高いでしょう。
3.動物病院での猫の食物アレルギーの対処法
動物病院で食物アレルギーの対応を依頼する際に、どのような対処を受けるのかについてもう少し詳しく聞きたい、との考えをお持ちの方もいるのではないでしょうか?
この章では、動物病院での一般的な食物アレルギー対処法について解説します。
3-1. かゆみの対処
食物アレルギーによるかゆみの程度がひどい場合、注射や内服液などの対処法がとられることがあります。
これらの処置は、あくまでもかゆみの症状を抑えるためのものであって、根本的な治療にはつながりません。
しかし、かゆみによる辛さやストレスを大きく軽減できます。
また、かゆい箇所をかいたりかんだりすることで、皮膚病などのより重い症状を引き起こすリスクを軽減できます。
3-2. 検査
食物アレルギーの検査は、上述のフードを変更して一定期間経過を観察する方法と、血液検査を用いる方法があります。
血液検査でアレルゲンを特定する方法です。
動物病院で血液検査による猫のアレルギー検査した場合、陽性反応が出た食品(アレルゲン)を含まないキャットフードのリストなどがもらえるので、その後のフード選びに役立ちます。
愛猫が安心して口にできるフードを見つけるためにも、検査はとても重要です。
3-3. 療法食やアレルギー対応フードへの変更
一般的に、猫のアレルギーが完治することは難しいと言われています。
したがって、対応としては療法食やアレルギーを引き起こさない食品に切り替えるのが一般的です。
アレルギーを引き起こしにくいフードの特徴や種類は以下のとおりです。
- アレルギー対応食・グレインフリーのフード
- 消化のしやすいフード(良質なたんぱく質を原材料としている/穀物の含有量がすくない)など
- 過去に口にしたことのない原材料で作られたフード(アレルギー反応は、過去に口にした食材に対して起こるため、口にしたことのない原材料に対しては発症しません)
※実際フードの切り替えを行う際は、獣医師の先生の指示・アドバイスを受けながらフードの変更をおすすめします。
4.猫の食物アレルギー対策として心がけていること
ここまでご紹介したように、猫の食物アレルギーは原因特定・対策の両面で難しい傾向があります。
しかしながら、いくつかのポイントを押さえることにより食物アレルギーの発症確率の低減や重症化の予防などにつなげられます。
この章では4つのポイントをご紹介します。
4-1. 単一のフードを与える
猫の食物アレルギーは何らかのたんぱく質に抗体が反応することにより起こります。
したがって、アレルギーの発症リスクを少なくし、アレルギーが発症した際に原因を特定しやすくするためには、単一のフードを与えるようにするのが理想的です。
また、特に注意をしたいのが人間の食品を与えないようにすることです。
人間の食品は、猫にとって塩分が多く含まれているなどのさまざまなデメリットがあるためそもそも与えるべきではありませんが、アレルギー対応という点でもさまざまな種類のたんぱく質が含まれているので望ましくありません。
4-2. 下痢をした際には給与を一旦休止する
愛猫がもし下痢をしているとわかったときには、給与を一旦休止し、動物病院で診察と治療を受けて下さい。
食物アレルギーが原因の場合、低アレルゲンのフードに切り替えましょう。
猫が下痢をしたときには、さまざまな可能性や対策があるため、動物病院で獣医師に相談をするようにしましょう。
4-3. ノミやハウスダストなどほかのアレルギー対策をする
猫の食物アレルギーの予防や対処法について意識される場合は、ノミやハウスダストなどの対策も同時に意識しましょう。
複数のアレルギーが併発してしまうケースが多々あり、またその場合症状が重くなりやすいためです。
予防のための対策としては、ノミ予防の注射や投薬・部屋の清掃の徹底・ストレス要因の除去などがあります。
4-4. 良質なたんぱく質の含まれたフードを与える
良質なたんぱく質は、猫にとって消化しやすいという特徴があります。
また、たんぱく質は被毛や皮膚の源にもなるため、バリア機能を高めるためにもバランスの取れた栄養豊富なフードの摂取が望まれます。
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5.まとめ
猫も人間と同じように、食物アレルギーを起こします。
猫がアレルギーを発症すると、皮膚に不調の症状が出たり下痢や嘔吐を繰り返したりするようになります。
ノミアレルギーやアトピー性皮膚炎などと合併して症状が重くなったり、皮膚病につながったりすることもあるため、飼い主さんが早めに異変を察知することが大切です。
具体的な対策としては、アレルギー原因が含まれると予想されるフードからほかのフードに切り替えて、1~2ヵ月程度様子を見る形をとます。
将来的にも長期的な対応となり、判断の難しいポイントが多いため、獣医師の先生と相談しながら対応を進めてください。
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