ドッグフードのウェットタイプの選び方|ドライフードとの違いを中心に解説
#犬のウェットフード #ウェットフード「いつもは愛犬にドライフードをあげているから、たまにはウェットフードを上げた方がいいのかな?」
「ウェットフードは食いつきがよいって聞いたけど、本当?」
「ウェットフードをごはんとして愛犬に与えるときには、どんなことに注意すればいいの?」
上記のように、ウェットフードについての疑問をもっている飼い主さんは少なくありません。
ドライフードと比較をするとやや価格相場は高いものの、だからこそご褒美として与えたい、という方もいらっしゃるでしょう。この記事では、ウェットタイプのドッグフードの全容を解説します。
ウェットフードについての疑問は、この記事ですべて解決していただけますので、愛犬のフードについてお悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
1.ウェットドッグフードの5つのメリット
最初に、ウェットフードならではのメリットをご紹介します。
ドライフードとの特徴を比較しながらメリットをチェックすることで、愛犬にどのような場面でウェットフードを与えるとよいのかイメージしやすくなるでしょう。
1-1. 香り高く嗜好性が強い
ウェットフードの最大の特徴ともいえる点は、香り高くて嗜好性が高いことです。
暑さや加齢で愛犬の食欲が減退していつものフードを食べないときでも、ウェットフードは喜んで食べたという経験をもっている方は少なくありません。
犬は、人間に比べて鼻がよくきくため、ウェットフードのような風味の強いフードをよく好みます。
1-2. 歯が弱くても食べやすい
ウェットフードは、柔らかくて飲み込みやすいというメリットがあります。
元々、犬の口の構造はものをかみ砕きやすいようにできていません。
食事の際に丸のみをしやすい傾向があります。
また、犬は歯周病などの口腔トラブルになりやすいこともあり、歯が弱くても食べやすいウェットタイプのドッグフードは、高齢や口腔内のトラブルが要因でドライフードを好んで食べなくなった犬に適しています。
1-3. フードと一緒に水分を摂れる
環境省が発行している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」によると、ウェットタイプとドライタイプの水分含有量は以下のとおりです。
- ドライタイプ・・・10%程度、または10%以下
- ウェットタイプ・・・75%以上
犬にとって必要な水分量は犬種やサイズによって異なりますが、目安としての必要量は以下のとおりです。
小型犬(体重10kg以下):~630ml
中型犬(体重10~20kg):630~1060ml
大型犬(体重20kg以上):1060ml~
水を飲みたがらなくて水分補給に困っているときにウェットタイプのフードを活用するのは、効果的な対処法の一つです。
愛犬の水分について詳しく知りたい方は犬の水分補給がうまくできているか不安!チェックポイントと水分の与え方ノコツを解説
の記事にて詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
1-4. 消化が良い
ウェットフードは、ドライフードと比較して消化に優れているという特徴もあります。
消化に優れたフードは、臓器にあまり負担をかけないことや、栄養を吸収しやすいことなどのメリットがあります。
したがって、愛犬が腎臓や肝臓などの臓器に疾患をもっていたり、消化機能が弱い場合に、ウェットフードはとてもオススメです。
お肉や魚のたんぱく質・かぼちゃやサツマイモなどの食材もウェットフードの場合、犬にとって消化しやすいフードとなります。
1-5. ダイエットに効果的
上述のとおりウェットフードはたくさんの水分量を含んでいるため、満腹感が得られやすいという特徴をもっています。
1食あたりのカロリーをドライフードとウェットフードとで比較してみると、ウェットフードのカロリーはドライフードのカロリーの3分の1程度しかありません。
栄養価などのバランスを考えながらウェットフードを併用することにより、健康的な体重の維持を実現できます。
2.ウェットドッグフードの4つのデメリット
多くのメリットがある一方で、ウェットタイプのドッグフードにはデメリットもあります。
デメリットを理解したうえで活用法を考えることで、ウェットフードを日常のフードにうまく取り入れながら、健康的で持続しやすい食事のプランを設計できるでしょう。
2-1. 価格面
ドライフードと比較をした場合に、最初に大きなデメリットとなりうる点は価格面です。
ドライフード・ウェットフードのそれぞれにさまざまな商品のバリエーションがあり、グレードが異なりますが、商品ごとのグレードをふまえてもウェットタイプの方が高価です。
ウェットフードを毎日継続的に与えるのは、金銭面での負担がかなり重くなるため現実的ではないことを把握しておきましょう。
2-2. 栄養面
ウェットフードは、栄養面よりも嗜好性を重視したものが多く、必要な栄養素を十分に摂取できないリスクが高くなります。
ウェットフードには、総合栄養食よりも一般食が多く、主食をドライフード、副食をウェットフードとして与えなければなりません。
総合栄養食:必要な栄養素がバランスよく配合されており、総合栄養食のみで必要な栄養が摂取できるフード
一般食:嗜好性を重視したフード。総合栄養食に混ぜて、副食(おかず)として与えるもの。
総合栄養食のウェットフードも一部発売されていますが、栄養バランスや配合量がドライフードほど優れていないことも多いので、比較しながら検討するとよいでしょう。
2-3. デンタルケアが必要
ウェットフードは歯に付着しやすいため、食後そのままにしておくと歯周病のリスクが高くなります。
若い元気なうちからウェットタイプのフードばかりを食べていると、かむ力が弱くなりやすいため、注意が必要です。
したがって、ウェットフードを与えた後には、歯磨きを徹底するようにしましょう。愛犬の歯磨きは、慣れればそれほど難しいものではありません。
しかし、愛犬が歯磨きを嫌がる場合にはトレーニングが必要です。
犬の歯磨きについて詳しく知りたい方は
犬も歯磨きは必要?始める時期や磨き方のコツ・便利グッズまとめ
の記事にて、詳しくやり方をご紹介していますので、ぜひチェックしてください。
2-4. 賞味期限が短い
ウェットフードは、ドライフードと比較して賞味期限が短いです。
いったん開封したら、当日中に消費しなければ腹痛や嘔吐などの健康被害につながるリスクがあります。
さらに、人工の食品添加物(保存料)に関しても注意が必要です。
発がん性の危険性が示唆されているBHAなどの人工添加物が、微量とはいえ含まれている可能性があるため、気になる方は原材料表示を注意深くチェックしましょう。
3.ウェットドッグフードの3つの種類
ここまで「ウェットフード」とひとくくりにしてご紹介しましたが、ウェットフードには大きく分けて3つの種類があります。
それぞれの特徴を簡単に押さえておきましょう。
3-1. 缶詰(総合栄養食・一般食)
缶詰のウェットフードは、ウェットタイプのドッグフードの中で最も栄養面のバランスが取れています。
総合栄養食もしくは一般食として発売されており、ウェットフードのなかでは賞味期限が長いという特徴もあるため、日ごろの食事用に使用しやすいフードです。
具体的には、ビーフ・チキン・魚のフレークなどの商品があります。
3-2. パウチタイプ
パウチタイプは、少量ずつに小分けしやすく作られているものが多く、おやつやふりかけに適しています。
ご褒美や愛犬とのコミュニケーションの際にも利用しやすいでしょう。
具体的には、ささみや白身魚などを加工した商品が多いです。
3-3. トレイタイプ
トレイタイプは、ドライフードへのトッピングを前提として作られている嗜好性の高いフードで、少量タイプの1食使い切りのタイプが大半です。
お肉や魚のフレークを主原料として、野菜で味のバランスを整えたものが多いです。
4.ウェットドッグフードを選ぶ際のポイント
ウェットフードも、用途や愛犬のコンディションなどによって選ぶ基準が異なります。
この章では、ウェットフードを選ぶ際のポイントを解説します。
4-1. 主食/おやつ
ウェットフードを、主食として使用するかおやつとして使用するかのいずれかによって、重視すべきポイントが大きく異なります。
主食とする場合は、必要な栄養素をバランスよく含んでいることが大切です。
特にたんぱく質や脂質・ミネラル・ビタミンのバランスに注意する必要があります。
おやつとして与える際には、円滑なコミュニケーションやしつけの成功につながる嗜好性を意識しなくてはなりません。
おやつのおいしさが愛犬の喜びや飼い主さんとの間の信頼関係につながるので、食いつきのよさをチェックしながらおやつを選びましょう。
しつけの方法やその際のおやつの使い方には
の記事で詳しくご案内しています。興味をおもちの方は、ぜひチェックしてください。
4-2. 年齢・用途
ウェットタイプのドッグフードは、年齢や用途によってさまざまな商品が発売されています。
- 年齢・・・子犬用・成犬用・シニア用
- 用途・・・ダイエット食・療養食など
必ず、ご自身の愛犬の状況にあったフードをチョイスしてください。
パッケージに記載された与え方(分量や頻度など)を守ることも重要です。
4-3. 安全性
ウェットフードの安全性を考えるときに、最も注意しなくてはならないのは人工の添加物です。
BHA・BHT・エトキシキン・ソルビン酸カリウム・没食子酸プロピルなどの添加物は、多量に摂取させると健康面でのリスクがあると記載されています。
また原材料だけではなく、安全にフードを製造・保管・流通させるメーカーの対応も重要です。
メーカーの対応を消費者として厳密にチェックするのは難しいですが、ホームページで発信されている情報などをチェックして信頼できるかどうかを判断するとよいでしょう。
価格の安すぎるドッグフードは厳格に管理されていない可能性が高いため、慎重に判断する必要があります。
4-4. 食いつき
主食・おやつのいずれの用途であっても、食いつきの良さはウェットフードならではの大きなメリットです。
また、食いつきがよいことは、良質なお肉や魚を使ったフードである証拠であるともいえます。
せっかくウェットフードを与えるなら、食いつきにこだわって選びましょう。
5.ウェットドッグフードを与える際のポイント
最後に、ウェットフードの与え方をチェックしておきましょう。
飼い主さんがフードの与え方までしっかりとカバーしておけば、ウェットフードについての悩みの大半はクリアできるでしょう。
5-1. 基本はドライフードがオススメ
飼い犬の日常的なフードは、ドライフードがオススメです。
金銭的に安価ため継続しやすく、栄養のバランスの面でも整っているケースが多いためです。
獣医師の指示があるケースやドライフードを飲み込めないなどの場合を除けば、ウェットフードはおやつ・ご褒美・食事のレパートリーとしての使用をメインにしましょう。
ウェットフードの頻度の目安は、1週間につき1~2回程度です。
5-2. 食べ残しはその日のうちに消費
ウェットフードの食べ残しは、必ずその日のうちに消費しましょう。
水分の多いウェットフードは、いったん開封すると細菌などが繁殖しやすく、食べ残しを与えると腹痛や嘔吐の原因になるリスクがあるためです。
5-3. 食欲がないときに効果的に利用しよう
愛犬の食欲がないときや、水分補給の必要がある際には、ウェットフードを効果的に活用しましょう。
飼い主さんが愛犬とのコミュニケーションを深める意味でも、ウェットフードはとても効果的です。
その際には、ぜひ愛犬が最も喜んで食べるフードをチョイスしてあげてください。
6.まとめ
ウェットフードは、嗜好性が高く水分量が多く含まれている点が大きな特徴です。
愛犬の食欲が減退していたり水分補給が必要だったりする際に、とても役に立ちます。
ただし、ドライフードに比べると値段の相場が高いことと栄養のバランスが整えにくいという点に注意が必要です。
記事内でご紹介したように、用途や愛犬の年齢に合わせながら、最適なウェットフードをチョイスしてください。
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