猫のウェットフードの選び方|愛猫が喜ぶための4つのポイント
#猫のウェットフードキャットフードの種類は、ドライフード(カリカリ)とウェットフードに分けることができます。
特に、愛猫の食欲不振に悩んでいたり、コミュニケーションの一つとしてご褒美を考えていたりする飼い主さんは、ウェットフードについて気になっているのではないでしょうか?
この記事では、猫用のウェットフードの特徴をふまえ、ウェットフードの選び方・効果的な与え方・注意点などについて解説します。
ドライフードとウェットフードをうまく併用することで、愛猫の食事の楽しみも広がり、栄養摂取や水分補給の面でもとても幅が広がるので、ぜひ参考にしてください。
1.猫用のウェットフードの特徴とは?
ドライフードの食いつきが悪いときや、食事から水分補給を考えているときなどに、愛猫にウェットフードを与えるべきかどうか検討している飼い主さんもいるのではないでしょうか?
そこで、まずは猫用のウェットフードはどのようなものなのか簡単に特徴を説明します。
特徴を知ることで、ウェットフードを与える際の目安にもなると思いますので、ぜひ参考にしてください。
1-1. 特徴① 食感・香りが良い
ウェットフードの大きな特徴の一つは、食感や香りが良く嗜好性が高いことです。
野生の猫がもともと生のお肉を食べる動物であることを考えても、カリカリのドライフードよりウェットフードの方が食いつきがよいことはイメージしやすいのではないでしょうか?
嗜好性が高いということは、簡単にいえば食いつきが良いということです。
せっかくごはんをあげるなら、喜んで食べてくれることに越したことはありませんよね?
猫は、食べ物がおいしいかどうかを判断する際に、食感や香りを重視するため、ドライフードの食いつきが悪いときや食欲がないときでもウェットフードなら喜んで食べることがあります。
また、柔らかくて食べやすいので、あごの力が弱いシニアの猫や子猫の食事にも適しています。
1-2. 特徴② 水分量が多く含まれている
ウェットフードは、その名前の通り水分を多く含んでいます。
ドライフードとの水分量を比較すると、その差は一目瞭然です。
キャットフードに含まれる水分量の比較
ドライフード:10%程度
ウェットフード:80%程度
猫は、もともと砂漠に住んでいた動物ということもあり、あまり水を欲しがらない動物です。
しかし、生きていくためには当然のことながら水分が必要です。
また、猫は体質的に猫下部尿路疾患になりやすいことから日ごろから水分補給の必要性があり、予防対策としてウェットフードが注目されています。
特に、夏バテによる熱中症が心配されるときなどには工夫して水分補給できるようにしておく必要があるので、食いつきの良いウェットフードは水分補給対策として効果的です。
また、水分量が多いため、ドライフードと比較して消化に良いという特徴もあります。
猫に必要な水分については、「猫の水分補給方法とは?水分の重要性と与え方を解説 」の記事で紹介しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。
1-3. 特徴③ 種類が多い
猫用ウェットフードは、種類が多いという特徴もあります。
例えば、ウェットフードの形状だけを見ても次の3つの種類があります。
・フレークタイプ
人用のツナ缶のような形状で、固形が残っている状態です。生のお肉や魚の状態に近いという特徴がありウェットフードの中では比較的、価格が安いという特徴があります。
・パテタイプ
固形が残っておらず、ペースト状になったキャットフードです。複数の材料を混ぜ合わせて作ったものが多く、ウェットフードの中でも嗜好性が特に高いという特徴があります。猫に薬を与える際に、パテタイプのごはんと一緒にあげるという使い方もあります。
・スープタイプ
おかゆのようにスープにごはんが入っている状態です。ウェットフードの中でも特に水分量が多いという特徴があります。ドライフードをふやかすために、スープタイプのフードを用いることもできます。
これらの3つの形状の違いに、それぞれ素材(お肉・魚など)や味付け・与える年齢(成猫用・シニア用など)・栄養素の違いなどがあります。
また、総合栄養食(キャットフードと水分を摂取してれば基本的な栄養がまかなえるもの)と一般食(総合職の補助として用いるおかずのようなもの)とがあります。
ウェットフードは、総合栄養食よりも一般食が多いという特徴があります。
このようにウェットフードはとてもバリエーションが豊富なので、ごはんのバリエーションを増やす意味でもとても効果的です。
2.ウェットフードのデメリットとなりうるポイント
ウェットフードならではのメリットや特徴も少なくありませんが、デメリットとなりうるポイントもあります。
デメリットをあらかじめ把握して、デメリットにならないように注意することで、ウェットフードの良さを活かすことができます。
2-1. 費用が高くついてしまうことがある
多くの飼い主さんがウェットフードのデメリットとして考えているのは費用面ではないでしょうか?
確かに、一般的にウェットフードはドライフードよりも割高な料金設定になっているので、食事の中心をウェットフードにすると費用が高くついてしまいます。
対策としてはウェットフードをトッピングして用いるなど、与え方に工夫をすることです。
例えば、ドライフードにウェットフードを混ぜて与えるようにしたり、ごほうびのおやつとしてウェットフードを使用したりするなど、常にウェットフードに頼らないようにしておくと良いでしょう。
2-2. 開封後は傷みやすい
ウェットフードの特徴は、開封後は傷みやすく日持ちしないことです。
上述のように、ウェットフードは割高な面もあるので、愛猫が食べ残しをしてしまったりするととても「もったいない」と感じるものです。
ウェットフードの傷みやすさの対策としては、小分けに個包装されたウェットフードを使用して、一回で食べきれる分量を与えるように工夫することです。
2-3. 噛む力が強くならない
ウェットフードのデメリットの3点目は、噛む力が強くならないことです。
食材が柔らかく、噛む力が弱い猫でもごはんをおいしく食べられるという点はウェットフードのメリットでもありますが、ごはんをウェットフードに頼ってしまうとだんだん猫の噛む力が弱くなっていきます。
ドライフードと併用したり、ドライフードを食べるのが大変になってしまったシニアの猫に与えたりする分にはデメリットにはなりませんが、成猫の元気な噛む力を維持するには、ドライフードなどの固いごはんを食べることも大切です。
3.愛猫に与えるウェットフードの選び方
ウェットフードの特徴は、種類がとても豊富なことです。
その中で、どの食材が自分自身の愛猫にぴったり合っているのかはとても迷う部分ではないでしょうか?
この章では、ウェットフードの選び方や与え方について解説します。
3-1. ドライフード+ウェットフードの組み合わせが基本
ウェットフードを愛猫のごはんに効果的に活用するためには、ドライフードとウェットフードを組み合わせる形が理想的です。
というのも、ウェットフードだけにした場合には、いくつかのデメリットが考えられるためです。
【ウェットフードだけにした場合のデメリット】
- 偏食になってしまう可能性がある
- 費用が高くついてしまう
- ウェットフードは、総合栄養食が少なく一般食が多いため、ウェットフードだけで必要な栄養を摂取できない
- 総合栄養食のウェットフードであっても、ドライフードよりもたくさんの分量を食べなくてはならない
※水分量が多いため、摂取できる栄養素やカロリーに対して満腹になりやすいため、総合栄養食のウェットフードのみで必要な栄養素を全て摂取するのは大変なケースがあります。
以上の理由から、ドライフードとウェットフードを併用して、双方のメリットを活かしつつごはんを与える形が理想的です。
3-2. 目的に応じた選び方をする
ウェットフードを与える際にも、目的に応じた選び方をすることが大切です。
目的別の与え方は、以下の通りです。
【日常のごはんとして使用する場合】
①栄養素がきちんと摂取できる総合栄養食のキャットフードを使用する
②スープタイプのウェットフードでドライフードをふやかすなど、ドライフードと組み合わせて使用する
【噛む力の弱いシニアや子猫のごはんとして使用する場合】
①シニア用・子猫用など、年齢に合ったキャットフードを選択する
②愛猫の噛む力に合わせて、パテタイプなど食べることが負担にならない柔らかさの物を選ぶ
【ごほうびや飼い主さんとのコミュニケーションの一環として使用する場合】
①愛猫が喜ぶ味のものをチョイスする
②ごほうびの場合、特に嗜好性の強いものを選んであげると猫が喜ぶので、嗜好性の高い一般食のウェットフードを選んだ方がよいかもしれません
【太り気味で減量している子のおやつや日々のお食事のトッピングとして使用する場合】
①かさが多く満腹感が得られやすいので、ストレス軽減になる。
以上のように、どのような場面でキャットフードを与えるのかを想像し、その時の用途・目的に合ったキャットフードを選ぶことが大切です。
3-3. 食いつきの良さで選ぶ
ウェットフードを与える目的にも通じる部分ですが、ウェットフードはドライフードの補助的な役割として与えられることが多い特徴があります。
そのため、含まれる栄養素の割合よりも食いつきの良さを重要視したい場面が多くなると考えられます。
猫が喜ぶキャットフードのポイントは、次の通りです。
・香りが強いもの
もともと肉食である猫は、魚やお肉などの香りに食欲を喚起される傾向があります。
・子猫のときの食生活を踏まえてごはんの内容を考える
子猫の時にさまざまなごはんを食べていた猫は、成猫になってからも、突然新しいものを食べたくなりそれまでに食べていたものをあまり食べなくなってしまうことがあります。
この状態は、食べられるものを増やすという猫の本能によるもので、別の種類のごはんを与えることで解決できることが多いです。
反対に、子猫のときに同じごはんを食べていた猫は、警戒心が強くなり新しいごはんを嫌がる傾向があります。
このような猫に対しては、好みの食材を使ったフードを与えるのが理想的です。
3-4. 添加物は少ない方が望ましい
ウェットフードを選ぶ際に注意したいのが食品添加物です。と言うのも、ウェットフードはドライフードに比べて保存性が弱いということもあり、添加物が多く含まれている傾向があるためです。
猫にとって、危険な添加物としては、以下のものが挙げられます。
・亜硝酸ナトリウム
肉を赤く新鮮に見せたり、細菌の繁殖を抑えたりする効果のある食品添加物です。ペットフード安全法にて使用量の上限値は定められていますが、使用自体は許可されています。亜硝酸ナトリウムには、発がん性が認められていることに加え、急性の症状として吐き気や嘔吐などを引き起こすことが報告されています。
・エトキシキン・BHA・BHT
エトキシキン・BHA・BHTは、ウェットフードが腐るのを防ぐための酸化防止剤として使用されています。ただし、これらの添加物には発がん性が認められており、人間の食品に対しては使用が禁止されている添加物です。
・グリシリジン・アンモニエート
グリシリジンとアンモニエートは、どちらも食品の甘みを増すための甘味料として使用されています。価格が安いことから低価格のキャットフードに用いられることが多いのですが、安全性が確認されていないため、長期的な使用をするのはやや不安が感じられる添加物です。
・プロピレングリコール
保水力を高め保存性をアップするとともに、細菌の繁殖を抑える効果を持つ食品添加物です。ペットフード安全法によって、キャットフードへの使用が禁止されているため、使用用途さえ間違えなければ問題ありませんが、ドッグフードなどには一般的に使用されている食品添加物であることに注意する必要があります。
猫がプロピレリングリコールを摂取すると、溶血性貧血を引き起こすことが確認されています。溶血性貧血の症状は、食欲不振・発熱・元気がなくなる、などです。
4.まとめ
猫のウェットフードには、次のメリットと注意点があります。
メリット
- 食いつきが良い(食欲低下時に効果的)
- 水分補給に良い
- 種類が多い
注意点
- ウェットフードに偏ると費用が高くなる
- 開封後に傷みやすくなってしまう
- 噛む力が弱くなってしまう
メリットを最大限に活かして、デメリットを感じないようにするためには、目的に応じてウェットフードをチョイスすることやドライフードとうまく併用することが大切です。
ウェットフードをうまく使って、愛猫との楽しい食事の時間をぜひ楽しんでください!
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