子猫の里親になるにはどうすれば良い?迎える方法と準備とは
#子ねこ #里親里親として子猫を家族に迎え入れたいと考える方もいるでしょう。
しかし、誰でも里親になれるわけではなく、さまざまな条件をクリアし、審査を通過しなければなりません。
ここでは里親として子猫を迎える方法や流れ、準備するものについてご紹介します。
新しく大切な家族を迎え入れる準備を整えるための参考にしてください。
1. 子猫の里親とは
子猫の里親とは、団体や施設などで一時的に保護されている子猫の新しい家族のことです。
次のような団体や施設・ボランティアなどから子猫を迎え入れることが多いです。
- 保健所
- 動物愛護センター
- 譲渡会
- 保護猫カフェ
- 動物病院
- 里親募集サイト
野良猫であった母猫とともに保護された子猫や、なんらかの理由で飼い主を失ってしまった子猫など、さまざまな事情をもつ子猫が保護されています。
一般的に譲渡される子猫の年齢は生後8週齢以降です。
家族に新しく子猫を迎え入れる方法としてペットショップやブリーダーから購入する方法もありますが、近年里親として迎え入れる方法も広く浸透してきました。
しかし、誰でも簡単に里親になれるわけではありません。厳しい条件をクリアした方だけが里親になれます。
2. 子猫の里親になるための審査内容は?
里親になるためには厳しい審査を通過しなければなりません。
大切な命を預かるのです。
そのために里親になる方の生活環境や経済状況・飼い主としての資質など、細かい部分まで審査されます。
どのような条件が整っていれば良いのか、順番にみていきましょう。
2-1. 必要最低限の条件
里親になる条件は、子猫を保護している団体や施設によって異なります。
しかし、次の条件はどの場所でも満たしていなければなりません。
- 身分証明書の提示ができる
- 猫を飼える家に住んでいる
- 家族全員の同意が得られている
- 完全室内飼育ができる
- 飼育に必要な費用を負担できる
- 動物病院で必要な治療・予防を受けさせられる
- 愛情を持って最後まで飼い続けられる
子猫を迎えたい場合、里親の年齢が60歳以下でなければならないことがほとんどです。
猫は平均健康寿命が12~18年と言われており、中には20年以上生きる猫もいます。
責任を持って最後まで面倒を見られる方でないと里親にはなれないため、年齢制限があるのです。
ただし、後見人がいれば里親になれるケースもあります。
子猫を保護している団体や施設に問い合わせてみてください。
また、小さな子どもがいる家庭も里親になれないことが多いです。
子猫を追い回したり、叩いたりしてしまい、猫にストレスを与えてしまう可能性があるからです。
逆に子猫が子どもを傷つけてしまったり、猫アレルギーを発症したりするリスクもあります。
この他にも、里親になるためには細かい条件を全てクリアしていなければなりません。
2-2. 飼い主としての資質
先ほどご紹介した条件の他にも、留守にする時間が短いなどさまざまなポイントがあります。
しかし、里親を探している方たちがもっとも重視しているのは、本当に猫を幸せにできる方かどうかです。
一時保護している方たちは、「子猫に幸せになってほしい」、「一生大切にしてくれる家族に迎えられてほしい」と強く願っています。
たとえ短い時間であっても、保護している方たちが大切に愛情を込めて育ててきた子猫たちです。
子猫に対する愛情を十分表現でき、信頼して任せられる人たちだと安心してもらえなければなりません。
また、保護活動を行っている方たちの取り組みや趣旨をしっかり理解し、書類の提出や面談・自宅訪問に積極的に協力することも大切です。
3. 子猫を里親として迎える流れ
里親として子猫を迎え入れるためには、一般的に次のようないくつかのステップがあります。
- 里親に申し込む
- 子猫と面談
- 引き取り決定
- 正式譲渡
それぞれについて詳しくみていきましょう。
3-1. 里親に申し込む
地域で里親を募集しているところがないか、探してみましょう。
インターネットを利用すれば、猫を保護している団体のホームページや掲示板で里親を募集している方などが見つかります。
また、保健所や動物愛護センターなど、公的な機関を利用する場合は各都道府県の該当ホームページを見ると良いでしょう。
掲載されている譲渡条件をしっかり確認し、保護されている団体が指定する方法で申し込みます。
保健所や動物愛護センターで保護されている猫を迎え入れたいと考えている場合、講習会を受けなければならないことが多いです。
3-2. 子猫と面会
実際に子猫と面会します。
可能であれば、家族全員で面会できると良いでしょう。
抱っこしたりなでたりして、相性の良い猫を探します。
このとき子猫を脅かさないように、子猫の気持ちを優先して接してください。
気になる子猫がいたら保護している方や担当者の方と面談です。
ご自身の環境や先住猫の有無など、さまざまなことを聞かれると思います。
この方なら子猫を任せても大丈夫だなと感じてもらえるよう、誠心誠意対応してください。
また、子猫について疑問があれば積極的に質問しましょう。
3-3. 引き取り決定
引き取りが決定したら諸経費を支払い、契約書や規約の確認など必要な手続きを行います。
引き取りが決まる前にトライアル飼育が行われる場合もありますが、子猫の場合は環境の変化が猫の負担となるため、トライアル飼育が実施されていないケースがほとんどです。
手続きが完了したら、いよいよ正式譲渡です。
3-4. 正式譲渡
子猫を家族として正式に迎え入れます。
正式譲渡までに子猫が迎え入れられるよう、準備をしっかりしておきましょう。
子猫を迎え入れたらワクチン接種や避妊・去勢手術など、必要な医療を受けさせるようにしてください。
また、正式譲渡後も保護施設とのやりとりが続くこともあります。
子猫の様子を定期的に報告し、何かトラブルがあったときに相談できるよう、良い関係性を構築していきましょう。
4. 子猫の里親になるために必要な費用
里親になる場合、子猫そのものの代金は必要ありませんが、譲渡費を保護施設に支払わなければなりません。
一般的に3~6万円程度と言われています。
「なぜ保護猫なのに費用がかかるのか?」と疑問に思われた方もいるでしょう。
譲渡費は、猫が保護されてから譲渡されるまでにかかった医療費や飼育にかかった費用の一部が含まれています。
大切に保護してくれた方たちへの感謝や、次に保護された猫を助ける費用になることも覚えておいてください。
子猫の里親になるために必要な費用は譲渡費だけではありません。
子猫を育てていくための費用も必要です。
まずは子猫のごはん代です。(子猫のごはんとは、キャットフードのことを言います。)
平均年間5万円程度かかります。
この金額は、どのようなフードを与えるによっても左右されます。
次に医療費です。
伝染病を予防したり、重症化を防いだりするためにワクチン接種は欠かせません。
保護施設でワクチン接種を受けている可能性もあるため、何回どのワクチン を接種したのかはあらかじめ確認しておきましょう。
ワクチン接種費 用は動物病院によって異なりますが、3種混合ワクチンの場合は1回につき5,000円前後です。
成猫になってからは、年に1回のワクチン接種を行います。
「動物愛護及び管理に関する法律第39条」の登録を検討する。
販売業者以外から譲り受けた場合には、マイクロチップの装着は必須ではありません。努力義務になりますが、迷子になった時飼い主の元へ返還できる可能性が高まります。
マイクロチップ代や登録代がかかります。
詳しくは、環境省ホームページをご覧ください。
また、避妊手術や去勢手術も必要になります。
去勢手術の場合、手術費用は1~2万円程度ですが、診察代を考慮すると別途5,000~1万円くらいかかります。
避妊去勢手術の場合、手術費用は1万5,000~3万円必要となるケースが多いです。
診察代として別途5,000~1万円くらいかかりますが、入院費や麻酔代もかかるため多めに準備しておきましょう。
避妊去勢手術に対して、助成金を用意している自治体もあります。
一度お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
5. 子猫を迎えるため里親として準備するもの
里親として子猫を迎えるには、子猫が安心して暮らせる環境を整えなければなりません。
そのために準備しなければならないものを順番にご説明します。
5-1. ごはん
子猫のごはんを準備しましょう。
ごはんと飲み水用の容器も準備してください。
子猫の成長期間は大きくわけて次のように3つあります。
- 哺乳期:生後4週齢まで
- 離乳期:生後4~8週齢まで
- 成長期:生後8週齢以降
里親として迎え入れられる子猫は一般的に生後8週齢以降となっているため、成長期に合わせた食事を用意しましょう。
成長期の子猫は固いものも食べられるようになってきますが、離乳食などやわらかいものをメインで食べていたため、固いフードを急にうまく食べられるわけではありません。
水分が多くて柔らかいふやかしたドライフードをメインに与えてみたり、ドライフードとウェットフードを混ぜて食べさせたりと子猫の状態に合わせて無理なく与えましょう。
保護施設でどのようなフードを食べていたのか、事前に聞いておくと良いです。
またごはんは総合栄養食がおすすめです。
成長期の子猫は動きが活発になり、体もどんどん大きくなります。
そのためたくさんの栄養分が必要になります。
総合栄養食には成長に欠かせない栄養素がバランスよく配合されています。
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5-2. トイレ用品
トイレ周りの環境を整えてあげましょう。
子猫が安心して排泄できる環境でないと、トイレではないところで粗相してしまうことがあります。
必要な物品は猫用トイレと砂です。
トイレの入り口は子猫でもまたぎやすい高さのものにしてください。
また、猫は狭いトイレが苦手です。
子猫の大きさに合わせて、体長の1.5倍以上の広さがあるものを選びましょう。
トイレの砂は掃除がしやすく、排泄物のにおいを和らげてくれるものが良いでしょう。
トイレ掃除に必要なスコップも必須です。
5-3. キャリーバッグ
子猫を迎えに行ったり、動物病院への行き来をしたりする際に活躍するのがキャリーバッグです。
頑丈なハードタイプや持ち運びのしやすいソフトタイプがあります。
定番のプラスチック製のものから、リュックタイプのものなど種類もさまざまです。
キャリーバッグを購入するときは、子猫の出し入れがしやすく使いやすいものを選んでください。
また、子猫が快適に過ごせるよう、通気性はしっかりチェックしましょう。
子猫は短期間で大きく成長します。
そのため子猫に合わせたサイズではなく、成猫サイズに合った大きさのものを選びましょう。
5-4. ケージ
子猫が新しい環境ですぐに落ち着いて過ごせるようにケージを用意しておきましょう。
子猫は広い場所にいると不安になり、ストレスを感じてしまいます。
また子猫が自由に動き回れるとケガをしたり、ゴミや小物(薬品・タバコ・先の尖ったクリップなど)を誤飲したりするリスクが高まります。
子猫を守るため、ケージを準備してください。
ケージにもさまざまな種類があります。
子猫におすすめなのはドアがスライド式で広めのものです。
スライド式なら開閉時にドアが子猫に当たりません。
網目の細さは子猫がすり抜けられない程度のものにしましょう。
またドアの幅はトイレの出し入れがしやすいものがおすすめです。
スムーズに出し入れできるかチェックしておきましょう。
5-5. 爪とぎ
猫にとって本能的な行動である爪とぎ。
爪とぎができるように専用の爪とぎ場所を複数設置しましょう。
猫は爪とぎをしているとき、ストレッチも同時にしているため、身体を十分に伸ばせて安定感のあるものにしてください。
爪とぎは子猫のストレス発散やマーキングのために行われていることがあります。
思う存分爪とぎができるように、環境を整えてあげましょう。
5-6. キャットタワーやおもちゃ
必須ではありませんが、子猫の運動不足解消やストレス発散のためにキャットタワーやおもちゃを用意してあげましょう。
おもちゃは子猫とのコミュニケーションにも使えます。
ただし、キャットタワーは落下しないように、安全対策をしておくと良いでしょう。
特に生後4ヵ月未満の子猫を迎える場合、キャットタワーは飼い主が見守れるときのみ使用するようにするのがおすすめです。
落下して大ケガをする可能性があります。
5-7. 脱走防止フェンス
子猫が誤って家の外へ出てしまわないように脱走防止フェンスの設置もしておきましょう。
外に出てしまったら迷子になってしまったり、最悪の場合事故にあったりすることがあります。
玄関やベランダに必要に応じて脱走防止用のフェンスを設置しておくと安心です。
5-8. お手入れグッズ
子猫のお手入れに必要なブラシや爪切りを準備しておきましょう。
爪とぎを猫自身がするため、爪切りは必要ないと感じる方もいるかもしれませんが、そのままだと爪が鋭く尖ったままです。
引っかかってケガをする可能性があるため、爪切りをしてケアしてあげてください。
5-9. 子猫を迎えられる部屋
子猫を迎えられるように、部屋全体の環境を整えることも大切です。
アクセサリー薬品・タバコ・先の尖ったクリップなどの小物が落ちていると、子猫が誤飲することがあります。
引き出しや箱にしまい、子猫が触れられないようにしましょう。
また、観葉植物にも注意が必要です。
人間には無害でも、猫にとって有害な成分が含まれている植物もあります。
部屋においてある植物が子猫にとって無害かどうか確認しておきましょう。
6. まとめ
子猫の里親になるためには厳しい審査をクリアしなければなりません。
生活面や経済面の条件もありますが、一番厳しく見られているのは飼い主として十分な資質があるかどうかです。
子猫が幸せな人生を送れるよう、しっかり準備をして迎え入れましょう。
猫と出会う方法はさまざまです。
愛猫との出会い方について詳しく知りたい方は「愛猫との出会い方|メリットと注意点を解説」をご覧ください。
また、猫を飼うための準備については「猫を飼いたい方が知っておきたい事前準備の総まとめ」も参考にしてください。
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